Cheena:今回は元・筋金入りの裏方のネモトさんと楽器改造人・ベーシストの私Cheenaの対談形式でお送りする、指板へのこだわりの話です!
〜プロフィール〜
Cheena:バインディングはシンプルなのが、フレットは小さめが好き。 フレットを抜いたり打ったり埋め立てたりしている。
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ネモト:バインディングは派手なのが好き。フレットはとりあえず高めが好き。でもフレットそれ自体は嫌い。
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Cheena:前回に引き続き暴走トークをしていきましょう。前回はバインディングの話に入らずに終わったんでしたね。
ネモト:そうだね。
ベースだとあまり見かけないのは変な感じ。高級ベースでも採用率低し。
ベースギターの生みの親であるフェンダーで採用されていないし、アコギやセミアコと比べたら重要じゃなくなっちゃうのはわかるけどね。
セルバインディングとかかっこいいと思うんだけどなぁ
Cheena:一応エレキベースもRickenbackerが最初に開発したと言われてるんですけどね。
楽器の歴史は置いておいて、ギブソン系のギターがバインディングをしてフェンダー系のはしないという対立は面白いですね。
SchecterのHellraiserなんかはテレキャスシェイプとストラトシェイプどちらも豪勢に7枚バインディングとパーフリングを張ったりしていますが、あれもまた単なるこだわりとしか言えないような普及率です。
SCHECTER ( シェクター ) / HELLRAISER HYBRID C-1 FR TBB
ちなみにHellraiser Hybridはバインディングだけでなくインレイも素敵ですよ。
ネモト:そういやリッケンにはあったね…。ベースギターを生み出したレオ・フェンダーは元々楽器職人ではなかったせいか、バインディングや楽器に対する感覚は違ってるよね。トラスロッドも最初は入れるつもりなかったし、エレキにとってボディ材なんてなんでもいいんだから安いパインでいいだろ、とか。楽器職人サイドから強い提案というか申告があったから採用したという経緯がある。PUフェンスも'51OPBのPUが取れてしまうからだし。その彼にとって見た目の美しさやバインディングによって得られる機能とコストや手間を天秤にかけたら必要ではないとなったんだろう。
ちなみにオールドフェンダーにはバインディングが施されたものもあるけど、それはレオ・フェンダーがフェンダーを離れた後に作られたから彼の哲学は曲がってないよ。アップデートを忘れない人だったから違うブランドに移ったらより複雑な電気系統を持つエレキを生み出してきた。というか好きにやらせてくれないから違う会社に移るという…。放浪技術者という肩書きに嘘はないね。
反面ギブソンはフェンダーより長い歴史を持っているきちんとした楽器メーカー。こだわりも技術もあったんだから作るのは自然なことだね。 ただソリッドギターのバインディングに関してはレス・ポールの意向を受けて採用したみたい。
シェクターは確かにゴージャスでカッコいい。元々高級楽器メーカーとしてスタートしたという経緯はあるけど、あの値段でもキチンと載せてくるのは凄いと思うよ。脇道に逸れるけど、ギブソンも歴史あるメーカーのご多分に漏れず世代、年代によって大きく変わる。古き良き手作業で作られたギブソンが欲しいならヘリテージがおススメ。手作業だから1本1本完全に同じものではなく、悪く言えばバラつきがある。ヘリテージのアメリカンイーグルはすごい豪華なインレイだったね。初めて見たときびっくりした。
Cheena:確かにFenderの楽器は工業製品で生産性と整備性を最優先という方向性が強いですね。手工業的、芸術的で見た目を気にするメーカーの方がこだわりを出してバインディングを付けてるのかな。 本来は角を衝撃から保護したり、トップやバックの接合面を隠したり、という理由があって張られていたようですが、であるならソリッドボディには必要ないのも頷けますし、今では見た目以外の理由で付けることもないと考えてもいいのかな。 ABS樹脂かなんかでカラフルなのがあっても良いと思うんですけど...
ネモト:見た目のみと考えていいんじゃないかな。 でも見た目を重視するとエキゾチックウッドをトップに貼るのが主流になっている。 バインディングが剥がれてしまう事例は多いけど、トップ材が剥がれてしまう事例は聞いたことがない。ありえないとは思わないけど。樹脂ではなく木材を使えばそういう心配も少なくなるんだろうけど、今度はそこまでやる必要があるのか?という話になってしまう。トップ材を小さめにすることでバック材の端っこを表面から見えるようにすればパッと見バインディング風になるからそれでいいんじゃない?と合理的に判断されてしまい、結果としてマイナーなものになってしまっているんじゃないかな。特にベース。

このゼマイティスみたいな感じ。ボディは上から順にローズウッド、メイプル、マホガニー。トップのローズをベベルカットすることによってメイプルを見せている。これはバインディングの代用ではないけど、技術は同じなので。 脱線になっちゃうけど、ボディ、ヘッドをローズにしてローズ指板なので前から見たらオールローズなのよね。最近はローズウッド全部ワシントン条約で規制されているからこれからこういうの増えるかも。
でも、バインディングはともかくパーフリングは完全に装飾なんだから樹脂でもっとカラフルなものが出てくればいいのになぁ、と思う。ソリッドボディの楽器にとってバインディングは装飾なんだからバインディング材だろうがパーフリング材だろうが構わないし。
Cheena:あ、ワシントン条約の2019年末の改定でローズウッド、ブビンガは規制対象外になりましたよ。 ブラジリアン・ローズウッド(ハカランダ)は規制されたままですけどね。 経産省の文書で確認できます。 しかしゼマイティスはいつも素敵ですねえ。
ちょっと面白いのは、どんなに豪華なギターでも基本的にネックのバインディングはボディより質素なものになっているんですよね。
分かりやすい例はレスポールカスタムで、もちろんグレードやメーカーにもよるけれども、3-5枚のパーフリングの入ったバインディングをボディには施すのに、ネックにはバインディングを1枚だけ、またはボディより少ない枚数のパーフリングを入れる、ということがよくある。
逆に面白い例外はIbanezのRGシリーズで、ディンキーシェイプのボディは白の潰し塗装でローズ指板シャークフィン・インレイのネックにパールのバインディングを入れたり、黒の潰し塗装で同じようなネックを載せていたりする。
ただ、このIbanez RGはバインディングのお陰で全体の統一感が出て見た目が引き締まるので、バインディングは全体のデザインを見て入れるかどうか、何色にするか決めるものなんじゃないかな、と思ったりしますね。
ネモト:ネックのバインディングがシンプルなのはメンテナンスが要因なんじゃないかな?フレットをすり合わせたり端を丸めたりする作業において木とは異なる性質の樹脂バインディングは作業中に気を使う場所が増えてしまう。経年劣化の仕方ももちろん木とは異なるし、結果剥がれるわけで、そうなると緻密さを求められる指板周りのリスクを極力下げて、ダメになっても楽に交換できるようシンプルになっているんじゃないかと推測している。 そう考えたらRGはすごいこだわりを感じるね。
Cheena:ですね。上位のAZでやらずに敢えてRGの、なんなら安価なGRGなどのエントリーモデルでも時々やっていますし。
ネモト:どういうものでバインディングをするかだけど、トップ材が貼られているならそれに合わせてあげるのが自然なのかなぁ。
私の8弦はボディトップ、ヘッドトップ共にバックアイバールトップなんだけど、これはバックアイバールでバインディングをしたら楽器全体がフレームに収まったように見えるんじゃないかな。
一般的なJBPBならピックガードやインレイに合わせたらいいんじゃない? 例えば3プライのピックガードだったらホワイトパールか白でバインディングしたらいいと思う。ピックガードの端はネックジョイントの部分だけはまっすぐ切り落とされてトップしか見えないじゃない?あそこを補正するような感じにバインディングしたら収まりがいい気がする。うろ覚えだったから今ググったけど、66年くらいのJBは白い樹脂でバインディングされてた。 あれはホワイトパールのブロックインレイだったから、それに合わせてたのかもね。
それと、全体を見てバインディングを決めるというのは当たっていると思う。フェンダーのセレクトテレキャスターはボディにバインディングが施されていたけど、ネックやヘッドにはない。あれにバインディングしたらなんか蛇足になりそうだった。メイプル指板だし白ならしてもいいかな、と思うけど。必要?と言われたらうーん…となる。美的感覚に基づいているから正解はないけど(笑)
Cheena:確かにSelectシリーズは完結している感じがします。あれ以上に豪華にする必要はないというか、どちらかというと木目を楽しむ方向に振っているような。
そしてバインディングとフレットの話で思い出したのはGibsonのネックバインディングの張り方ですね。 フレットを普通に打ってからバインディングを張って、指板とフレットの高さに削っていくのですが、この時にフレットの横に削り残されたバインディングが残り、バインディングニブ(Binding Nibs)と呼んだりしますが、これがGibson独特の指板の見た目と言われたり、逆に雑な作業と言われたりしています。
確かにフレットタングの処理が入らなくなるので合理的ではあるんですが、同時に賛否両論ある仕上がりになっています。
ネモト:ニブからバインディングの割れが入ることも多いみたいだから私は否定派かな。 ギブソンは仕上げに使うワックスがカーワックスだったりするし、割と適当なところはあるよね。音が良いから良いんだけど。 ギブソンはジャンボフレットが基本だっけ?
Cheena:確か高め太めのジャンボフレットですね。あんまり太いフレットは苦手なので使うジャンルに合わせてナロートールフレットかスモールがいいんですけれども。 小さめのフレットだと摺り合わせも整形も磨くのも楽ですし。
それと、カーワックスを楽器に使うのは案外合理的かもしれません、耐候性や強度も十分ですので。 ネットで見る限りギブソンはTurtle Waxというのを使っているようですが、ラッカーにもウレタンにも使えることや安価なことからギブソン以外に採用する工房も多いようです。 1ガロン(3.7L強)で50ドルするかしないかぐらいです。 そういえばこんなのホームセンターに並んでたな...
ネモト:私もそう。1番好きなのはナロートール。ミディアムジャンボも嫌いではないけどね。
そしてタートルワックス!亀印! メンテ用に買ったけど普通にクルマに使ってるという汎用性。好き。
Cheena:でも私たちもピカールとかライターオイルとか楽器清掃に使いますからね、あんまり変わらないでしょう(笑) フレットのもろもろの話は沼底にある気がしますね。演奏性、音質、と演奏の全てに関わる部分だけあって、種類が多すぎます。
さっき話題に上がったジャンボフレット、ナロートールフレット以外にもミディアム、スモールヴィンテージなどメーカーごとに数種類ありますし、素材も洋白(ニッケルシルバー)やステンレス、80/20ブロンズに近い銅合金を使用した金色のフレットなんてのもあります。
さらに打ち方にも一般的なストレート、富士弦の開発したサークル・フレッティング・システム、多弦ギタリスト御用達のファンフレットやベンドフレット、精密なピッチを狙ったトゥルー・テンペラメント・フレット、それ以外にも指板の高音側だけフレットがあるとか無いとか...もはや訳が分かりません。
ネモト:確かにピカールやらラビングコンパウンドやらら使うね(笑) フレットは沼だね。例に上がった金色のフレットを使ったことがあるけど、柔らかめの音で微妙な気持ちになったね。ただ単に金色で有れば良かったのにって。 例に上がったものの他にもマンドリンやバンジョーやウクレレに使われる小型のフレットを使っている人もいるよ。今も使っているかはわからないけどチャック・レイニーとか。
技術面だと本当にわけがわからないね…。 私が楽器を始めた頃はサークルフレッティングシステムくらいしかなかったな。知らなかっただけかもしれないけど(笑)
Cheena:金色のフレットは配合により、真鍮に近いものやニッケルシルバーより硬いものもあるようですね。 音色はともかく、真鍮のものは案外安価に買えたりします。
ファンフレット・マルチスケールギターは1989年にルシアーのRalph Novakが特許を取得し、NOVAX Guitarsとしてファンフレット楽器を製造していたわけですが、2009年に20年間の特許期間が終了、.Strandberg*をはじめとするメーカーが参入してくるわけですね。 現在はIbanezなども製造し、安価にファンフレットの多弦ギターや多弦ベースが手に入るようになっています。
トゥルーテンペラメントに関してはTrue Temperament社が開発したフレッティングですが、指板だけとかネックだけでも購入できるみたいですね。 こちらはまだ特許期間は終了していないので、使用したいメーカーはライセンス契約になるようです。代表的なのはMayones Virtuoso True Temperamentや.Strandberg*のBoden TTかな(またバーグ...)。
