
はじめまして。DJをやっております、ナイジェルといいます。
あ、「はじめまして」じゃない方もいらっしゃるかもしれませんね。
ぼくはサウンドハウスの製品レビューをいくつか書いておりますので。
それをお読みになったことがある方もいらっしゃるかもしれません。
ということで、あらためまして。こんにちは。
ぼくは現在、大阪市内のクラブでハウス・テクノ系を中心としたDJをやっております。
もともとは東京の生まれ育ち。40年以上東京に住んでいました。
なので、DJを始めたのも東京に住んでいたとき。
もともとはバンドでベースを弾いたりピアノの弾き語りを習ったりしていたのですが、友人の誘いで始めたのがきっかけです。
DJを始めてすぐ、20年以上前に渋谷、六本木などのクラブでイベントをやってました。
自分で言うのもなんですが、まあまあそこそこ盛況なイベントでした。
外国の方にウケがよくて、イベントに毎回、外国の方々がお見えになってました。
現在でもぼくのDJ、外国の方にはウケがよいです。よく褒められます。
いや手前味噌。
それから一時期、西日本の地方都市に住んだこともあります。
その際に、最初は趣味のつもりで、DJソフトを手に入れてさわり始めました。
これがNative Instruments「TRAKTOR PRO」の初代です。
そうしたら、思いのほか良くできていて「使える」ソフトだと知り、これなら実戦で使えるな、と。
そんなわけで、DJ活動を再開しました。
後にTRAKTOR KONTROL S4とS2の初代機が発売され、これを気に入って使用するようになりました。
Native Instruments ( ネイティブインストゥルメンツ ) / TRAKTOR KONTROL S4 MK3 4ch PCDJコントローラー
Native Instruments ( ネイティブインストゥルメンツ ) / TRAKTOR KONTROL S2 MK3 DJコントローラー
地元のクラブに出演したり、東京からプロバンドを呼ぼうと、地元のライブハウスと組んでいわゆる「仕掛人」をやったり。
そのバンドライブのオープニングアクトDJを務めました。
ちなみに、ぼくがDJを最初に始めた20年以上前、DJの使うメディアは99%アナログ盤、つまりレコードでした。
なので当然、ぼくもアナログ盤でやっていました。
ですが時は流れ、いまや世は完全にデジタル時代に。
ぼくもTRAKTOR PROを使い始めたのを機に、デジタルに完全移行しました。
そして十数年前から大阪に移住。
現在は本業のかたわら、イベントやラウンジDJなどのDJ活動をやっております。
いいですよ、大阪。
都会の活気・便利さと、まだ昭和の風情を残す街並みがあちこちにあって、その共存の不思議さも魅力です。
というわけで、今回はDJ機材について語ろうと思います。
よろしくお願いします。
01 使用しているDJ機材
ぼくは現在、DJソフト TRAKTOR PRO 3 & DJコントローラーTRAKTOR KONTROL S2 MK3の組み合わせをメインに使っています。
現場ではDJミキサーにTRAKTOR KONTROL S2 MK3を接続して音出しをしています。
TRAKTOR KONTROL S2は、DJミキサーのLINE入力端子にRCAケーブルで接続しています。
DJプレイ中のエフェクター操作はDJコントローラー側でするのが基本ですが、DJミキサー側のエフェクターを使用することもよくあります。
たとえば、Pioneer DJのミキサー、DJM-900NXS2はエフェクトのかかり方がきれいなので、ミキサー搭載のエフェクターをよく使っています。
さて、じつは最近まで、Pioneer DJのCDJやDJミキサーが常設してあるクラブでは、これらをプレイに使っていました。
そして、機材の状態がよくない現場、あるいはDJ機材がそもそもない場所にかぎり、DJコントローラーを持ち込むことにしていました。
しかし現在、現場ではすべてTRAKTOR KONTROL S2 MK3を持ち込むように統一しています。
なぜ統一したのか?
