以前にもギタリストである筆者が好きなメタルドラマーを語る、というどこに刺さったら正解なのかわからないテーマで記事を執筆しましたが、今回は懲りずに第2弾!
前回はスピードメタル系のドラマーが半数を占めていたので、今回はちょっとだけエクストリームな要素を盛ってお届けします!!
■Francesco Paoli(Fleshgod Apocalypse)/ The Violation
イタリア産テクニカル・デスメタルバンドFleshgod Apocalypseのドラマー。バンド結成時はギターボーカルでしたが、ドラムのアレンジを多く担っていたこともありドラマーへと転向。その後、同バンドのフロントマン脱退に伴い、ステージではギターボーカルを、スタジオではドラムも担当するようになったという異色の遍歴をもつドラマーです。
個人的には、アルバム『Agony』の発売当時(2011年)テクデスにほぼ触れていなかった筆者のテクデス入門曲的な楽曲、ドラマーでもあります。
■Joey Jordison(ex-Slipknot)/ People=Shit
覆面メタルバンドSlipknotの元ドラマー。エクストリームメタル界隈には「手数が多くかつパワフル」と形容されるドラマーは、それはごまんといますが、Joeyのプレイは加えて強烈な「殺気」のようなものを纏っている印象です。
Pearlから発売されているシグネチャースネアは、13インチ x 6.5インチというやや変わり種のサイズながら愛用しているドラマーも多く、プレイはもちろんサウンド面でも後続に大きな影響を与えたドラマーと言えます。
■George Kollias(Nile, Solo)/ Shall Rise Shall Be Dead
テクニカル・デスメタルバンドNileやソロワークで活動するほか、音楽講師としても活動するドラマー。超高速のツーバスプレイで知られ、筆者も初めて演奏を見たときは、その脚の動きに変な笑いが出たものです。
打ち込みで作られたドラムのフレーズを聴いていると「こんなテンポのツーバス踏めるかい!」と思うこともありますが、George Kolliasを見ると「あ、人力でもいけるのね」となってしまう、良い意味で人間離れしたドラマーです。
■Peter Wildore(Darkane, James LaBrie) / One More Time
メロディック・デスメタルバンドDarkaneでの活動や、Arch Enemyの2ndアルバム『STIGMATA』への参加で知られるドラマー。2010年にはDream Theaterのドラマーオーディションに参加し、それがきっかけとなったのか、ボーカリストJames LaBrieのソロ作品でもドラムスを担当しています。スピードプレイの中にスプラッシュやベルなどの金物を絡める、エクストリームかつ華やかな演奏が印象的。やはり金物の手数が多いドラマーは個人的にとってもツボです。
というわけで4名、メタルギタリストの筆者が好きなエクストリームメタルのドラマーたちを紹介しました。このジャンルのドラマーたちは、メタル好きから見ても「ここまで来るとアスリートだな」と思ったりもします。だが、むしろそれが良い。このスピードじゃないと表現できない音がある以上、メタラーはどこまでも高速化を極めるのです。
それはドラマーだけでなくギタリストでも同じこと。来年2021年も「速いやつが偉い」を合言葉に練習に励もうと思う筆者なのでした。