ネモト:あったけど知らなかっただけか…。若かったからということで…。 私はワーウィック製のフレット(確かサムベースの5弦用)だったけど、26本で2500円くらいだったかな。24本で2000円程度だった三晃より割高ではあるけどびっくりするほど高くはないね。ワーウィック製フレットはベースの指板幅に合わせて作られていて、真っ直ぐ打ち込めば端を切る必要がない素晴らしいものだった。汎用性は著しく低くなるけど、多弦用を買えば4弦なら端を切ればいいだけだから扱いやすいかな。ただかなり前の話だから今どうなっているかはわからないけど。
Cheena:26本2500円ならステンレスフレットよりはかなり安いですね。 ゴールドフレットはJESCAR製のEVOシリーズがサウンドハウスで購入できますが、24本6000円とかなり割高です。
JESCAR ( ジェスカー ) / ♯43080 EVO 24pcs set
ニッケルシルバーとステンレスの中間程度の硬さで比重はニッケルシルバーに近いそうです。 そうこうしているうちに面白いものを見つけましたよ、たぶんネモトさんが使ったのと同じものでしょう。
WARWICK ( ワーウィック ) / Fret Set
商品説明はギター・ベース用となっているから長さ調整は必要かな?
ネモト:多分コレだ!懐かしい。今は値上がりしたのかそれとも安く譲ってくれたのか…。 音を理解した上で使うなら良いフレットだと思うよ。この記事を読んでいる諸兄、柔らかめの音が好きならこれはおススメですよ。ただし自分で打ち直すのは大変ですよ(笑) えらい時間かかってもう2度とやらないと決めています。勉強にはなったけど。
Cheena:私も打ち直し嫌いですねぇ。プレス機とPLEKが使えるならやってもいいですけど。 でもこのフレットは気になりますね。まずは見た目が合うようなハードの楽器作らなきゃ…。 フレットが金色だと、積み込むパーツと楽器全体の見た目に関わってきてしまうんですよね。 最終的には、弦もアコースティックベース用80/20ブロンズ弦を使いたくなってしまうし。
ネモト:ソリッドブラック、エボニー指板、ゴールドパーツとか?弦はオプティマの金メッキ弦でもいいかも。音に大きな特徴はなかったけどエリクサーみたいにぬるぬるしないしかっこいい。
Cheena:良いですね。個人的な好みでレスポールベース・カスタムでやりたい。 フレットは銀色か金色しかないのがちょっと残念です。ただの金属のワイヤーだから酸化膜とかではなく、金属そのものに色が付いている必要があって、同時に削れづらい硬度も必要だからなかなかバリエーションもないんですかね。オスミウムの青いフレットとか見てみたいですけど。
ネモト:確かにね。酸化膜でいいならカラフルにすることはできるけどすぐに削れてしまう。 ブラッククロムとか頑丈だけど限界はある。ちょっと発想を変えてみて、メッキしてからすり合わせて、地金の色を出してツートンカラーのようにしてみたら楽しいかも?赤いフレットの上部だけゴールドとか派手でいいかも…。
Cheena:探してみたら黒いフレットはあるみたいです。 国内では取り扱いがなく、使用するには輸入する必要がありそうですが、ダンロップ製ですね。 上部だけ敢えて削るのは思いつきませんでした。ただ、クラウン整形を慎重にしないと全部剥がれてしまいそうです。 金属板3枚プレスしたようなバーフレットなら特に気にせずに擦り合わせられますけど...
