
多弦の音が鳴っている気がした
BiSのDEAD or A LiMEという曲がかっこ良すぎてひっくり返りました。重圧なリフとトリッキーなフレーズ、そしてその上に乗った吐き捨てるようなボーカル。ところどころグリスで不協和音が入っていたりとDjentのようなアレンジです。
ということで最近この曲のギターパートをコピーしていました。ところが、どうもリフとサビで鳴っているF#の音が自分の音と違う気がする。さらに、このF#を開放弦で鳴らせたら運指が楽になることから、もしかしたら多弦ギターを使っているのではないかと。音作り、ピックアップの出力、ピッキングの技術など他にも要因はいくつか考えられますが、とりあえずピッチを下げまくることにしました。
開放弦でF#を出すには、
- 7弦ギターで7弦をドロップチューニング
- 8弦ギターで8弦をスタンダードチューニング
- 6弦ギターの6弦を5音下げ
の主に3つの方法があります。
僕の手元には多弦ギターがありません。必然的に6弦5音下げという悪魔の選択をせざるを得ませんでした。
ドロップチューニングはどこまで耐えられるのか
通常、ドロップチューニングは
- ドロップDチューニング
- ドロップC#チューニング
- ドロップCチューニング
あたりが一般的で、ドロップCともなるとかなり重圧な音が出ます。

つまり、そこからさらに3音下げるドロップF#チューニング(6弦5音下げ)は未知の領域です。そもそもギターといえる音が出るのか、チューナーは反応するのかなど、不安要素しかありません。ドロップC#以降は1~5弦も一緒に下げてドロップDの形を維持する方法が一般的ですが、今回は6弦のみを下げたチューニングで弾いてみました。
意外となんとかなった
明らかに6弦だけ異次元な音が出てますが、なんとかなりました。通常のドロップチューニングのように6弦以外の弦も下げるともっとバランスがよくなるかもしれません。かなりゆるゆるなテンションなので、ちょっと強く抑えただけでチョーキングみたいになってしまいますが、そのあたりはすぐに慣れました。
チューニング
当たり前ですがチューナーの反応がかなり悪くなりました(ベース用だと問題ないのかも)。ペダル式とクリップ式のチューナーを両方セットすると5回に1回くらいの割合でどちらかが反応してくれます。弦の揺れが大きいからかピッキングした瞬間とサスティーンが消えかけるタイミングでピッチに差が出るので、2つのチューナーを使ってちょうど平均くらいに合わせると安定したピッチになりました。ちなみに自分はロックペグを使っています。弦の巻き数などを気にしなくていいのでおすすめです。
FENDER ( フェンダー ) / FENDER LOCKING TUNERS,CHROME
音作り
音の輪郭がぼやけていたのでイコライザーでスッキリさせました。

200Hz付近でコシを作り、2kHz~7kHz付近で抜けを作っています。さらに音を引き締めるため、20Hz~100Hzと500Hz付近をカット。いわゆるドンシャリです。それでも多弦ギターと比べると音の粒が粗いなという印象ですね。
多弦のイメージを掴むのにはアリ
ピッチを安定させるのが難しかったり、音作りに手間がかかったりと6弦5音下げはあまり実用にはオススメできません。それでも、多弦ギターって楽器屋にあまり置いてなくて試奏が出来なかったりいきなり購入するにはハードルが高い機材だと思うので音のイメージを掴むにはアリだと思います。多弦ギターはすごいなぁ。
Ibanez ( アイバニーズ ) / AZ24047-BK
Ibanez ( アイバニーズ ) / RGIXL7-BKF
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら