このブログでは、10万円以内で買える2種類のマンドリンについて、どんな違いがあるのか徹底比較します!
音色は弾く人によっても変わるため、違いをお伝えするのはなかなか難しいですが、見た目が好きかどうかも楽器選びの大切なポイントとなります。写真を交えて紹介しますので、これからマンドリンの購入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
ご紹介するのはこの2モデルです。
○ SUZUKI VIOLIN M-30(写真左)
○ ENA EM-40(写真右)



■ メーカー
どちらも日本製。M-30(左)は鈴木バイオリン株式会社、EM-40(右)は恵那楽器株式会社が制作しています。全体的に形が似ていますが、サウンドホール周りのデザインは特に似ていると思いませんか。実は恵那楽器株式会社は、昭和29年に鈴木バイオリン株式会社から独立した会社。このよく似たデザインは、同じ会社であった時代の名残なのでしょう。

■ 表板
どちらも材質はスプルースです。EM-40の方が黄色っぽい色をしています。また、M-30は艶のある仕上げ、EM-40は落ち着いた艶なしの仕上げです。蛍光灯の反射具合で、質感の違いが伝わるでしょうか。

■ アームガード
M-30は勾玉のような形にくり抜かれたデザイン、EM-40は特に装飾のないシンプルなデザインです。EM-40の弦の端に挟まれているのは共鳴防止のためのフェルトです。M-30にはフェルトは付いていませんが、別途用意することもできるためそれほど大きな差ではありません。

■ ボディ
どちらも材質はメイプルです。M-30はベージュっぽい色、EM-40は黄色っぽい色です。木目の表情も異なります。ボディの塗装も表板同様、MS-30は艶あり、EM-40は艶なしの仕上げです。
リブはどちらも15枚構成。M-30は1枚のリブの間に細い黒い木材を挟んで2枚に分けており、27枚構成のように見えるデザインです。

■ ヘッド
どちらもローマ型と呼ばれる、ペグが側面に付いていて弦を縦向きに巻きつける形状です。

ちなみに、ローマ型に対してナポリ型という形状もあります。こちらはペグが後ろ側についており、弦を巻くポストが横向きになります。
■ ネック
どちらも同じくらいの太さです。太すぎず細すぎず弾きやすい、標準的な太さかと思います。
■ 音色
どちらも新品の状態でも大きな音が鳴りました。初心者でも演奏しやすい楽器だと思います。M-30の方が鮮やかではっきりとした響き、EM-40の方が少し落ち着いていて深みのある響きに感じました。
■ サウンドホールの中
楽器内部には、ブランド名と型番が書かれたラベルが貼られています。SUZUKI VIOLINは「NAGOYA」、ENAは「JAPAN」と書かれており、日本製マンドリンとしての誇りが感じられます。

細かい違いを感じていただけたでしょうか。
マンドリンを始めたいと思った時に壁となるものの1つは、値段の高さではないかと思います。複雑な構造をしており材料費や制作の手間がかかる分、値が張るのは仕方ないこととは言え、ギターなどと比べるとやはり高いですよね。
高級な材質を用いたモデルや華やかな装飾を施したモデルなど、上を見るときりがないです。低価格モデルでも、今回ご紹介したもののように丁寧に作られているものがあり、十分演奏を楽しめます。あまり構えすぎず、まずは手の届きやすいモデルから始めてみてはいかがでしょうか。
マンドリン関連商品はこちら
https://www.soundhouse.co.jp/category/middle/1520