梅雨を追い越したような夏日が続いていた2025年7月6日、日曜日。
先日ご来社いただいたウクレレ奏者・鈴木智貴さんの東京ワンマンライブにお邪魔してきました。

鈴木さんには、ご来社いただいた際と、ご自身の配信の中でも、PLAYTECHのウクレレの試奏をしていただいています!
この日の会場は「上野飛行船シアター」。2022年にオープンした約500席の卵型の独特な形状のホールです。

七夕祭りで賑わう上野の商店街を抜け、会場に到着すると、入場前の列にウクレレを持った来場者さんの姿がちらほら。鈴木さんはワークショップなどの活動も精力的に行われているので、その生徒さんたちも駆けつけていらっしゃる様子。
そして、ひときわ目を引いたのが、背中に「智貴の貴は貴族の貴」とプリントされた真っ赤なTシャツのお客様が結構な人数いらしたこと。んー、これはアツいライブになる予感…!
ステージ上には4本のウクレレがセットされ、開演の時間を静かに待っています。やがてSEが流れ、手拍子に迎えられて鈴木さんが登場。
「鈴木智貴、春ツアー2025『UKULELE POP』、東京セミファイナルにようこそお越しくださいましたー!」
客席からは大きな歓声が起こり、鈴木さんは深くお辞儀。
今年3月から始まった全国ツアーは、この東京公演でなんと24本目。ライブの合間にもワークショップやミニライブをこなすその活動量には本当に驚かされます。
「今日は短い時間ですが、このウクレレの音、そして音楽を一緒に楽しんでいきたいなと思いまーす!」
1曲目は沢田知可子の名曲『会いたい』。
「会えなくなってしまった人を想い、会いたいなぁと、ひたすらに歌っている曲です。」
丁寧な曲紹介のあと、たった1本のウクレレの音色が会場をやさしく包み込みます。
「今日ここに来てくださった皆さん、僕にとって家族のようで、仲間のようで、愛すべき皆さんです。そんな想いを込めて作った楽曲を演奏したいと思います。」
続いての曲は『Hoaloha』。体を揺らしたくなる心地良いオリジナル曲。

…ほのぼのとした穏やかな空気から一変させたのはノリノリのサンバビート。ズンズンと身体を突き動かすようなパーカッシブなリズムも、どうやら鈴木さんの手元から発せられているよう…!
「音楽に、リズムに、体を任せて楽しんでいきましょう!」
お馴染みのカバー曲『情熱大陸』が会場のボルテージを高めていきます。時折あがる鈴木さんのシャウトと客席の「ヒュー!」という歓声。なんという熱気!ウクレレ1本でこんなにも熱くなれるのかと驚かされるばかりです。
「1階席ー! 2階席ー!」
客席を巻き込む軽快なMCに、大爆笑が連発。
本公演はなんとチケット完売とのこと! ウクレレソロのコンサートで、これだけ大きな規模で開催するというのは国内でもかなり稀だそう。でも、お客さんが足を運びたくなる理由が3曲聴いただけでもよく分かりました。楽しいんです!
「嫌なことは全部、今日この場ですべて忘れて帰ってほしい!」
客席のハンズクラップに乗せて演奏されたゴキゲンなナンバーは『Pick Up the Music』。
嫌なことをだいたい忘れてスッキリすると、再び雰囲気がガラリと変わり、深いブルーの照明がステージを照らしました。
「ひとつのものを手に入れたくて、どんどん深みに潜っていく。でも潜れば潜るほど、息が続かなくなって、世界が暗く狭くなっていく…そんな中でも、自分にしかつかめないものがきっとあるはず。」
そう語って演奏された『イストワール』は、鈴木さんのストイックな一面が垣間見えるような1曲。息を飲むような緊張感と吸い込まれるような没入感。どんどん曲の世界に引き込まれていきます。

