ベーシストの皆様のお手元(足元)には一度は置いたことのある定番プリアンプをご紹介したいと思います。
今回は定番品『MXR M80 Bass D.I+』(以下MXR M80)です。(ド定番)
私事ですが、このMXR M80がプリアンプデビューで、沼にハマるきっかけになった機材でございます。(大好きすぎて)
定番としてはもう一つ『TECH21 Sansamp Bass Driver』(以下Sansamp)がありますが、今回は上記のMXR M80にスポットを当てて行きたいと考えています。
実はこのプリアンプですが、昔に楽器好きな友人(彼はギターリスト)に街中の楽器屋を連れまわされ、ベースを試奏した際に店員さんにお勧めされたのが最初の出会いでした。(今思えば初心者にいきなり進めてくる店員さんすげーw)
実は当時楽器を持っておらず、不定期休で働いていたので「バンドなんて夢のまた夢」なんて思っていたので買いませんでしたが、その音がすごく良かったのだけ覚えていました。
そして月日が経ち、こうして楽器を始めたわけですが、最初半年は「エフェクターなんていらねーぜ」と息まいていました。
が、エフェクター(プリアンプ)が気になりだした僕はまずマルチエフェクターでどんなエフェクターがあるのか調べるわけです。(参考:ベーシスト&ギターリスト必見!エフェクター百科事典)
そこで久しぶりにこのMXR M80との再会を果たしました。(モデリングですが)
マルチエフェクターを使い、定番のMXR M80とSansampの聴き比べをします。
そしてやはりこのMXR M80を選ぶことになるのですが、買ってからもいろいろと試行錯誤をし、いろいろな使い方ができる面白いプリアンプだという事がわかり、現在は手元に2台ありますwww(←好きすぎる)
何故2台も!?という話も踏まえて本題に入りたいと思います。
■本編
- 図太いModern Soundをスイッチ一つで再現「Color Switch」
- 激歪!暴れ馬な「Distortion」
- 工夫の仕方は他にもある。Mute Switch化
- 実は使いやすさ抜群のEQとClean Sound!
- 単体だけじゃない、正に組み合わせてこそ実力発揮!(私が思う)組み合わせ術
- これだけ揃っていてお値段入門価格!
1.図太いModern Soundをスイッチ一つで再現「Color Switch」
もうこのMXR M80と言えばこの音「Color Switch」ONのドンシャリモダンサウンド。
がっつり真ん中の1KHzくらいの前後の音が削られ、低音は30Hzはがっつりカットしてくれます。
また低音側80Hzから高音側2KHzが上がります。(私的に割と欲しい音が上がります)
なんだかよく一癖あるような音だと紹介されていますが、それもEQの弄り方で大きく変わります。
よく「Color SwitchをONにするとEQが効かない」とインターネットで解説があるのですが、現在販売されている物に関してはどうも効く様です。(私の所有している2台は効きます)
低音が出すぎるこの「Color Switch」もEQで調整してやれば使いやすいものになると思います。(ここはお使いのベースと相談しながら決めて下さい)
また、「位相が変わる」との情報もありますが、現在のモデルではその様なこともないそうです。(少なくとも私の所有物ではありませんでした)
なんにしてもこのRockなサウンドは素敵ですよね!
是非一度体感してみて下さい!この音が好きなら買いです。
参考動画:
2.正に歪!暴れ馬な「Distortion」
もうDistortionといえばこの音!って音がします。
冷たいジャリジャリサウンドです。(冷酷でギターのDistortion?なイメージです)
Darkglassとはまた少し違う音ですが、これもまた好みが分かれる音なんですかね?好き嫌いがあるようです。(私は好きです)
歪ませすぎると例のごとく凶悪な音がします。(これが暴れ馬って感じてしまうところ)
ですが、音がつぶれて消えて破綻してしまうことはありませんが、全開では完全にギターサウンドになってしまいます。
なので、そこはBLENDとGAINで調整しましょう(手なずけましょう)。お手持ちのベースやアンプによって結構音の印象が変わります。(ヘッドフォンと家庭用アンプでも印象変わります)
またこの「Distortion」はEQの後についているので(Distortion←EQ←Bassの順)BLENDとGAINでの調整が重要です。EQ←Distortion←Bassの順ですとEQで歪かげんも調整できますが、今回のMXR M80の様な順ですとそうは行かないみたいで、あまりEQの影響を受けにくいようです。(勝手な私の経験値と推測なので、間違っていたらすいません)
それとこの「Distortion」をONにすると自動的に「Color Switch」がONになります。
もうこれ自体は仕様なのでどうしようもありません。
ここを気に入って使えるなら、もう信者になれますwww
そしてこの「Distortion」チャンネルには「TRIGGER」というノブがありますが、「GATE」SwitchをONにすることで効くようになります。(Switchが光るので目視で確認できますよ)
これはノイズを除去(?)する為のノブです。完全に取りきるものではなく補助的なものとお考え下さい。
それでも「この歪は使えん、Color Switchだけでいい」って方にも【朗報】があります!
