
前回の記事掲載から一ヶ月間が空いてしまいましたが、「謎のバイオリン 直してみる シリーズ その2」行ってみましょう。
本ブログ第一回の概略は、この「謎のバイオリン」が
- 国内大手リサイクルショップで安い価格でジャンクコーナーに並んでいた
- この楽器はK.Shimora Nr.70 1986年 ドイツ製であること(さほど謎ではない)
- 大きな損傷は一見見られないが、検証して直してみます
という内容でした。

第一回 ブログはこちら
⇒ リサイクルショップの謎のバイオリン 直してみる シリーズ その1
それではさっそく「どこ直す?」検証のスタートです!
まず楽器全体で手を入れなければいけない場所を挙げていきます。
◎ 〇 △ ✖ で表します。
| ・ペグの状態 | △ |
| ・上ナット | ✖ |
| ・指板の状態 | ✖ |
| ・ネックの角度 | ✖ |
| ・駒 | △ |
| ・魂柱 | △ |
あれあれ?いいとこなし?だからジャンク品なのかな?
そうお思いになりますね。これは見る人で評価は変わると思いますが、今回はかなり辛口ではあります。
例えば裏板の状態などは前回のブログでも「良い状態」と書いておりますが、読者の関心はそこではありませんよね。そう、一体全体どんな点に着目するものなのだろうか。このブログに目を通される方のご興味を満足させていきましょう。
まず上に挙げた6項目のうち「ネックの角度✖」に着目します。これが最も大掛かりになるからです。ネックの角度を確認します。

この楽器はやや※ネックが低い楽器なので、今回は「ネックの入れ直し」をやってみる事にします。文字通り「ネックを外して、入れなおして、角度を直す」弦楽器の世界では珍しい修理ではありません。
※ネックが低いとは?「ネックの角度✖」その理由は?
弦の張力でネックが起き上がり、一見すると問題ないように見えますが、駒の高さに対してネックの角度が低くて、結果的に弦高がやや高い状態です。
画像は計測治具に対して指板との間にすき間があります。このすき間が「低い」という事なのです。駒の位置での高さは28mmで治具を当てていますが、このネック角度ですと2~3mmは低くなります。つまりその分、駒は相対的に高く、弦高も高くなるという事です。

一般的には修理調整をおすすめする内容ですが、弦高の高さは奏者の好みで変わりますし、奏者がどういう弦を張って、どの程度の弦高が好みかによってセッティングは変化します。
つまりこれでいい、となれば手は入れません。
今回はこの哀れなジャンクバイオリン、手を入れてみようというわけです。張っている弦はPIrastro Cromcor が張ってあります。いかにも練習用という雰囲気が漂います。
ネックの角度については過去のブログでも説明をしていますのでご覧ください。
⇒ 廉価なバイオリンでよい音を出すためには [第四回] 「指板にフレットがついてない!フレットはそもそも要らない?!打てない??」
次回から入れ直し作業に取り掛かりますが、前に挙げたチェック項目もここで簡単に説明をしておきます。
ペグ
このままでも使えるものの、長さが若干短い。先端がペグ穴から飛び出している

ナット
この形ではダメ 修正もしくは交換


指板の状態
若干の削り修正が必要
駒
これでもいいが若干角度が前傾、上端に少し反りが出ている


魂柱
画像ではうまく写っていませんが、斜めになっており調整もしくは交換が必要です

動画を録ってみました。こちらだと若干傾きの加減が肉眼で見るのに近いです
ざっと点検しただけでもこのようにいくつもの項目に若干の問題を感じるこの楽器。これについてそれぞれコメントを始めると、複雑な話になってしまいますのでこの辺で今日は失礼します。
直す=きれいになる≒音が良くなる=弾くのが楽しくなる
筆者が目指すのはこの一点です。ではまた次回に。バイオリンのネックを外しますよ~!!






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