その理由は以下のとおりです。
(1) プレイ環境をどこでも同じにしたい
最大の理由はこれに尽きます。
ひとくちにクラブの常設機材と言っても、お店によって機種や機材の状態がさまざまです。
現場のCDJも正直なところ手入れが行き届いておらず、トラブルが起こりやすいコンディションのものに遭遇することがあります。
そういうところでは、十分なパフォーマンスができず非常にストレスとなるものです。
TRAKTOR PRO3とKONTROL S2 MK3なら、自宅で使い慣れた環境をそのままどこの現場にも持ち込めます。
そんなわけで、現場の環境に左右されずにどこでも同じプレイ環境を実現できるTRAKTORに完全移行したわけです。
(2) エフェクトをガンガン使いたい
TRAKTOR PRO 3には多数の高品質なエフェクターが入っています。
そして、コントローラーKONTROL KONTROL S2 MK3には、それらのうち4つをあらかじめセットしておいてスイッチ一つで切り替えて使える「Mixer FX」という便利な機能があります。
現場に設置されているDJミキサーには、エフェクトはフィルターしかついていないものもよくあります。
これでは個人的には物足りないのです。
フィルター、フランジャー、ディレイ、リバーブといったあたりを多用したい!
「Mixer FX」は、まさにそんな自分の要望への最適解でした。
どこでも豊富なエフェクター機能が使えること、これもTRAKTOR PRO 3に完全移行した理由のひとつです。
(3) 秀逸なビート解析機能
TRAKTOR PRO 3は、ビート解析機能が非常に優秀です。
他社のDJソフト、たとえばSerato DJ Pro、rekordboxといったソフトとくらべても、頭ひとつ抜きんでているように感じます。
ハウスミュージック、テクノといったジャンルの曲でロングミックスする際、2つの曲のビートがぴったりと重なって合ってくれます。
この「ぴたーっと合ってる感」は、TRAKTORでしか出せません。
この点も、ぼくがTRAKTOR PRO 3を気に入っている大きな理由のひとつです。
音質、エフェクターも含め、さすが評価の高い音源メーカーであるNative Instruments製だけのことはあるクオリティです。
まとめ:
PCDJはええよ!
ぼく的にはTRAKTORシリーズがおすすめですが、S2と同クラスの価格帯では、
NUMARK ( ヌマーク ) / MIXTRACK PLATINUM FX 4デッキ対応PCDJコントローラー
Pioneer DJ ( パイオニア ) / DDJ-FLX4 rekordbox&Serato DJ対応2chPCDJコントローラー
あたりもよくできているDJコントローラー、DJソフトだと思ってます。(上記いずれの機種も実際に使用した経験あります)
ご興味が出てきたらぜひお調べいただき、自分好みの機種を購入してとにかく使い倒していただくのがいいかと。
DJは奥が深いです。
やればやるほど上の目標が見えてくる世界ですよ!
