
旅行本ではなかなか紹介されない、ブリティッシュ・ロックファンなら『一度は訪れたいゆかりの地』をご案内する旅行ガイドブログ。
前回に引き続き、イギリスのロックバンド、ザ・フーのロックオペラ・アルバム「四重人格」を原作とした映画、「さらば青春の光」ゆかりの地へとお連れいたします。
前回のブログでは、ザ・フーや映画ファンの方には憧れの地とも言えるブライトン(Brighton)へ、ロンドンから電車で向かいました。ブライトンは、イギリスの電車National Rail(NR)で乗り換えなしの終点駅。行き方も簡単なため、初めてイギリス郊外へ出かける方にもおすすめのスポットです。また、ブライトンという街は、ロンドンをはじめとする南部の人々に定番のリゾート地としても人気スポット。イギリスの方に話を聞いてみると、イギリスの海のリゾートは、大きく分けてロンドンっ子が行くブライトン、マンチェスターっ子のブラックプール、バーミンガムっ子のサマーセット(ブリストル)というのがお決まりだそうです。
さて、今回はそんなイギリス3大シー・リゾートの一つとも言われる、南部の街ブライトンをもう少し歩きながら、ザ・フーや映画のゆかりの地を見つけてみたいと思います。
MAP ① ■ Brighton Palace Pier


前回、お伝えしたとおりブライトン駅の大きな改札口を出るとすぐに、通りの先にある海岸が見えてきます。この海岸通りをまっすぐ歩き、左に曲がり見えてくるのがブライトン・パレス・ピア(ブライトン・ピア)。
http://www.brightonpier.co.uk/
海の上にアーチ状に建てられた娯楽施設です。映画や、ザ・フーの「四重人格」の再現ライブのDVDをご覧になった方は、この外観を実際に見ただけで鳥肌が立つことでしょう。
さて、ブライトン・ピアに入ってみると、実にコンパクトなミニ遊園地という印象。少し浅草の花やしきを思い出すような光景です。ぶつかり合うミニゴーカート、ゲームセンター、ジェットコースターなど、よくこのスペースで、ここまでのアトラクションを作ったなと驚きました。
アメリカのビッグでゴージャスな楽しみとは違い、この素朴で独特なアミューズメントこそイギリスならではの楽しさなのではないかと思います。
フィッシュ・アンド・チップスをはじめ飲食コーナーも充実しており、時間に余裕のある方やご家族連れの方は、一日ここで過ごしても良いかも知れません。
私は、ソース焼きそばを食べながら、楽しそうに遊んでいる子供たちや、ここからの景色をベンチで眺めながらゆっくりと過ごしました。
こうやって、ブライトンの海岸を眺めていると1960年代に映画で描かれていたような、モッズとロッカーズとの乱闘の事件があったことなどすっかり忘れてしまいそうです。

さて、ブライトン・ピアを離れて再び海沿いの通りに戻って歩いてみると、見覚えのある建物の一角を発見。再び映画の世界に引き込まれます。
そう、映画で主人公ジミーが憧れのヒーローが働いている姿を見かけることになる、衝撃的なシーンの撮影場所。そこはブライトン海岸沿いにある、優雅な佇まいのホテルでした。
MAP ② ■ The Grand(HOTEL)

海辺の一等地にあるホテルTHE Grand。
自身で撮影した写真が見当たらず、先日たまたまブライトンに行ったという友人からお土産のハガキの画像を送ってもらいました。こうやってホテル全体を見ると、オーシャンビューにあるだけあって、格式の高そうな建物ですね。
映画では、モッズたち憧れのヒーローであるスティング扮するエースが、このホテルのエントランスにて慣れない動きで、ベルボーイとして働いているシーンがあります。主人公である少年ジミーは、顔役的存在であったエースの現実の姿をここで見つけてしまいます。ジミーは、ホテルの横にあったエースのスクーターを盗みブライトンを離れ、とある岸壁へと向かっていき、映画はクライマックスを迎えます。映画を見ている方であれば、駅から海岸沿いの通りに出て、右方向へ歩いて行けば、その撮影場所がすぐに見つかるかと思います。

この場所に訪れた瞬間、私は迷わずクライマックスシーンの場所へ行ってみようと決断。
近くの土産屋に行くとその岸壁のポストカードを発見し、場所を聞くとバスと歩きで2時間程だと告げられます。
どこのバス停で乗るかは、運転手に聞きなさいと言われたため、近くのバス停で車内の運転手にポストカードを見せたところ、あそこのバス停から〇〇番のバスに乗りなさい。バス停の名前は「SEVEN SISTERS」だと親切に教えてくれました。


というわけで、次回のブリティッシュ・ロック旅行ガイド~ザ・・フーと映画「さらば青春の光」ゆかりの地を巡る旅は、ラストシーンへの岸壁へと、お連れいたします。
道中バスの中でのサプライズはまさに「マジック・バス」さながらです。ロンドンやブライトンでは発見できない、イギリスの魅力、「四重人格」や映画の様々なシーンの所以を発見できる旅となることでしょう。お楽しみに!


旅行を楽しむためのワンポイント!
その1、NRに乗る前に小銭を用意しておきましょう。
日本でいうJRのような、イギリスの全国区の鉄道National Rail(NR)。大きな駅にあるトイレは、10年位前からほとんどが有料です。入り口ゲートにあるコイン投入口に指定の額を入れると、バーが回って入れるターンスタイル方式。利用料は駅によってまちまちですが、利用料はだいたい20~50ペンス。
駅によってはトイレ入り口付近に従業員がいて両替ができる場合もありますが、ほとんどが無人のため、出発前に小銭を少し用意したほうがいいと思います。因みにブライトン駅のトイレは、大きな改札へ向かって左奥の方にありました。
また、多くのNR路線車内にはトイレ(無料)があります。移動中に済ませるのもいいかも知れません。
その2、あなたのブライトン・サントラを録音しておきましょう!!
ブライトンでは、前回のブログにもあるように海岸上にブライトン・ピアの他に、小さいメリー・ゴーランドなどのアトラクションも並んでいます。そこからは古のブリティッシュ・トラッド・ジャズが波の音と混ざって流れ、一時のキンクスの曲を思い起こさせたりしてくれました。ロックファンであれば、写真や動画では味わえない、ザ・フー旅行の臨場感が味わえると思います。
今度行くときはZOOMのハンディレコーダーH1nをもって、そんな素朴な響きを放つブライトンという街のサウンドトラックを録音したいものです。手のひらサイズのコンパクトボディに本格的XYステレオマイクを搭載され、荷物にならずにリアルなイギリスを録音できます。何気に青色は録音ボタンとのコントラストがモッズルックでナイスです。次回ブログでご案内する、映画ラストシーンの場所でも必携のアイテムとなることでしょう。
ZOOM (ズーム) / H1n/L(ブルー)ハンディレコーダー
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