実はこの「Distortion」、BLENDとGAINを左に振り切れば歪まないのです。
ホントよくできています。中にはBLENDとGAINを0にしても歪んでしまうペダルがある中、このMXR M80に関しましては全くそうしたことがありません。
なので、EFFECT Switch ONはCleanでEQ補正に使い、BLENDとGAINを0にして「Distortion」ONで「Color Switch」ONの様な使い方もできます。(「Color Switch」のボタンが小さく、演奏中に足で切り替えるのはほぼ不可能な為、こうした使い方もありかなと思っています)
3.工夫の仕方は他にもある。Mute Switch化
先ほどの続きになります。(話が長くなりすぎたので仕切り直します)
「Distortion」SwitchをONにしてもEFFECT SwitchがOFFなら歪は使えません。
なのでこれを利用して、Color Switchだけ使いたい場合は「Distortion」の方でBLENDとGAINを0にしておいて、EFFECT SwitchのVolumeを0にすることでMute Switchとして使う方法です。
またその逆も可能です。Cleanだけを使いたい場合も同じで、Volumeがそれぞれ独立してるのでできる技です。
そして(どちらかのチャンネルを)Mute Switch化した特徴を生かして、PARALLEL OUTからTUNER Pedalに繋いで音を出さずにチューニングができるようになります。
意外に便利なこのPARALLEL OUTは入った音がエフェクターを通過せずそのまま出てくるのでできる技でもあります。
4.実は使いやすさ抜群のEQとClean Sound!
ずっと「Distortion」と「Color Switch」に焦点を当ててきましたが、どれもこれもこのEQの効きがいいからとも言えます。(本当に優秀です)
一応メーカーの情報によるとBASS(60Hz),MID(850Hz),TREBLE(4KHz)それぞれその付近を弄れます。(ピンポイントで上げ下げできるわけではありません)
この効きの良さと、扱いの良さはGoodです。
実はこのプリアンプを買う際同時購入したMXR M108SというEQがあるのですが、そちらはピンポイントに弄れるのでいいなと思いましたが、そちらの方が玄人向けで扱いに困りましたが、MXR M80のEQは割と直感で動かせる、逆に言えば曖昧なので適当に動かしてみながら調整できますし、分からなくなればセンターに戻してひとつずつ動かしてみると変化がわかりやすいと思います。
これもまた例にもれずベース本体とアンプによりけりでセッティングが変わると思います。
このEQの為にこのMXR M80を買ってもいいかもしれませんね。
ちなみになのですが、このCleanの状態だとすごく「乾いたいい音」がします。
ずっしり重い「Color Switch」とは対極な音です。
分かりやすく言うと、同じ車のV8エンジンでも「Color Switch」はアメ車、CleanはFerrariの様な音(印象)がします。バイクで言えば「Color Switch」はアメリカンV2、CleanはKawasakiの4気筒エンジンの回したときの乾いたサウンドといいましょうか、表現が難しいな。
特にMIDの使い方で右に振るか左に振るかで印象が大きく変わるところでもあります。
自分に合った音作りができます。
5.単体だけじゃない、正に組み合わせてこそ実力発揮!組み合わせ術。
組み合わせて使うとまた面白いのです。
例としては今私が使ってる『BOSS ODB-3』と組み合わせて使う方法です。
MXR M80←BOSS ODB-3の順に繋いでMXR M80を「Color Switch」ONにして、
BOSS ODB-3を歪として使っています。
その例がこの動画↓
ものすごくいいでしょう?
