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レコードで聴きたいクリスマスのプレイリスト

2020-12-11

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

クリスマスになると心が温かくなる音楽が聴きたくなりますよね。
昨今では、サブスクリプションの全盛となっていますが、デジタルの音はどうしても冷たくなりがちです。やっぱりクリスマスくらい、音も一手間かけて贅沢に聴きたいと思いませんか?
そこで最適なのがレコードです。
確かに普段かけるのは大変なところもありますが、レコードをかけながらクリスマスのご馳走に舌鼓をうつのはなんともリッチな気分になります。

そういうわけで、今回はレコードで聴きたいクリスマスソングです。
初めに言っておきますが、マライアキャリーとWham!の曲は落選です。CD全盛期の曲なんでCDでいいかなw もしかしたらサブスクリプションでもいいかも。

それでは参ります。

Bing Crosby / White Christmas

これは定番中の定番というか、すべてのクリスマスソングはここから始まります。とりあえずクリスマス時期にはかけずにはいられない一枚です。名曲「White Christmas」を初めに歌って収録したのがこのBing Crosby(ビング・クロスビー)と言われてます。そして、シングル売り上げは全世界で5000万枚と言われギネス記録にもなっています。1942年の発売ですので、少し音源は古いと感じるかもしれません。なんせ第二次世界大戦中の発売ですwマイクで歌を収録する事自体珍しい時代ですし、マルチトラックレコーディングもない時代です。ちなみに、これ以前のシンガーはマイクを使って歌う事がなかったので、クラシックのシンガーのように地声ではなく、精一杯声を張り上げる歌唱法でした。マイクで拡声する事を前提に地声で声を張り上げずに歌ったのは、Bing Crosbyが初めてと言われています。

少し技術的な話をすると、彼のような滑らかで膨よかな中低音のボーカルは、デジタルだと録りきれないなぁ、と思います。多分胴鳴りの帯域はおそらくデジタルでサンプリングする際に一番削ぎ落とされるのではないかと思います。Bing Crosbyやフランク・シナトラはアナログレコード時代でしかあり得ないシンガーだなと思います。Mp3やサブスクリプションだと彼の声の温かさは伝わらないのではないでしょうか。CDでも魅力100%かというと90%くらいです。やっぱりこれはレコードですね。
簡易なターンテーブルなら結構安いですので手に入れてみてもいいかもしれませんね。
このジャケットを飾るだけでクリスマス感が満載になります。こういう楽しみもレコードならではです。

The Singers Unlimited / Christmas

he Singers Unlimitedは主に1970年代に活躍したジャズコーラスグループで、このアルバムと「A Capella」が代表作にあります。このアルバムも全編アカペラです。 このアルバムの魅力は、何と言ってもコーラスの美しさにあります。クリスマスの清浄さ荘厳さ温もりをシンプルで外連味なく表現されています。欧米の教会音楽文化の豊かさが濃縮したようなコーラスの世界に浸る事ができます。日本でも色んなコーラスグループがたまにいますが、これ以上に美しいハーモニーを聞いた事がありません。音符の世界を越えた完全な調和(ハーモニー)があります。クリスマスの定番プレイリストを越えて、コーラスを追求するならばCSN&Yと併せて必聴の一枚です。僕もたまにクリスマス以外の時にも聴きます。
CDでも持っているのですが、やっぱりこの手のジャンルの音はデジタルでは全然ダメでした。周波数の合間を縫うかすかな余韻みたいな繊細なものは、サンプリングの段階で抜け落ちてしまうのが顕著に見えます。MP3とかサブスクリプションでは聞いてないですが、魅力の半分も伝わらないかもしれません。何か完全な調和(ハーモニー)が何か失われてしまっている気がします。
これも是非レコードで聴いて欲しい一枚ですね。
クリスマスの夜を静かに奏でるならこのアルバム。

The Beach Boys 『The Christmas Album』

普段ビーチ・ボーイズって全然効かないんですが、アメリカの西海岸の寒くはなりきらない地域のクリスマスの少し乾いた音がとても気持ちいいです。
なんとなく流しているだけで本当に気持ちいい、クリスマスがやってきたという気持ちになれます。
これもCDやサブスクリプションだと広域が強調されてしまうので心地よさが少し失われてしまいます。
これもやっぱりレコードで聴くべきアルバムですね。

Johnny Mathis 『Merry Christmas』

大好きなシンガーのJohnny Mathisです。やっぱり歌声がいいですね。毎年この時期なるとこのジャケットなんやねん、と突っ込みながら出して聞いちゃいます。この時代の音楽のように空白がある、歌の間に夢が浮いてるような音作り、歌唱は好きですねぇ。最近の音楽はやっぱり詰め込みすぎなんだな、と年末に反面教師として学び、夏頃にはガンガンシンセで音を重ねていたりします。これくらい潔い音楽を作っていきたいと思うばかりです。
マライアキャリーも悪くないですけどねw

以上4枚をクリスマスにレコードで聴きたいアルバムに選びました。個人的にはクカーペンターズのアルバム等も入れたいところですが、普段から聴いているアーティストも多いので外しました。やっぱりクリスマスには、ジャズとか黒人シンガーの曲が聴きたくなったりします。そしてクリスマスソングは全部曲がいい。音楽的にもすごく勉強になります。
よきクリスマスを。Merry Christmas.

読んでくれてありがとう。
僕はこう思う。

■ レコードの入門にオススメのターンテーブル

audio technica ( オーディオテクニカ ) / AT-LP60X ターンテーブル / ダークガンメタリック

入門用としても十二分に使えます。フォノイコライザついてるので赤白の端子をそのまま突っ込めば既存のプレイヤーで聴けます。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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Taiyo Haze

ギタリスト、サウンドエンジニア(ミキサー、MA、PA)、コンポーザー、WEBデザイン(エンジニア)、詩人、ヘルシー志向、珈琲、喫茶店、読書家、野球好き。 人生のあらゆる時点で自分の興味と好奇心、その時環境が要求する知識、スキルに真摯に取り組んできました。 そして、何より幸運だったのがどの学びの時も、その分野の生き字引のようなメンターの元で経験と研鑽を積めたことです。 特に20代の頃は狂気のように深遠な体験と専心から何物にも揺るがぬ感性を身につける事が出来ました。 何にでも興味は持つけれど、同時に飽きっぽくもあります。3年以上続いてるのは、音楽、野球(今はプレーしてないです)、読書(特にSF)、WEBくらいでしょうか? だいたい3年超えると一生やり続ける気がします。
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