ギタリストの皆さん、チューニング下げてますか?
機材の発達や、ジャンルのミクスチャー化の影響でメタルやハードロックだけでなく、ポップスでもダウンチューニングが用いられるようになった昨今。「レギュラー」と呼ばれていた10-46の弦ではテンション感が物足りない!というギタリストも多いのではないでしょうか。そこで今回は、私が実際に使ったことのあるものの中から、ダウンチューニングでも弾きやすいと感じたものを紹介します!!
ちなみに各商品の感想は、デスメタルバンド在籍時にドロップCチューニング(全弦1音下げ + 6弦のみさらに1音下げ)で使用していたときのものになります。ご参考までに。
1.JIM DUNLOP / DEN1052
ゲージ:10 - 13 - 17 - 30 - 42 - 52
テンション:★★★★★(強め)
音色:エッジが立ち輪郭のはっきりとしたサウンド
ギタリスト的には弦よりもピックやエフェクターのイメージが強いかもしれないJim Dunlop製のギター弦。ザック・ワイルド(BLACK LABEL SOCIETY)やケリー・キング(SLAYER)が同社の弦を使用しているというと、そのキャラクターがイメージしやすいのではないでしょうか。ゲージの恩恵ももちろんありますが、弦自体の張りが強く、6弦をCまで下げてもテンションは強く感じます。音はエッジが立ちつつ、ミドルが豊かな印象。低音弦を多用する刻みやリフでも輪郭がはっきりとするサウンドです。
ちなみにJim DunlopはHEAVY COREシリーズというダウンチューニング向けの弦も展開しています。10-48というレギュラーの低音弦をほんのちょっと太めにしたセットもあり、ドロップチューニングは使用しないという方にはこちらがおすすめです。
JIM DUNLOP / DHCN1048
2.SIT STRINGS / S1052
ゲージ:10 - 13 - 17 - 30 - 42 - 52
テンション:★★★☆☆(絶妙に弾きやすい)
音色:ミッドの押し出しが強いパワフルなサウンド
独自の加工が施され、チューニングの安定性に定評のあるSIT製のヘヴィボトム弦。ダウンチューニングでもその安定性は健在。張りたて直後から狂いの少なさを感じます。テンションはゆるすぎず、きつすぎず(なにも説明になっていない)。チョーキングやビブラートもスムーズにでき、それでいて低音弦の刻みにはしっかりついてくる絶妙なテンション感です。音抜けが良く、ハイミッドが押し出してくるようなサウンドですが、耳に痛いところは抑えられている印象です。非常に優等生。
3.ROTOSOUND / MAS11 MICHAEL AMOTT SIGNATURE SET
ゲージ:11 - 15 - 18 - 32 - 44 – 59
テンション:★★★★☆(高音弦はきつめ)
音色:ミドルがふくよかなサウンド
メロディック・デスメタルバンドArch Enemyの首領マイケル・アモットのシグネチャー弦。Arch Enemyは全弦2音下げのチューニングを基本とするため、低音弦だけでなく高音弦も太めのセットになっています。1音下げで使用すると高音弦のテンションはややきつめ。ROTOSOUND弦は比較的テンションがゆるい傾向にあるため、弾きにくいというほどではありませんが、やはり2音下げに最適化されたセットという印象です。
4.ROTOSOUND / DZ10 Dark Zone Custom Gauge
ゲージ:10 - 13 - 18 - 36 - 52 - 60
テンション:★★★☆☆(バランスが良い)
音色:倍音の整った太い音
出ました驚異の60。5弦の時点でレギュラーの6弦より太いという極太っぷりです。高音弦はレギュラーとほぼ同じゲージのためリードは弾きやすく、低音弦はテンションの恩恵で刻みやすいと非常にバランスの良い印象。1音下げだと5弦がややきつく感じるのでピッキングハーモニクスをかけて揺らす、みたいなフレーズは練習が必要かも。サウンドはROTOSOUNDの他のモデルと同じく、張りたてでもギラつかない太い音。歪ませても音が暴れることがないため、意外とメタル向きだと思います。サウンドとテンションゆるめの高音弦が相まってリードが弾きやすい弦です。
というわけでダウンチューニングにおすすめのギター弦を紹介しました!ダウンチューニング時に適正なテンションを得ることは、サウンド・演奏性・ピッチ感すべてに関わってくると言っても過言ではありません。好みに合った弦を見つけて良いダウンチューニングライフを!