「今弾いてたウクレレは、今年から一緒にツアーをめぐることになったウクレレです。2階席の人、どう?かわいいでしょ?ここのポイント(見えない)」
シリアスな演奏の直後でも関西人らしいユーモア全開。
ここからは、活動初期からメインで使用しているウクレレ「ムーさん」に持ち替えての演奏。「最近入院も増えました」と語る愛機とともに届けられたのは、『写真立てのあなた』。
今回のツアーでは「会いたいときに会えるのは特別なこと。感謝の言葉は思ったときに伝えましょう」というメッセージをテーマにしてきたという鈴木さん。そんな思いが込められた楽曲を長年の相棒と演奏したことにも、きっと意味があるのでしょうね。
そんな鈴木さん、2025年12月13日に1000人キャパのホールでのコンサートが決定!
「ウクレレの活動をはじめた当初から、いつか1000人の会場でライブがしたいとずっとずっと言い続けてきました。それこそ30人くらいのときから。」
「この小さな楽器ウクレレは、ホントにいろんなことが表現できて、そしていろんな人の心を動かせる楽器なんですが、そのすごさが伝わっていないなと昔から感じていて。」
「いつか自分がこのウクレレで1000人集めることができたならば、ウクレレに対する世間の見え方が変わるじゃないかなと思って。」
夢は言葉にすれば叶う、それを証明したい。そんな力強いMCから繋がったのはオリジナル曲『Magical Words』。
12月、行かなきゃ…と余韻に浸っていると、どこかで聴いたことのあるイントロが…これは、クイーンの『Don't Stop Me Now』!客席は再びテンションMAX。
こんな曲も演奏できる楽器なんだなあと思っていると、鈴木さんが客席に何かを要求している??
なんと、インストライブだというのに観客に歌わせるというまさかの展開に。チームA・Bに分かれてコール&レスポンス。笑いと音楽が混じり合う開放的なひととき。こんなに客席が発散できるインストライブってあるでしょうか。
「この春ツアーに合わせて作ってきた新曲を演奏したいと思います」
うねる波や揺れる木々、流れる雲など、壮大な自然を描いたという楽曲「満ちてゆく森」。4本の弦と20に満たないフレットから、どこまでも広がる風景が描き出されていきます。
さらに誰もが知る『エリーゼのために』では、コミカルな解説を交えながら、叙情的な世界を表現。ウクレレという楽器の限界に挑戦したという『リベルタンゴ』では、バリトンウクレレの太く低いサウンドで客席を圧倒しました。
本編最後に演奏されたのはオリジナル曲『gravity』。既成概念を突き破るような強い意志を感じるロックな楽曲に、「ウクレレという楽器はどこまでいけるのだろう?」そう思わずにいられませんでした。
アンコールでは、最新テキスト「弾いているうちに上達する!ソロ・ウクレレ・コレクション20」にも掲載されている『ダンシング・ヒーロー』で会場を揺らし最高のフィナーレへ。
「皆さんのがんばっていることが成就するように。」
ラストは『Bloom』で幕を下ろしました。

■ 鈴木智貴 SPRING TOUR 2025『UKULELE POP』東京公演 セットリスト
- 会いたい
- Hoaloha
- 情熱大陸
- Pick Up the Music
- イストワール
- 写真立てのあなた
- Magical Words
- Don't Stop Me Now
- 満ちてゆく森
- エリーゼのために
- リベルタンゴ
- gravity
- EN1. ダンシングヒーロー
- EN2. Bloom
ウクレレのコンサートとは“癒されるもの”だと思っていましたが、鈴木さんのステージは、聴く人を癒すだけでなく、ひたすらに“前を向く力”に満ちたものでした。
12月のホール公演にも期待が高まります!

■ 鈴木 智貴 (Suzuki Tomoki) さん プロフィール
【ウクレレなのにポップ】をテーマに活動中。
心の琴線に触れる優しい音色からウクレレのイメージを覆すようなアグレッシブな演奏まで、小さな楽器から繰り出される無二の音色が聴く人を魅了する。
2013年にウクレレと出会い、わずか2年半で第8回 ジ・ウクレレコンテストにて大賞を受賞。(日本1位)続く2016年10月に行われた国際大会"Ribbee's World Ukulele Championship 2016"では世界1位に選ばれる。
サカイ引越センターのTVCMソングにオリジナル曲「Fallen Leaves」が抜擢され、2018.11月~2019.11月まで全国で放送。
YouTubeのチャンネル登録者数は、10万人を到達。 (ウクレレYouTuber としては全国で2番目の登録者数)自身のライブ活動に加え、ワークショップや総勢240名のウクレレオーケストラ “Sugar Muu Ukulele Orchestraの指揮を取るなど、ウクレレの普及にも力を入れており、活動は多岐にわたる。
在庫僅かとのことで、4th Full Album『COMPASS』をゲット!

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