世界で初めてソリッドボディのエレキギターを量産し、トップの礎を築いたFENDER、今回ご紹介するトレモロブリッジの元祖はそんなFENDERで生み出された偉大なパーツです。
名前はシンクロナイズドトレモロブリッジと呼ばれ、商標にもなっています。
シンクロナイズドトレモロブリッジなんて長い名前であまり親しみの無いように感じますがこのパーツです。

実際に見るとギタリストであれば一度は見たことが有るであろう、なじみ深いルックスですね。
元々はFENDER/ストラトキャスターに採用する為に開発されたブリッジですが、画期的なアイデアで設計されている基本的な構造は、ストラトキャスターが販売された当時から半世紀たった今でも変わらず、多くのギタリストから支持を得ています。
そんなシンクロナイズドトレモロブリッジ、年代を重ねるごとには微妙な違いや改良が有ります。
たとえば、ブリッジをボディ固定するスタットが最もわかりやすいでしょう。
一般的なシンクロナイズドトレモロブリッジは6点のビスによってボディに固定されていますが、ブリッジの稼働の改善を目的とし、2点支持に変更されたモデルも近年見られるようになりました。
ブリッジを支える支点が6本の木ネジから左右の2点のスタットになる事により、アーミング時に発生する可動部の抵抗がはるかに少なくなります。
トレモロスプリングと弦の張力が均衡した状態で抵抗が無くなる事でよりチューニングが安定します。
ブリッジサドルも年代によりどんどん仕様が変わっています。
50年代60年代や近年のビンテージを模したモデルにはスティール製のプレスサドルが使用されています。
重量が軽く、締まったタイトなサウンドが特徴で、fenderの刻印が入ったルックスが渋く、ストラトユーザーからは人気が有ります。
上記とは異なり、70年代に採用されていたのがダイキャスト製のブロックサドルです。プレスサドルとは違い角張った形状、メッキ塗装が施された重厚なルックスが目を引きます。
サウンドはプレスサドルとは異なり、サドル自体の質量が増える為、サスティーンの伸びがよくなり、低域の成分が強まったダークな印象を受けます。
両サドル共にサウンドに違いがあり、付け替えるだけで理想のサウンドに近づけるかもしれません。