02 現場でのDJミキサーとの接続方法
先に書きましたように、現場ではTRAKTOR KONTROL S2とDJミキサーを、RCAケーブルでLINE端子に接続して使っています。
TRAKTOR PRO 3(を起動させたPC)とDJミキサーを接続する方法は、RCAケーブル以外にもいくつかあります。
特に、最近は「USB入力端子」があるCDJ、DJミキサーも増えてきました。
自分がプレイしているクラブでも、USB入力端子を備えたミキサーが常設されています。
このUSB端子にPCからUSBケーブルで直接接続すれば、TRAKTOR PRO 3からの音を高音質で出力することが可能です。
ただし、この接続方法には前提条件があります。
- CDJやDJミキサー側のファームウェアを最新のものにする
- TRAKTORのバージョン、ドライバソフトウェアを最新のものにする
この条件が満たされていない場合、接続しても音が頻繁に途切れたりします。
TRAKTORのソフトアップデートは、自分のPC側の作業なので実現するのは簡単です。
しかし、「ファームウエアを最新のものにする」という条件の実現には、お店にある機材の中身をアップデートするという作業が必要となります。
お店側が常にこれをしてくれていればなんの問題ありませんが、実際の話、多くのお店ではこの作業はされていません。
一部の大バコを除き、ファームウェアは機材導入時のバージョンのまま、まったくアップデートされていないケースがほとんどです。
お店のスタッフもこうした作業をしたことがなく、方法も知らない、ということが普通ではないでしょうか。
そうなると自分(DJ)側が、お店側の了解を得て、ファームウェアのアップデートを行うことが必要になります。
でも、もしこの作業をこちら側でやることが許されたとしても、万が一アップデート作業に失敗した場合、不具合が発生するかもしれません。
そうした場合、もし自分で直せなかったりすると、最悪メーカー修理に出す必要が出てきて、お店との間で弁償問題とかになっちゃったりも有り得ますね。
以上の理由で、ぼくはお店の機材をファームウェアアップデートするなどの、「お店の機材の中身をさわる」行為はしないことにしています。
したがって、DJミキサーとPCをUSB接続するという方法もとっていません。
DJコントローラー自体の音質面でいうと、TRAKTOR KONTROL S2 MK3のオーディオインターフェースの音質は24bit/48.0kHz。
DJミキサーにUSB接続した場合に出せる音質は、たいてい24bit/96kHz。
TRAKTOR KONTROL S2 MK3は、CDJ-2000NXS2やCDJ-3000でプレイする場合とくらべて音質は若干落ちます。
それでも、このクラスのDJコントローラーとしては十分に優れた音質です。
ですので妥協にはなりますが、とりあえずトラブルが起こらない方法である「S2をDJミキサーのLINE入力にRCAケーブルで接続する」という選択肢をとっているわけです。
03 現場で起こりがちなトラブル
十数年前、PCDJにした初期のころには「PCの最適化設定」というものをわかっていなくて、これをできていなかったため現場でトラブルが絶えませんでした......。
そうなんです。
DJソフトには、PC側の「最適化」設定というものが必須なんです。
各メーカーのサポートページには、この設定方法が必ず記載されています。
これをやらずに、PCをデフォルトの設定のままDJソフトを使っていると、動作が不安定になったり動かなくなるなどトラブルが発生します。
DJソフトメーカーのサポートページを参照して、これを必ずやりましょう。
さて現在、ぼくの場合はTRAKTOR KONTROL S2 MK3を使うようになってから現場でトラブルが起こったことはありません。
それでも、ヒューマンエラーによって起こるミスはたまにあります。
主なものを挙げると、
- フェーダーのノブ部分(特にクロスフェーダー)に自分の腕や服の袖などが引っかかって動いてしまい、急に音量が小さくなったりなる
- 再生中の曲の残り時間を読み誤って、次の曲をギリギリで突っ込むはめになる
- デッキの設定を「再生中のデッキを曲のロードからロックする」にしていない場合、次にかける曲を現在再生している側のデッキに誤ってロードしてしまい、曲が入れ替わってしまう
1. は今でもたまにあり得ますので、注意しています。
2. は、むしろアナログ時代によくあったミス。
デジタルになってからは「ループ機能」という便利な技があるので、これであせることはなくなりましたねー。
3. はぼくの場合「ロックする」に設定していますので、当然起こらないです。
もしデッキ設定で「再生中のデッキを曲のロードからロックする」にしてない人!
特に「ロックする」設定にしない理由がなければ、万が一のために「ロックする」設定にすることをおすすめします。
さて、ということで、今回は「PCDJのススメ:現場のノウハウ!」と題して、PC + DJコントローラーを現場に持ち込む場合、現在ぼくがやっていること、経験で知っていることをお話ししました。
これを読んで、新たにDJに興味が出てきたのでやってみたいという方、昔DJをやっていたが、また興味が出てきたのでPCDJやってみようか、と思う方が増えてくれればうれしいです。
それでは、またお会いしましょう!
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