ここから本文です

ドラムのマイク・テクニック シングルマイクからマルチマイクまで

2021-12-01

テーマ:How to

ドラムの録音プロセスは、年々大きく進化しており、新しい技術が開発され、伝統的な技術とうまく共存しています。複雑な信号のルーティング、コンプレッション、バス選択、マイキングなど、これらすべては基本的なセットアップとそれを使用するタイミングの知識が必要です。ここでは、シングル・マイクから多様なオプションまで、ドラムのマイキングに関するいくつかの方法を紹介します。

シングルマイク

ドラムキットに使うマイクが1本しかない場合は、コンデンサーマイクを使うことになるでしょう。ミキサーのチャンネル数が全体で8つしかない環境で、ライブを乗り切らなければならなかったことが何度もありました。そこから得られたシングルマイクのテクニックは非常に貴重です。1本のコンデンサーマイクを使用する場合、指向性(ピックアップパターン)に依存します。
カーディオイドパターン(単一指向性)のマイクしかない場合は、1.5メートルほど離れたところに設置します。キックやタムの音色をよりよく捉えるためには、角度を下げます。

8の字型パターン(双指向性)のマイクであれば、ドラムキックのすぐ上に設置します。マイクの片側は力強いキック音を拾い、もう片側はその上のシンバルを拾います。微調整しながらバランスがとれた音を拾うためには、しっかりとしたマイクスタンドが必要です。無指向性コンデンサーマイクも、同じように設置できますが、ドラムキットから少し離れた場所に設置する必要があるかもしれません。

Samson CL8aは極性パターンを選ぶことができるため、1本のマイクで異なるパターンを試すことができます。ただ、EQで低音域を少しブーストしたり、高音域を少しカットしたりする必要があります。コンデンサーマイクは、高音域において少し感度が強くなる傾向にあります。

マイク2本使用

マイクが2本あると、ステレオのセットアップを考えがちですが、録音している部屋の音響によっては、2本のマイクを使って近距離/遠距離のセットアップもできます。音響が良くない場合は、マイクをドラムキットにかなり近づけた方がいいでしょう。一方のマイクが苦手とするドラムキットのエリアを、もう片方のマイクで集中的にカバーしたい場合には、ステレオ録音を諦めて近接/遠距離マイクのセットアップを行います。

ライブミックスでは、1本のマイクをキックに、もう1本のマイクを「スネアエリア」(スネア近くで、タムやハイハットも拾えるように角度をつけたもの)に立てて、近接/遠距離マイクを使うことがあります。指向性コンデンサーマイクを使えば、特定のゾーンを集中的に拾うことができます。このセットアップには、SamsonのC02マイクが適しています。

マイク3本、または4本使用

3本のマイクを使用する場合、最も一般的な選択肢はジョン・ボーナムの手法(正確にはGlyn Johnsの手法)になります。このセッティングは、ツェッペリンのレコーディングをはじめ、ザ・フーやローリング・ストーンズなどで、非常にアグレッシブなドラム・サウンドに使用されました。3本のマイクのうち、1本はキックドラムにセットします。2本目のマイクは1.2~1.5メートルの高さからスネアに向けます。3本目のマイクは、フロアタムの横に置いて、キット全体を狙いながらハイハットに向けて設置します。上部の2本のマイクの距離には特に注意してください。位相の問題を避け、パンニングの範囲を最大にするためには、マイクの距離は同じにする必要があります。

これに加え、スネア専用の4本目のマイクで拡張することができます。3本のマイクを使う人もいれば、4本のマイクを使う人もいます。これは、奏者や録音する機材によって異なります。上と下の例で紹介されているマイクはすべて、サムソンのDK707ドラムマイクキットに含まれています。

各キットにマイクを使用

フロントビュー

さらに拡張したいと考えた場合、私は通常「各キットにマイクを設置する」方法を採用します。近接マイクの手法を使えば、部屋のトーンをコントロールしたり、音響空間を補正できます。すべてのドラムにスポットマイクを設置し、シンバルを捕らえるために2つのオーバーヘッドを設置するというのが、最近の多くの人が採用している方法です。Samson DK707は、近接マイキングのために必要なマイクを全て含むセットです。

リアビュー

後書き

これらのテクニックは今現在も使用されており、レコーディングエンジニアにとって非常に有効な方法です。「すべてのドラムにマイクを設置できる」だけのマイクとチャンネルを持っていたとしても、少数のマイクで録音するテクニックは知っておくべきでしょう。これらのテクニックは、いざという時に狙ったサウンドを作ることに役に立ちます。また、ライブの際にチャンネルが足りなくなることもあります。

この記事はSAMSONによるDrum Mic Techniques: From Single to Several Micsの翻訳です。

Matt Vanacoro

Matt Vanacoro氏は、ニューヨーク州Westchester在住の音響技術に関する教育者です。20年以上にわたり音響技術を教えており、macProVideo.comの上級トレーナーでもあります。また、Ask.Audioの寄稿者でもあり、チュートリアルと教育を専門としています。また、NYSSMA、WCALA、NAMMショーのワークショップでプレゼンテーションを行っています。彼は、技術を教育方法の1つである「形成的評価(評価するときに得点を付けるだけではなく、達成度に応じてフィードバックを行い、学力の向上を目指す)ツール」として使用したり、生徒の成長を助ける技術的解決策を見つけることに重点を置いています。

 
 
 
サウンドマートスキル出品を探す サウンドナビアフィリエイト記事を書く

カテゴリーから探す

ブログカレンダー

2025年4月

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30

ブランドから探す

ブランド一覧を見る
FACEBOOK LINE YouTube X Instagram TikTok