最近では7弦だけでなく、8弦や9弦まで見かけるようになってきた多弦ギター。普及した要因は数あれど、「パーツの供給が増えた」ことはとても大きな要因ではないかと思います。
特にギターの出音に大きく影響を与え、比較的容易に交換できるピックアップは、いまや様々なメーカーから多弦用の商品がリリースされています。
今回はそんな多種多様なピックアップからサウンドハウススタッフおすすめのアイテムを紹介します!
EMG / 81-7 Black
EMG / 85-7 Black
アクティブピックアップの代表的ブランドEMG。メタルギタリストに最も多く用いられているピックアップと言っても過言ではない81と85の組み合わせを7弦用にしたのが81-7と85-7です。
ちなみにEMGの7弦用ピックアップ第1号である707は、マグネットが同じアルニコ5であることから85の7弦版だと思われることもありますが、スペックシートを見れば分かるとおり85-7とは異なったサウンドを持ったモデルです。707の方がResonant Frequency(突出した周波数)が高いところにありよりブライトでクリスピーなサウンド、85-7は単音への反応性に優れ、よりソロやリードギター向きのサウンドと言えます。
FISHMAN / Modern Humbucker Set
EMGをアクティブピックアップの大御所ブランドとするなら、アクティブピックアップの新鋭ブランドはFISHMANになるのではないでしょうか。
アコースティックギター用のピックアップなどで知られるFISHMANが革新的なコイルレス構造をもつFluenceを発表したのは2015年のこと。コイル構造をもつ従来のピックアップより遥かにノイズレスで、信号の劣化にも強いFluenceは瞬く間にメタルギタリストの定番商品となりました。
多弦ギターにおすすめなのはModern Humbucker Set。ブリッジにCeramic、ネックにAlnicoを組み合わせたセットで、ブルータルな刻みから流麗なソロまで幅広くこなすことができるピックアップです。
LUNDGREN / Model M7C Set
北欧スウェーデンのピックアップブランドLUNDGREN。スウェーデンといえば有名なメタルバンド多数排出していることでも知られます。筆者も好きなバンドでいえばDark TranquilityやNocturnal Ritesなんかがスウェーデン出身。そして「Djent(ジェント)」という言葉を生み出したMeshuggahもまたスウェーデン出身のメタルバンドです。
LUNDGRENのMモデルはMeshuggahのギタリストFredrik Thordendahlのシグネチャーピックアップ。パッシブながら非常に高い出力とローエンドが豊かなサウンドを持ち、アクティブピックアップユーザーにもおすすめできるアイテムです。7弦や8弦用はもちろん、9弦用のモデルまでラインナップする充実っぷりも魅力。
Bare Knuckle Pickups / Aftermath Set
先日サウンドハウスでも取り扱いを開始したイギリスのハンドメイド・ピックアップブランドBare Knuckle。モダンメタルバンドPeripheryのギタリスト:Misha Mansoorのシグネチャーモデルを製作していることでも知られるブランドです。
そんなBare Knuckleのアイテムで近年メタラーからの支持を得ているのがAftermathモデル。セラミックマグネットを用い、ハイスピードリフへの追随に優れるブリッジモデルと、激しく歪ませても濁らず、歌うようなリードトーンを生み出すネックピックアップを組み合わせた多弦ギターに最適なセットと言えます。少人数によるハンドメイドで製作されるため、在庫あり商品は早いもの勝ち。
その他のラインナップはこちら→ Bare Knuckle Pickups 始めました
以上4ブランド、スタッフおすすめの多弦ギター用ピックアップを紹介いたしました!
老舗メーカーあり、新興メーカーあり、革新的なコイルレス構造ありと、いかに多弦用ピックアップ市場が群雄割拠であるかがわかっていただけたと思います。これもまた、多弦ギターが流行の只中にあることと、それを使うギタリストの求めるサウンドが多様化していることの現れと言えるのではないでしょうか。
ちなみに多弦ギタリストの皆さんならご存知かと思いますが、多弦用ピックアップにはソープバー(耳なし)タイプと、スタンダード・ハムバッカー(耳あり)タイプの2種類が存在するので、交換を検討する際にはどちらが載っているか要チェックです!