空間系エフェクトにこだわりたい方や、プリアンプペダルを使う方、アンプシミュレーターを使う方など、とにかく音作りに力を入れている方には必須の端子とも言えるのがエフェクトループ(SEND & RETURN)端子ですよね。スタジオやライブハウスに置いてある本格的なアンプには大体ついているこの端子ですが、やはり自宅でも本番と同じ接続で練習したいもの。「だからエフェクトループの付いた、安くて小さい自宅用アンプがほしいんだ!」という方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
今回は5万円(税抜)未満で買える※エフェクトループ付きのアンプヘッドをご紹介しようと思います。ヘッドだと対象モデルがかなり多かったので、筆者の独断でオススメのモデルだけに絞ります!
■ その前に、エフェクトループってなに?

「エフェクトループ」「FXループ」「センドリターン」など様々な呼ばれ方をしていますが、すべて同じこの端子を指しています。
「SEND」端子と「RETURN」端子が対になって一つのエフェクトループになります。一言でいうとこんな感じ。
- SEND = ギターアンプ内のプリアンプ回路を通った直後の信号を出力する端子
- RETURN = ギターアンプ内のパワーアンプ回路への入力端子
普段あまり気にしない部分ですが、ギターアンプ内部では、インプット→プリアンプ回路→パワーアンプ回路→スピーカーという順で信号が伝わります。
プリアンプ回路はギターの音質を調整する回路、パワーアンプ回路は音量を増幅させる回路、と思っていただければ十分です。
そこで、本来プリアンプ回路を通ってそのままパワーアンプ回路に入力される信号を、パワーアンプ回路に入力する前に一度SEND端子から取り出し、RETURN端子から再度パワーアンプ回路に戻すという、いわば寄り道をさせることができる端子です。
この端子を活用すれば、シグナルパス上のプリアンプとパワーアンプの間にお好みのエフェクターを挟むことなどが可能になります。
また、RETURN端子に入力する信号はSEND端子から出たものでないといけないというわけではなく、別のプリアンプからの出力をRETURNに接続することにより、そのアンプのプリアンプ回路を使わず、パワーアンプ回路のみを使用するということも可能になります。
モデリングアンプが使用できるマルチエフェクターや独立したペダルタイププリアンプなどを使用する際に役立つ接続です。
前置きが長くなってしまいましたが、ここから表題のアンプのご紹介です。
価格が安い順に発表していきましょう!
同じシリーズのモデルは、代表モデルのみのご紹介としています。
HOTONE ( ホットトーン ) / Heart Attack
手のひらサイズの超小型5Wヘッドです。なんとFXループを搭載していました。このシリーズは有名な真空管アンプのサウンドをターゲットに豊富なバリエーションがラインナップされており、好みに応じてキャラクターを選ぶことができるのがうれしいところ。
http://allaccess.co.jp/hotone/heartattack/
ORANGE ( オレンジ ) / TERROR STAMP
小型ヘッドの先駆けであるORANGE TERRORシリーズから、今流行りのペダルタイプヘッドが登場!基本機能はMICRO TERRORと同様です。ヘッドホン用のキャビネット・エミュレート出力とFXループが付いており、それでいて2万円未満という便利でコスパに優れるアンプです。
https://orangeamps.com/terror-stamp/
ORANGE ( オレンジ ) / MICRO DARK
MICRO TERRORにはFXループがありませんが、MICRO DARKにはあります!
