初めましてギタリストのテッタと申します。
以前からお世話になっているサウンドハウス河西さんのご紹介で、この度、憧れの機材レビューの機会をいただきました!
今回はWarm Audioの2製品、オーバードライブ・ディストーションペダルであるODDと、フェィザーのMutation Phasor IIをご紹介させていただきます。
皆様どうぞ最後までお付き合いください。
先ずは両製品の外観から見ていきましょう。
ODD Box v1

一眼見て分かるとおりODDはブティック系ペダルの先駆け「Fulltone」の人気ペダルのひとつである「OCD」のクローンとなっております。ズッシリとした重み(386g)や筐体横側からのねじ止めもオリジナル同様です。オリジナルへのリスペクトをひしひしと感じますね。
オリジナルにはないオレンジ色のロゴが入っていますが、差し色となっていてかえって良い感じです!
コントロール類はオリジナル同様Volume、Drive、ToneとなっておりトグルスイッチのUK/USはそれぞれオリジナルのHP/LPに対応しているようです。
Mutation Phasor II

こちらは70’sヴィンテージペダル「Mu-Tron Phasor II」の特徴的なデザインをよりコンパクトに現代的にまとめたという印象です。オリジナルのAC電源と電源のON/OFFスイッチを廃し9vDC電源ジャックが実装された以外はほとんどオリジナルのデザインを踏襲しています。オリジナル同様の階段状の筐体、オレンジ・赤・紫の発色、フォントの再現度も完璧です。サイズが一回りコンパクトになっているのはペダルボードフレンドリーで嬉しい変更点ですね。
どちらの製品もオリジナルデザインの肝をきちんと押さえ、その魅力を再現してくれています。
巷に溢れている激安クローンペダルのようなチープな印象(それはそれで好きですが)は全くなく、むしろ高級感を感じます。Warm Audioさんのこだわり素晴らしいです。
次はさっそく音を聞いてみましょう。
デモ曲の中では
- ODDのみオン
- Mutation Phasor IIのみオン
- 両方オン
と使い分けています(各ペダルのLEDの点灯でご確認ください)。
イントロ部分は画面の切り替えが目まぐるしい感じになってしまいましたが、なんとなくサウンドの雰囲気が分かっていただけるかと思います。
【製品レビュー】WARM AUDIO/Mutation Phasor II & ODD Box v1 ~ Sound Demo ~ by Tetsuta Otachi
続いて各コントロールの効果を探ってみます
ODD Box v1
【製品レビュー】WARM AUDIO/ODD Box v1 ~アルペジオ/カッティング~ by Tetsuta Otachi
・アルペジオ バイパス~ブースト~クランチ (USモード)
動画では若干Driveを上げたところからスタートしていますが完全なクリーンブースターとしても優秀です。
またToneが良い感じで効くのでその設定によって別のドライブペダルと併用する際の相性も合わせやすいのではないかと思います。クリーンのまま使う際にはバイパス音同様の音色にもできますが、ほんの僅かまとまりのある音になる感じがして気持ち良いです。
Driveを12時くらいまで上げていくと気持ちよく飽和感が増してきます。コードも綺麗に鳴らし切れますね。
・カッティング クランチ (USモード)
抜けが良く押し出しの強いクランチサウンドで、原音の味を残したままレンジ感をまとめてくれる上、若干コンプレッションもかかる感じなのでカッティングもハマります。Wahペダルを使ったカッティンぐとの相性も良さそうですね。
【製品レビュー】WARM AUDIO/ODD Box v1 ~パワーコード~ by Tetsuta Otachi
・パワーコード オーバードライブ~ディストーション (USモード~UKモード)
シングルコイルのギターでDriveつまみが1時から2時くらいでもこのくらい歪みます。
途中でUSモードからUKモードに切り替えていますがマニュアルにある通りUKモードでは歪量、音量、高域が増します。
資料によると「USモード : Fender系」、「UKモード : Marshall系」とのことで、実際そういう印象です。
【製品レビュー】WARM AUDIO/ODD Box v1 ~リードギター~ by Tetsuta Otachi
・リード オーバードライブ~ディストーション (UKモード)
リードのサウンドを録るにあたって実際のソロを弾く状況を想定してディレイもうっすらかけてみました。 Drive12時から2時くらいまで使ってみています。とにかく太いのに原音の感覚が残っていてピッキングの強弱もしっかり表現してくれます。
Mutation Phasor II
アルペジオのフレーズを弾きながら各コントロールを弄ってその効果を観察してみます。
各コントロールの役割を予めまとめておくと以下のようになります。
- Rate : うねりのスピードをコントロールします。
- Depth : モジュレーションの深さをコントロールします。
- Feedback : フィードバックされるエフェクト信号の量をコントロールします。
【製品レビュー】WARM AUDIO/Mutation Phasor II ~コントロール~ by Tetsuta Otachi
個人的にはRateつまみが音作りの鍵を握っているように感じます。低めならナチュラルなサウンド、高めなら飛び道具的なサウンドを作ることが可能です。DepthやFeedbackで音の方向性を決めてからRateでエフェクトの激しさを決めると狙った音を作りやすいように感じました。 オーソドックスなフェイザーサウンドからオートワウやボコーダーのようなフィルター系のニュアンスを含んだ音までものすごく多彩な音作りができます。
以下、いくつかオススメのセッティングで弾いてみました。
【オススメセッティング①】 ファンキーなカッティングに
【オススメセッティング②】 サイケな特殊効果・飛び道具に
【オススメセッティング③】 メローな70's R&Bに
いかがでしたでしょうか?
最後に両ペダルの感想をまとめてみます。
ODD Box v1
USモードで軽めのクランチサウンドにしたODDは常時ONで音作りの基本にしても良いし、UKモードでDriveを上げて思い切りリードを弾いても気持ち良いと思います。この音の太さひとつをとっても本家が長年支持を得続けてきた理由がわかります。また、クリーンブースターとしても素晴らしく、クリーン~オーバードライブ~ディストーションと、この守備範囲の広さは一台持っていると本当に頼もしいと思います!
Mutation Phasor II
このペダルは本当に面白いです!70’sサウンドの宝箱のよう。
Rate、Depth、Feedbackともに9時方向くらいにするかDepthのみ12時方向にしてナチュラルなフェイザーとして、または、そこからほんの少しRateを上げてやってモジュレーションのかかったトレモロとして。
そしてさらにRateを上げてモジュレーションの周期を縮めていけば強烈にサイケデリックな雰囲気も出せます。さらにFeedbackを上げていくとオートワウやボコーダーのようなフィルターサウンドが加わりファンキーなリフが弾きたくなります。多分まだまだ未知の使い方があるはず!キーボーディストが使っても面白そうですね!
どちらのペダルも質の高いビンテージトーンが出せる上、音作りの幅広さ、外観の美しさなど、大変クオリティーの高い仕上がりだと思います。このクオリティーのペダルがリーズナブルな価格帯で手に入るのは本当に有難いことですね。 Warm Audioさんのペダル要注目です!
以上、人生初の機材レビューを終了したいと思います。楽しかったー! 私の慣れないレビューにここまでお付き合いくださった皆さま、どうもありがとうございましたー!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら