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EWI5000は初期設定で吹くな!音が劇的に良くなる設定ガイド

2021-05-10

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

意気揚々とEWI5000を買って、まず最初に本体から出てくるのは「アルトサックス」の音(音源番号00)です。ですが…

しかしこの音、初期設定ではひどくチープ。息もあまり吹き込めず苦しい。
しかも、音の終わりで息を弱くすると「ブチブチ」とノイズが鳴ります。

そういうわけでEWI5000は「買ってがっかりした!」「PCM音源はやはりダメ!」「やっぱEWIはアナログ音源!」と多方面で酷いレビューが散見されます。

しかし、設定次第でEWI5000 は化けます。実際非常に気持ちよく吹くことができ、PCM音源の良さを味わうことができます。

(※ PCM音源とは、録音した生楽器の音を再生する音源方式のことです)

この記事では、①ブチブチいうノイズを無くす初期設定、②息の苦しさを軽減する設定、③2種類の音の設定を紹介します。

パソコンなど使わず、EWI本体だけでできる設定ですのでどうぞお試しください。

AKAI ( アカイ ) / EWI5000J

目次

  • ブレスセンサーの設定(ブチブチいうノイズを消す設定)
  • ボリュームの設定(息の苦しさを消す設定)
  • キレイなサックス音の設定
  • キレイなシンセ音の設定(T-SQUARE風)

1. ブレスセンサーの設定

① まず本体裏面ディスプレイのすぐ下にある「SETUP」というボタンを押しながら、本体側面の2つの透明のボタンをカチカチ押してメニューを選びます。

 

② ディスプレイに「bs(ブレスセンサー)」と表示されたところでSETUPボタンから指を離すと、ブレスセンサーのメニュー内に入れます。

③ 本体側面の透明のボタンでメニューを選び「vo(ボリューム)」と表示されたところで止めます

④ そこで「TRANS.」ボタンを押しながら本体側面の透明のボタンを押すと

OF(オフ) → Lr(ローレゾ) → Hr(ハイレゾ)

と表示が移り変わりますので「Hr(ハイレゾ)」にしておきます。

ここで「TRANS.」ボタンを離し、先ほどの「vo」の表示の上にドットが表示されていればOKです。

⑤ そこからまた本体側面の透明のボタンでメニューを選び「br(ブレス)」と「EP(エクスプレッション)」についても「vo」と同じように「Hr(ハイレゾ)」にしておきます。

すると「vo」と同じように、「br」の上にも「EP」の上にもドットが表示されます。

公式の説明によると、ローレゾは128段階のブレスの強弱の変化、ハイレゾで16384段階の変化を感じ取るそうで、通常はローレゾに設定されているそうです。128段階では自然な息の終端を表現できない、これがブチブチの原因だったと考えられます。要するにノイズではなくローレゾの仕様のせいだったという…。(はじめからハイレゾにしといてくれよな…)

2. ボリュームの設定

次にボリュームレベルを90にします。 (最大値の99でも良いのですが、若干だけ余裕を持たせておきます)

EWI5000裏側の下の方にある「LEVEL」というボタンを押しながら、本体側面の透明のボタンで値を上下させます。

 

※ 音量を90(ほぼ最大)にした上でBREATHつまみの(副)の値(息の抵抗値)を低めの50にしておくことで「少ない息でもコントロールしやすい&強く息を吹き込めば非常に大きな音が出せる」という理想的な状態になります(超重要)。


3. キレイなサックス音の作り方

まずは音源番号31「Soft Alto Sax」を選択します。("Soft"と言えど、かなり「泣き」の要素がある強い音が出せるようになります)。

※ちなみに音源番号を選んでいる最中に本体正面の演奏用キー(◎みたいな銀の部分)に指が触れますと、音源番号「00」が選択されてしまいますのでご注意ください。

次に本体裏面ディスプレイ上側のカバーをはずし、設定のつまみを出します。

これ、1つのつまみで2つの数値を操作することができます。


1つ目の数値(正)は直接つまみを回します。
2つ目の数値(副)は、TRANSボタンを押しながらつまみを回します。


次に、以下の通り設定します。
左側が(正)、右側が(副)の値です。

FILTER 90,60
BITE 0,0
FINE 0,0
CHORUS 0,0
BREATH 65,50
SEMI 0,5
REVERB 50,60
LFO 0,0

※ 各つまみ共、(副)から先に設定し、次に(正)を設定するようにすると、混乱が少なくなります(これ大事)。

※ つまみによっては、マイナスの値も、100以上の値(ドットが点灯する)もありますので、0のつもりが100になったりしていないかよく確かめてください(これも大事)。

ちなみに音作りにT-SQUAREの「Twilight in Upper West」という曲のサックスをイメージしていますので、ちょっとリバーブ多めです。
BREATHの(正)の値は息の感度です。もし何も吹いていないのに音が鳴ってしまうようであれば、もう少し値を下げてください(※「音が鳴らなくなってからさらに3ほど値を下げてください」と公式の説明書には書いてあります)。
最後に、つまみがなにかにぶつかると危険ですから忘れずにカバーを戻してください。

音源とつまみの設定が終わったら、いよいよEWIにイヤホンを差し、吹いてみてください。

初期設定のサックスとは見違えるようになりましたでしょ?

4. キレイなシンセ音の設定(T-SQUARE風)

次にみんな大好きT-SQUARE風の音を出してみようと思います。イメージとしては本田雅人の「FACES」や「CROWN AND ROSES」の音です。

(もちろんSQUARE音源のマニアの方を納得させられるほど忠実に同じものではありません)

まず音源番号「67(Mono Edge)」を選択してください。

次に、裏面のカバーを開け、つまみを以下の通り設定します。

左側が(正)、右側が(副)の値です。

FILTER 0,0
BITE 0,0
FINE 0,0
CHORUS 15,15
BREATH 65,50
SEMI 0,5
REVERB 50,60
LFO 0,0

以下の2点、大事なのでもう一度!

※ 各つまみ共、(副)から先に設定し、次に(正)を設定するようにすると、混乱が少なくなります。

※ つまみによってはマイナスの値も、100以上の値(ドットが点灯する)もありますので、0のつもりが100になったりしていないかよく確かめてください。

ではイヤホンをEWIに差し、また吹いてみてください。

脳内にF1と古舘伊知郎の実況をほうふつとさせる、芯の太いシンセサウンドが聞こえてきましたでしょう…?

ちなみに「FILTER」の(正)はCUTOFFと呼ばれるパラメーターで、値を減らすと音が丸くなり、足すとより激しくなります。試しに10ほどマイナスしますと、また違った丸みのあるシンセサウンドになります(私は逆にCUTOFFの値を大きく足して、音をより激しくするのが好きです)。
お好みでお試しください。

まとめ

EWI5000買ってよかったです。
しかもEWI5000のポテンシャルはこれだけではありません。ここより先、FXの設定だったり、パソコンとつないでの音色の作り上げであったり、さらには「IFW」やサンプラー音源、外部音源と接続しての演奏であったりと、EWIにはまさに無限の可能性が広がっています。

私はEWIの専門家ではありませんが、EWI5000を購入して同じように音の悪さで悩んでおられる方が多いのを見てこの記事を書きました。この記事よりさらに良い設定があるのでしょうが、とりあえずこの記事の通りやるとかなり気持ちの良い音が出せます。
この記事がみなさんのお役に立つことを願っております。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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オカリナ講師のジャスティン

オカリナ講師のジャスティンはYouTubeでオカリナ講師をしている人です。初心者から上級者まで楽しめるレッスン動画、またオカリナの選び方に関する動画も作っています。Twitterではイラストレーターもやっています。
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