ネモト:ダンロップ色々作ってんなー そこらは技術者らしく技術でなんとかしよう(暴論) 真面目な話、ジルコニウムの発色を利用したらかなりカラフルにすることもできるし突き詰めてもいいかもね。ただジルコニウムめっちゃ高いからフレットだけで50万は欲しくなるけど。
Cheena:ジルコニウムフレットは正気の沙汰ではないですね。 それはもはやアルマイト材でフレットラインを付けたフレットレスとかの方が良い気が...?となるとかなり最初の方で言及したフレットラインを埋める材の話に戻ってしまいますね。 やはりどのご家庭にもあるミリングマシンとバレル研磨機で量産できるバーフレットで作るしかない。
ネモト:突っ込まないぞ…? バーフレットなら作るの楽だしキノコ形になってないからすり合わせてツートンにしやすいしいいんじゃない?プレスで作るならセンターとサイドの色を変えればゼブラカラーにできるじゃん?ニュージェネレーションフレットだよ 一般的な指板だとポン付けとはいかないからフレット溝の整形めんどいけど。
Cheena:まさかここでデザイン性のために旧世代のフレットが使われることになるとは思いませんでしたね。 まぁPLEKくんがどうにかしてくれるでしょう...
ネモト:これぞ温故知新。 バーフレットにはバーフレットのメリットがあるわけで、捨てたもんではないね。サイズをナロートール風にしたら演奏における違和感も少ないだろうしやってみてもいいかも?
Cheena:バーフレットのメリットって言われるとあんまり思いつきませんけど、打ち込んだ時に指板材が割れづらかったりするんですかね。 でもフレットの重量が増す分音響特性とか気にする人も多そう。
ネモト:にかわを使って接着させるから、指板にダメージを与えずにフレット交換できるのよ。半田ごてをフレットに当てるとフレットから伝わった熱でにかわが溶ける。あとはプライヤーやペンチで持ち上げるだけ。交換の際適切な粘度のにかわを用意する必要があるけれど、今の時代ならそれはあまり難しくないだろう。 指板材は貴重な木材を使うことも多いからこれからの時代は見直されてもいい特性だと思うよ。 アメリカのメーカーにギターをカスタムオーダーしたら、確認不足で指板材のエボニーが国際取引を禁止されているものだったから輸出できずに全額返金なんて話もあるのよ。それだけ貴重なものを使っているのだから、できるだけ長く使えるようにしたい。
私はエレキでもネックと指板はにかわで接着すればいいと思っている。強度や耐候性を考えるなら、指板側からネジを打って、ネジの頭の上からインレイ被せて隠せばいけるだろうし。 音響特性に関してはむしろ設計の自由度が上がると考えればればいいんじゃないかな?
Cheena:私はにかわ否定派なんですよね。高温多湿と低温乾燥を繰り返す日本だとヨーロッパに比べて劣化が早まるし、ヴァイオリンやギターのにかわが溶けて楽器が崩壊したり音質が激変したなんて例もあるのでどうなのかな?という。 ただ、やはり貴重な材にダメージを与えづらく再接着もできるという点は利点ですね。Titebondでも製造しているし、比較的安価に手に入る接着剤のひとつなので。 バーフレットとTフレットの差はむしろ選択肢になりますね。 近代的な楽器だとほとんど研究されていないのが残念なところです。
ネモト:確かににかわにはそれがあるね。ネックが外れたビオラがあって、どうしたの?って聞いたら車内に置いておいたらはずれたって言われて心の中で罵倒したことがある。なんでそんな高価なもの使ってて保管の仕方も知らんのか?と。 タイトボンドのにかわは外すのにホットナイフが必要だよね。ちょっと慎重になるけど、あれ使いやすいんだよなー。耐熱温度も少し高いし。 フレットによる音の違いはもう私たちで研究してみる?(笑)
Cheena:うわー、ネックが外れたビオラ嫌ですね…胃が痛くなる… 海外じゃほとんど聞かない話なのに日本だけやたらとにかわ崩壊の話を聞くのがさらに嫌なところです。 フレット素材&形状専門の回は何処かでやりたいですね、ネタ帳行きです(笑) あとは、工具の回でもやってみます?
ネモト:そうだね。工具は大事だから。専門工具の使い方とか流用の仕方とか。
さてはて、えらい長くなっちゃったね。楽しかった! 議題というかネタはまだあるはずだから、またやりましょう!
Cheena:ええ、楽しく書いていたら随分な文章になっていましたね。 次回もお楽しみに!
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