こんにちは、ネモトです。
今回は全ベーシストが気になりつつもなかなか買う気になれないもの、コントラバスとEUBのお話です。現在、私は国産の安価な5弦コントラバスを所有していますが、購入に至るには色々悩み、思い切って買いました。なのに最近インテリアになりつつある…。
今回はエレクトリックアップライトベース(EUB)購入ガイドです。「アップライトベース」だけだとコントラバスと勘違いされる可能性が高いので「EUB」と書いた方がいいかも。「ウッドベース」は和製英語です。私も普段はウッドと呼びますが、今回はコントラバスと書きます。この記事は主にコントラバスプレイヤーとしての視点で書きます。ホントに色々違うので参考になると思います。
■ ボディの違い
コントラバスは立奏時に両手が完全にフリーになるのが特徴です。膝と足と体でボディを支えます。大きく弾き辛いコントラバスにとって腕を自由自在に動かせるという恩恵は非常に大きい。EUBは残念ながらこの機能を単体で持ち合わせているものは(私の知る限り)ありません。両手を離すと程度の差はあれどぐらつきます。なのでスタンドを使う必要があります。スタンドが例えオプションであってもあるのならばいいのですが、オプションでも存在しないものも少なからずあります(安価なモデルだと特に)。
軽いので支えることに苦はないのですが、コントラバスプレイヤーが導入する場合、戸惑うでしょう。
次に楽器と自分の距離。
EUBのボディはめっちゃ小さく作られているため、コントラバスプレイヤーが弾こうとする時「ん?指板近くね?」となります。フレームがあってコントラバスと同じような感覚で構えられるものがありますので、そういうものをチョイスするべきかと思います。EUBプレイヤーの方の中でゆくゆくはコントラバスと考えている方もそういうものを買うべきと思います。
最後にボディシェイプ。
コントラバスは左手の指を4本揃えてネックに沿って下ろしていった場合、ボディに手が当たるとそこがだいたい9フレットになります(個人、個体差によりズレるので指までは指定できません。4本のうちどれかとだけ)音程取る時にかなり参考になるのですが、EUBだとわかり辛く、地味にストレスです。
■ 仕込み角の違い
これはかなり大きい。
EUBのネックの仕込み角は大別すると2種類に分かれています。私はこれを「エレキ寄り」「コントラバス寄り」と呼んでいます。
どう違うのかと言うと奏法を選ぶということになります。
エレキ寄りのネックは弦高が低くピチカートではかなり弾きやすいです。反面コマ自体が小さくなり、アルコで弾くのは難しくなります(弦間が短くなるので2本同時に鳴ったりする)
達人ならばいけるのかもしれませんが、独学だしクラシック、ジャズではなくカントリー畑の私にはできるもんではありません。ジャズは意外とアルコを使います。
反面コントラバス寄りはほぼコントラバスです。ピチカートめっちゃ大変です。アルコはやりやすい。
コントラバス寄りの場合コントラバス用のコマをそのまま使えるのも特徴です。この2種類、どちらが優れているというのはありません。好きな方を選べばいいと思います。ただ大体の場合エレキ寄りは低価格、コントラバス寄りは高価格になる傾向があります。
余談ですがコントラバス用のコマは単体で見ると可愛い顔してます。色んなコマを並べてみてみるといろんな顔してて可愛い♪となるので何の興味がなくても調べてみてください。ちなみに私はドレスデンが好きです。
■ 価格
当たり前ですが高いのも安いのもあります。
コントラバスはアコースティック楽器なので、言い方は悪いかもしれませんが音を誤魔化すことができません。コントラバスは非常に高価なため、色々とおススメできないのですが、EUBは安価であってもアンプやエフェクター等で調整可能、結構使えます。ただし安価なモデルの場合、前述しましたがスタンドがなかったりするのでそこは考えた上で買うといいでしょう。30〜40万くらい用意しておけば大体買えます。
■ 色々なおススメ
YAMAHA ( ヤマハ ) / SLB300 サイレントベース
定番モデル。音も良いしコントラバス弦をそのまま使えるのもいいです。
ついでに弦を。トマスティック スピロコア
Thomastik-Infeld ( トマスティック・インフェルト ) / SPIROCORE Set Medium コントラバス弦 セット
今張っている弦。ジャズ、ポップス界隈でよく使われます。立ち上がりや発音の良さが特徴。反面柔らかい音は苦手か。クラシック界だとスチールコアではなくナイロン、シルク、その他繊維、あるいはガットをコアにした弦を使う人が多いかもしれません。
*スペックに書いてある「オーケストラ」は「オーケストラチューニング」弦の略。
エレキベースと同じく高音弦からG.D.A.Eです。
もうひとつ「ソロ(チューニング)」弦というのがあります。これはA.E.B.F#(全音上げ)
私はソロ弦をオーケストラチューニングで使っています。全音下げになるので張力が下がり弾きやすくなります。ライトゲージになるような感じです。
NS DESIGN ( エヌエスデザイン ) / NXT4 Black Satin
流石はネッド・スペクター。非常に良いデザイン。トラスロッド入ってるし弦高調整できる。良くも悪くもEUBを「ウッドの代用」とは捉えていないです。普通に欲しい。
こんなところでしょうか。最後までご覧いただきありがとうございました。
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