ちょっと可愛らしいブリティッシュ・ハイゲイン・アンプです。
https://orangeamps.com/products/guitar-amp-heads/terror-series/micro-dark/
MOOER ( ムーアー ) / Little Tank D15
小型モデリングアンプです。アンプモデルリストを見ると低価格ながらかなりの充実ぶりであることがわかります。そしてBluetooth接続によりオーディオ機器と接続するとワイヤレススピーカーとしての使用も可能という遊び心も。それにしても、天板の出っ張った部分にディスプレイがあるというのは、なかなか独創的なデザインです。
http://www.mooeraudio.com/product/Little-tank-d15--50.html
Quilter ( クイルター ) / InterBlock 45 Guitar Head
最近流行りのペダルタイプのヘッドです。いち早くトレンドを取り入れたのがQUILTER。コンパクトながら45W出力を備えており、エミュレート出力も搭載。多機能で便利なヘッドに仕上がっています。
https://www.quilterlabs.com/index.php/product/interblock-45/
MARSHALL ( マーシャル ) / DSL1H ギターアンプヘッド
DSL1Hは定番のスタジオ常設アンプであるMARSHALL / JCM2000の小型低出力バージョン。小型と言えど、MARSHALL特有のエッジの立ったトーンや、フルチューブアンプならではの粘りのある歪みは圧巻です。常設のJCM2000を使うことが多く、家でもスタジオと同じように音づくりしたいという方には一番おすすめです。
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/dsl_2018/dsl1h/
VHT ( ブイエイチティー ) / Special 6 Ultra Head
独特なコントロールを持つ6Wチューブアンプ。Texture Switchにより、3種類の異なった高域設定が可能とのこと。パワー管に6V6を搭載したリッチなサウンドが魅力です。
https://www.vhtamp.com/avsp16hu
Laney ( レイニー ) / CUB-SUPERTOP
イギリスの老舗アンプメーカーのLANEYがラインナップするブティックスタイルのフルチューブ・アンプヘッドです。15Wと1Wの切り替えつきで、自宅から小規模なライブ演奏まで対応できそうです。1ch仕様のシンプルなコントロールが個人的には好印象です。
https://www.laney.co.uk/products/cub-cub-supertop-tube-head
Laney ( レイニー ) / IRT15H
同じくLANEYのアンプヘッドです。こちらはモダン・ハイゲインモデル。
箱鳴り感のあるブリティッシュ・ハイゲイン・サウンドが魅力です。少々サイズ感は大き目ですが、1Wにも切り替え可能で自宅でも使えそうです。エミュレート付きのラインアウトも装備しており、自宅でもレコーディングなど本格的に使い倒せそうな一台です。
https://www.laney.co.uk/products/ironheart-irt15h-2-tube-head
BOSS ( ボス ) / KATANA-HEAD MkII
ストンプボックスでおなじみのBOSSによる最新鋭ソリッドステートアンプ。 独自トーンのプリアンプと、BOSSならではの充実した内蔵エフェクトが魅力のモデルです。 FXループとは別に、LINE OUTとPOWER AMP IN端子も装備しており、シミュレーター系ペダルとの組み合わせもオススメです。
https://www.boss.info/jp/products/katana-head_mk2/
DV MARK ( ディーブイマーク ) / DV MICRO 50 M
このシリーズは全て共通して、ソリッドステート・パワーアンプの利点である「小型・軽量」を最大限に生かしたアンプヘッド。手のひらに乗るくらいのサイズ感にして50W出力を誇ります。歪み方はソリッドステート特有の潰れ感のあるサウンド。持ち運ぶ機材を最小限にしつつ、でもマイアンプにはこだわりたい!という方におすすめです。
http://www.dvmark.it/product-detail/dv-micro-50-m/
RANDALL ( ランドール ) / RD1H
ソリッドステートのハイゲインアンプのイメージが強いRANDALLですが、チューブアンプもかなり人気です。RANDALLならではの乾いた極悪ハイゲインサウンドを小出力で堪能できるモデルがこのRD1H。1EQという男らしいスペックもグッド!
https://www.randallamplifiers.com/product/rd1h/
MARSHALL ( マーシャル ) / CODE100H ギターアンプヘッド
MARSHALLアンプのモデリングのみに特化させた、MARSHALLにしか作れないデジタルアンプがCODEです。マーシャルマニアの方は一台持っておくべきアンプなのかなと思いますが、FXループがつくのはこのヘッドモデルのみとなっています。
http://www.marshallamps.jp/products/amplifiers/code/code100h/
以上になります。いかがでしたでしょうか!
書き始めてから気づいたのですが、ヘッドだとFXループつきのモデルはかなり多いですね。長くなってしまいそうだったので、オススメのモデルを厳選して紹介させていただきました。
サウンドハウスで取り扱っていないモデルや、紹介から漏れてしまっているモデルがあればどしどしご連絡いただければと思います!