
ヤマハからなんと19年ぶりに、サイレントチェロシリーズSVC300の新モデルが発表されました!今まで長らくユーザーに愛されてきた「SVC210」と「SVC110S」それぞれの後継的な位置づけとなり、2025年9月19日より予約開始!
予約受付の開始を前に、メーカーページ上に商品仕様が公開されていましたので、さっそく何が変わったのか比較してみました!
今回発表されたサイレントチェロ新モデルはこちら!
YAMAHA ( ヤマハ ) / SVC300C サイレントチェロ アンティークダークブラウン
YAMAHA ( ヤマハ ) / SVC300CPW サイレントチェロ パールホワイト
YAMAHA ( ヤマハ ) / SVC300F サイレントチェロ アンティークダークブラウン
YAMAHA ( ヤマハ ) / SVC300FPW サイレントチェロ パールホワイト
第一印象は従来までの基本的なボディ校正を継承しつつ、コントロール部分やペグなどにブラッシュアップが施されている印象です。
また、従来シリーズでもお馴染みだった受注生産の特注カラーのラインナップについては、パールホワイトがあり、ステージでの映えは断然こちらがおすすめだと感じました!
ヤマハのサイレントチェロは長らく「SVC50」「SVC210」「SVC110S」の3シリーズが主流でしたが、今回このうち上位の2モデルがどちらも一新された形です。
ではそれぞれ旧モデルと比較してどのようなところが改良されたのか、YAMAHAの公式仕様ページを見比べながら見ていきましょう!
YAMAHA SVC300CとSVC210サイレントチェロの比較
それぞれのサイレントチェロスペック表が公式ページにありましたので、比較してみました。
SVC210 | SVC300C | ||
---|---|---|---|
主な仕様 | |||
サイズ | 4/4 | 4/4 | |
棹部 | メイプル | メイプル | |
胴部 | スプルース / メイプル | スプルース / メイプル | |
フレーム | - | - | |
ひざ当て | ブナ(折りたたみ式) | ブナ(折りたたみ式) | |
指板 | エボニー | エボニー | |
弦 | ヘリコア(ダダリオ社) ボールエンドタイプ | ヘリコア(ダダリオ社) ボールエンドタイプ | |
糸巻 | ウォームギア式 | ウォームギア式 | |
ブリッジ | メイプル(Aubert社製) | メイプル(Aubert社製) | |
テールピース | Wittner社製/Ultra | Wittner社製/Ultra | |
アジャスター | 4ピース | 4ピース | |
ピックアップ | ピエゾピックアップ | ピエゾピックアップ | |
コントロール (本体) |
ボリューム Auxイン(ボリューム調整付) リバーブ(ルーム/ホール1/ホール2) | LINE OUT ボリューム / PHONE OUT ボリューム、ブレンドコントロール / リバーブコントロール(ROOM/HALL)、EQコントロール(TREBLE, BASS)、サウンドタイプ切り替え&チューナースイッチ | |
入出力端子 | ヘッドフォン出力、ラインアウト、Auxイン | ヘッドフォン出力、ラインアウト、Auxイン | |
電源部 | 単3電池×2またはACアダプター入力 | 電池:単三形アルカリ電池(LR6)または ニッケル水素電池×2本(別売)、電源アダプター:Yamaha PA-3C(別売) | |
電池寿命 (連続使用時間) |
マンガン電池 | (リバーブあり) 最長3 時間 (リバーブなし) 最長10 時間 | - |
アルカリ電池 | (リバーブあり) 最長9 時間 (リバーブなし) 最長25 時間 | 最長7.5時間 | |
ニッケル水素電池 | - | 最長9.5時間 | |
寸法(L×W×H) | 1,251mm× 438mm× 243mm (ひざ当て展開、エンドピン最短状態) | 1,251mm x 438mm x 243mm(胸当て含まず) | |
質量 | 3.9kg ( 乾電池、胸当て含む) | 約3.6kg(乾電池、胸当て含む) | |
ステレオヘッドフォン | 付属なし | 付属なし | |
ケース | ソフトケース付属 | ソフトケース付属 | |
弓 | 付属なし | 付属なし | |
胸当て | 付属 | 付属 | |
その他付属品 | オーディオケーブル、φ6.3-φ3.5変換ジャック | 付属なし | |
本体 | 色 | - | SVC300C = アンティークダークブラウン、SVC300CPW = パールホワイト |
待機時消費電力 | - | 0.1W |
まずはなんといってもSVC210の特徴だった、ひざあてが折り畳める仕様はSVC300Cでも健在!ボディも以前のモデルより木質感を感じさせるデザインとなっており、公式サイトにも「天然木材ならではの個性を楽しめる仕上がり」と記載されていました。ここは嬉しいポイントだと思います。


また大きく変わったと感じたのが、コントロール部分!以前のモデルにはなかったブレンドコントロールやイコライザー、チューナー機能が追加されていました。
リバーブのレベル調整も今までのモデルではありませんでしたし、TREBLEとBASSのイコライザーも今回追加されましたので、今回の変更でかなり自由に調整、音作りができるようになったのではないでしょうか。