他にも組み合わせがあると思います。是非今後いろいろ試していきたいと思います。
お勧めとしてもう2つほど、もう一つはまたこの方
いいですね!RAT2ってベースで使ってもいいんですよね。
ギターエフェクターですがしっかり低音が残るし、荒々しい所も素敵です。
またこのRAT2の使い方も改めて考えてみたいな。(この動画を作成されてる方は他にもたくさんのアイデアを動画にされていてお勧めです。)
では最後に一つ、MXR M80とMXR M80の組み合わせ(2連結)です。
この2連結は往年の機関車『D51』2連結の様な重厚感が漂います。(分からない方すいません、良ければ実物が嵯峨野山陰線 嵯峨嵐山駅に展示してある機関車なので、機会あればどうぞご覧ください)
というこの組み合わせですが、先ず後方ベース側のMXR M80でがっつり歪チャンネルとして使うのでここは2チャンネルとも活用します。
ベース側でVol MAXの「Distortion」をONにしEQのMID右全開、Clean側(EFFECT側)はVolを調整しつつ、BASS,MID,TREBLEで歪加減をお好みで調整します。(結構このEQで印象が変わるので使いにくかったあの歪の印象もまた変わると思います。)
そしてこの時ベース側はCleanも「Color Switch」ONにしておき、ドンシャリSwitchとしておきましょう。
これはベース側で作った音がオンオフで印象が変わらないようにするためです。
ここでAmp側のMXR M80の「Distortion」側をVolumeを0にしてMute Switchに使います。(ここはお好みでもうひとつキャラの違うDistortionを作るのもありです)
回りくどい言い方になりましたが、要約すると「Amp側をプリアンプ&MUTE、ベース側が歪&ドンシャリサウンド」になります。
この使い方はいろいろなアーティストの方をみて研究した結果このような形になりました。(研究した割には腕前は上がっていない)
後、もう想像通りでしょうが『Darkglass Electronics B7K』との相性も抜群でした。
現代のサウンドにばっちりはまってます!(次は同社 Alpha・omicronも試してみたい)
6.これだけ揃っていてお値段入門価格!
正に一番言いたいところはこれかもしれない。コスパの良さは世界一!なんと2万円以下で購入できます。しかも漢(男)が好きな黒くて、重いものです。意外にずっしりしていてエフェクター界の『D51(SL機関車)』の様です!そう不要なものは付いていない(しかし、良くも悪くも全く現代装備(Phone out,AUX in)が装備されない本機ですが、いつかモデルチェンジする日が来るのでしょうか?)
使ってみればこの『MXR M80 Bass D.I+』に関してはデビューから数十年たつのに(2001年デビューもう20年前)Sansamp同様、定番であり王者である事にうなずけます。
とりあえず買って、ちょっと違うなって思っても、いろいろ組み合わせたら使えたりするんです。(この柔軟さが素晴らしい所です)
間違って買った調味料も、試しにカレーに混ぜてみたり、納豆に入れれば意外にイケてるっ!ってなる事があるように、エフェクターにもそうした化学反応が生まれることだってあると思います。
今回は『組み合わせ』の部分に凝って書かせていただきました。
組み合わせは無限大!日本人が大好きなハイブリッドLet’s混ぜ混ぜ!
■最後に
素人目線で『プリアンプ』について記事を3つ書かせていただきました。
本当に素人で、音楽的な目線よりもどうしても構造を知りたがる傾向が強く、中身を知りたがり、仕組みから入ってしまう癖が抜けません。(なんでも成り立ちから追ってしまうタイプです)
でも面白いですよね、プリアンプだけでベース本体の音を変えてしまったり、またその逆で個性を存分に引き出したり。(まるで魔法の箱)
ここだけとっても奥が深く何度もプリアンプを売っては買ってを繰り返す方がいることにうなずけます。(私も財布が許せばまだまだ増やしたい)
このコロナ渦で結局バンド活動はできていない私ですが、こうした機材を通じて何とかモチベーションを保ち、来るべき日(?)に備えたいと思います。
また新しいプリアンプが仲間入りした際にはまた改めて記事にして皆様にお伝えできればと思います。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございました。
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