花粉の飛散と連日の強風に春の到来を感じつつ、衣替えの時期を見極められずに困っている筆者です。どうもみなさん、お元気でしょうか。
ところでみなさん、ワウペダルは好きですか?筆者はじつを言うとまぁまぁです。というのも、使う場面が多くない割に、それぞれ異なるキャラクターの機種が非常に多いんですよね。しかもエフェクターにしてはやや平均価格高めです。でも無いとそれはそれで嫌だ……そんな立ち位置のエフェクターです。
とはいえビンテージ物を指をくわえて眺めたりすることもあるくらいには興味のあるエフェクターなのですが、2024年3月にVOXより往年のワウペダルの名機「Clyde McCoy」が復刻、発売されました。世間の期待は高かったようで、初回分はどこも即完売という人気ぶり。筆者、その争奪戦に勝利し、初回入荷分を購入することができました。ということで、手持ちのワウと比較しつつワウペダルの歴史についても少しだけ触れてみたいと思います。
比較機種
① VOX / VRM-1
② VOX / V845
③ JIM DUNLOP / GCB-95 CRYBABY
手持ちがこれしかなかったのでこうなりました。ちなみに完全な余談なのですが、V845に関しては筆者が中学生の時に買ってからずっと使っています。一番長く使っている機材かもしれません。
※個人の感想であること、比較環境の差で一概には言えないことをご了承ください。
検証
サウンド
3機種の中で一番しっかりかかるのはCRYBABYでした。ただ効きが強いだけではなく、スピード感があるといえばいいのでしょうか。シュッとエフェクトがかかりますが、ローが割と残っている感覚があります。対してV845、VRM-1は一段腰高になります。V845は一番軽快というか、楽しく弾ける感じがします。VRM-1の方がミッドにより絞っているのか、やや濃いめな印象です。コードへのかかりはCRYBABY、単音へのかかりはVRM-1がそれぞれ頭一つ抜けていました。
外観/仕様
外観はこんな感じです。CRYBABY、V845は全体が黒で統一されていますが、VRM-1はペダル部分とロゴがメッキになっています。また、この機種だけトップ部分にステッカーがありませんね。サイズ感は3機種ともほぼ同じ。目隠しされて入れ替えられても踏み心地じゃ気付きません。ちなみにV845のLEDは僕が取り付けたものなので、もともとは付いていません。
仕様に関してはインプット/アウトプット、エフェクトオン/オフスイッチ程度のものしか付いていません。しかし大きな違いが一つだけあります。VRM-1にはDC端子がありません。よってこの機種だけ電池駆動のみとなります(そこまでビンテージを再現しなくても……)。
ちょっと歴史
さて皆さん、Clyde McCoyを復刻してReal McCoyが発売されたと冒頭で触れましたが、そもそも”Clyde McCoy”とはなんぞやと思う方、いますよね。人名なのですが、じつはジャズトランペット奏者の名前なんですよ。その方がトランペットミュートを駆使して奏でていたサウンドにインスパイアされてデビューしたのがワウペダルなんです。ここでClyde McCoyさんの曲を聴いてみてください。
■ 1931 HITS ARCHIVE: Sugar Blues - Clyde McCoy (Columbia version) (youtube.com)
筆者も初めて聴いたとき、おぉ~と言ってしまいました。いますよね、ワウが。すごく感動しました。トランペットミュートを駆使してこのサウンドを奏でているそうです。
そしてギター用エフェクトとして再現され段々とロックに浸透していき、今や定番エフェクトのひとつとなったわけですね。
サウンドハウスでも色々なワウペダルの取り扱いがありますので、見てみてくださいね。
それではワウが印象的な名曲とともに、また次回!
■ Surfing with the Alien (youtube.com)