皆さん、スキャロップ指板って使ったことがありますか?
ネオクラ界隈の方は馴染み深いカスタムだと思いますが、今回は改めてスキャロップ指板の種類やメリット、デメリットを紹介していきます。
まずは今回の記事のBGMをご紹介
■ Yngwie Malmsteen - Far Beyond The Sun HD - YouTube
スキャロップ指板と言ったらイングウェイを真っ先に想像される方も多いはずです。
スキャロップ指板を見比べよう
さて、まずは百聞は一見に如かず!
一見して分かるようにスキャロップ指板は大きく指板が削り取られるように加工されていることが分かるかと思います。
指板をこのように削って加工するメリットは以下の通り
- 指が直接指板に当たらないので軽いタッチでのフィンガリングが可能
- スキャロップ加工により音程変化の大きい強烈なビブラートが可能
- チョーキングがかけやすい
などなど、ギター弾きなら一度は試したい魅惑のワードがいっぱいです。
スキャロップ指板最大のポイントは指板と指が直接接触しないことにあります。
通常の指板に慣れている方だと最初はとにかく違和感を感じると思います。
イメージだとジャンボフレットのギターを弾いている感覚に似ています。
一方デメリットは.....
- 軽い力で抑えられる分ピッチがシビア、狂いやすい
- 通常の指板のギターが弾きにくく感じる(筆者主観)
長所は短所の裏返しというようなデメリットですね。
メリットで挙げた軽いタッチで抑弦できる反面、少しでも強く抑えてしまうと音程がシャープになる事があります。また、私にも「俺はスキャロップしか弾かないぜ!」と思っていた時期がありましたが、通常の指板を弾くと非常に弾きにくい....
弾きにくい。と思わなくても通常のギターと持ち替えた時のギャップは必ずありますのでその辺は要注意です。
スキャロップ指板の種類について
ここからはスキャロップ指板の種類について見ていきましょう。
種類をざっとまとめるとこんな感じ。
●イングウェイタイプ
中心が一番深くなるように彫りこまれており、指板Rに合わせて均一な深さで加工されています。スキャロップ指板と言ったら一番スタンダードなスタイルです。
●リッチーブラックモアタイプ
画像をよーく見ていただくとイングウェイタイプとの違いに気が付くと思います。
スキャロップ加工の最深部が中心よりフレット側によっていて、徐々に浅くなっていきます。1弦側より6弦側が浅い傾向にあり、そしてハイフレットになるとイングウェイタイプに近い見た目になっています。イングウェイタイプの弱点でもあったシビアなピッチコントロールを解消するような加工になっており、コードを押さえた際にピッチが安定します。
●ハーフスキャロップ
こちらは画像を用意できませんでした。ごめんなさい。
大まかに言うとイングウェイタイプと同じですが、スキャロップの加工が浅く彫られているのが特徴です。既存のギターをカスタムとしてスキャロップ加工する場合、削る質量を抑えることでネックの狂いやサウンドの変化を最小限に抑えることが出来ます。
ジャンボフレットと合わせることでスキャロップの浅さも気になりません。
大村孝佳さんやケリー・サイモンさんが使用しています。
●一部ポジションのみのスキャロップ加工
こちらは特定の一定のポジションからスキャロップ加工がされています。
ギターソロなどで使われる機会が多いハイポジションのみスキャロップ加工をすることにより、テクニカルなプレーを可能にしているモデルです。スティーヴ・ヴァイやビリー・シーンなどが使用しています。
●自作スキャロップについて
自作スキャロップ指板に挑戦される方もちらほらといますね。
画像は私がネックを製作した際にスキャロップ加工をしたものです。
スキャロップ加工を何本かやった私の感想をまとめると...
- 綺麗に仕上げるためには、始めたことを後悔するほど時間がかかる。
- 時間をかけた割に完成度が低い。(ネックが使い物にならなくなることも....)
- 無心で削っている時間は楽しい
こんな感じです。
自作スキャロップはネックに大きな影響を与えます。加工後に「順反りしやすくなった」とか、「サウンドが変わってしまった!」なんてことも。失敗してネックが使い物にならなくなる可能性が最も危険です。
スキャロップは工賃も高いですが、作業の手間を考えるとむしろ安いと思えるほどです。
スキャロップ指板が気になった際は既製品を買うか、プロにお任せしましょう。
どうしても自分でやってみたいぜ!って方はジャンクのネックだけを買ってきて練習をしてみるなんていうのもいいかもしれませんね。
まずはここから!おすすめスキャロップ指板のギター
スキャロップ加工は非常に手間がかかるため、ギターの価格はそれなりに高額な物が多くなります。スキャロップを試したい!でもお試しには高すぎる...なんて方におすすめなギターはこちら!
GRASS ROOTS ( グラスルーツ ) / G-SE-58M SC BLACK
このギターの最大の魅力はなんといってもその価格
スキャロップ加工をこの価格から試せるのは非常に魅力的ですよね。
フロントとリアをHS-3に変更してセンターピックをダミーに!セレクターを3Wayにして.....なんて少し考えただけで楽しめそうなギターとなっています。
最後に
今回はスキャロップ指板に注目してみました。
知名度のあるカスタムなのに実際に使っている人ってかなり少なく感じますよね。
私の周りでもスキャロップ指板を長く愛用しているギタリストは一人しかいません。
この記事を機会にスキャロップ指板の素晴らしさが少しでも世に広まればと思っています。まだまだ書ききれていないほど奥が深いカスタムなので、機会があればもっと掘り下げてご紹介出来ればいいなと思っています。
今回の記事でご紹介した商品