またコントロール部分の写真、右側に書いてある「SRTパワードシステム」。これはYAMAHAの独自技術で、公式サイトによれば「サイレントチェロ™のように大きな共鳴胴を持たない楽器の音に対しアコースティック楽器の音の分析結果をもとにした自然な音色と響き=胴共鳴をリアルタイムで付加するデジタル技術」とのこと。
YAMAHA公式サイト SVC300シリーズ専用のSRTパワードシステム
これは既存のYAMAHAのエレクトリックバイオリンやサイレントベースにも採用されているシステムで、サンプリング音に頼るのではなく、楽器のピックアップからのアナログ信号に響きを加えることで、奏者独自の表現を再現できる、というものです。これはぜひ実機で試してみたいものですね!
そのほかにも乾電池がニッケル水素電池に対応するようになっている点と、重量が約0.3kg軽量化されている点も、改良がなされているなと感じました!ボディサイズは特に変更はなさそうですので、演奏のしやすさは既存モデルと変わらずと思います。
YAMAHA / SVC300Cサイレントチェロの仕様まとめ
- 折り畳み式ひざ当ては健在!ボディは天然木の木質感を重視した仕上がり。
- コントロール部に新たにブレンドコントロールやイコライザー、チューナー機能が追加
- サイレントシリーズでおなじみの、SVCシリーズ専用の「SRTパワードシステム」を搭載
- サイズはそのままで軽量化が図られ、アコースティック楽器と同様に演奏可能
YAMAHA SVC300FとSVC110Sサイレントチェロの比較
こちらもそれぞれのスペック表が公式ページにありましたので、確認してみました。
SVC110S | SVC300F | ||
---|---|---|---|
主な仕様 | |||
サイズ | 4/4 | 4/4 | |
棹部 | メイプル | メイプル | |
胴部 | スプルース / メイプル | スプルース / メイプル | |
フレーム | 成形合板 | 成形合板 | |
ひざ当て | - | - | |
指板 | エボニー | エボニー | |
弦 | ボールエンドタイプ | ヘリコア(ダダリオ社) ボールエンドタイプ | |
糸巻 | エボニー | ウォームギア式 | |
ブリッジ | メイプル(Aubert社製) | メイプル(Aubert社製) | |
テールピース | Wittner社製/Ultra | Wittner社製/Ultra | |
アジャスター | 4ピース | 4ピース | |
ピックアップ | ピエゾピックアップ | ピエゾピックアップ | |
コントロール (本体) |
ボリューム Auxイン(ボリューム調整付) リバーブ(ルーム/ホール1/ホール2) | LINE OUT ボリューム / PHONE OUT ボリューム、ブレンドコントロール / リバーブコントロール(ROOM/HALL)、EQコントロール(TREBLE, BASS)、サウンドタイプ切り替え&チューナースイッチ | |
入出力端子 | ヘッドフォン出力、ラインアウト、Auxイン | ヘッドフォン出力、ラインアウト、Auxイン | |
電源部 | 単3電池×2またはACアダプター入力 | 電池:単三形アルカリ電池(LR6)または ニッケル水素電池×2本(別売)、電源アダプター:Yamaha PA-3C(別売) | |
電池寿命 (連続使用時間) |
マンガン電池 | (リバーブあり) 最長3 時間 (リバーブなし) 最長10 時間 | - |
アルカリ電池 | (リバーブあり) 最長9 時間 (リバーブなし) 最長25 時間 | 最長7.5時間 | |
ニッケル水素電池 | - | 最長9.5時間 | |
寸法(L×W×H) | 1,266mm× 430mm× 243mm (エンドピン最短状態) | 1,266mm x 430mm x 243mm(胸当て含まず) | |
質量 | 3.7kg (乾電池、胸当て含む) | 約3.4kg(乾電池、胸当て含む) | |
ステレオヘッドフォン | 付属なし | 付属なし | |
ケース | ソフトケース付属 | ソフトケース付属 | |
弓 | カーボン弓 (CBB301)付属 | 付属なし | |
胸当て | 付属 | 付属 | |
その他付属品 | オーディオケーブル、φ6.3-φ3.5変換ジャック、松脂 | 付属なし | |
本体 | 色 | - | SVC300F = アンティークダークブラウン、SVC300FPW = パールホワイト |
待機時消費電力 | - | 0.1W |
まず気になった点が、SVC300Cと同様、今までなかったブレンドコントロールやイコライザー、チューナー機能が追加されたこと!リバーブのレベル調整も今までのモデルではありませんでしたし、TREBLEとBASSのイコライザーも追加されたことで、簡単かつ細かな調整が自由自在に可能になったと思います。

また「SRTパワードシステム」はSVC300Fにも搭載!
公式サイトに「SVC300CとSVC300F、それぞれがもつ音色の個性が生かされる回路設計」と明記されており、より自然な音質を体感できること間違いなしです。
YAMAHA公式サイト SVC300シリーズ専用のSRTパワードシステム
他にも大きく変わっていると思ったのがペグ部分!旧モデルのSVC110Sはエボニーペグだったのに対し、SVC300Fはウォームギア式ペグを採用していました。チューニングの安定性や扱いやすさを考えると、マシンタイプのペグに軍配があがると思いますので、ここもおすすめポイントです。

そのほかこちらのモデルも、乾電池がニッケル水素電池に対応するようになっている点と、重量についても旧モデルより、約0.3kg軽量化されていました!ボディサイズは特に変更はなさそうですので、演奏のしやすさは既存モデルと変わらないと思います。
YAMAHA / SVC300Fサイレントチェロの仕様まとめ
- コントロール部に新たにブレンドコントロールやイコライザー、チューナー機能が追加
- サイレントシリーズでおなじみの、最適化された「SRTパワードシステム」を搭載
- ペグはウォームギア式ペグへ変更
- ボディサイズはそのままに軽量化が図られ、アコースティック楽器と同様に演奏可能
いかがでしたでしょうか。じつに19年ぶりのYAMAHAのサイレントチェロ新商品ということで、比較表を見てみるとどこが変わって、どこが変わらないかが分かって面白いですね!この機会に興味を持っていただいた方は、ぜひ新シリーズのサイレントチェロを検討していただけると幸いです。