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SSL2+ MkⅡレビュー:自宅制作をワンランク引き上げるオーディオインターフェイス

2025-08-19

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」, 音響機材

DTM初心者の方が最初に手にするオーディオインターフェイスとしては、Steinberg社のURシリーズやFocusrite社のScarlettシリーズが定番です。これらは低価格ながら音楽制作に必要な機能を一通り備えており、初めての一台として非常に優れた選択肢といえます。

しかし、制作を重ねるうちに「もっと細部まで正確に録りたい」「ミックス時のモニター解像度を上げたい」と感じる瞬間が訪れることがあります。私自身も初めて購入したURシリーズからステップアップを検討した際、その候補のひとつに挙がったのがSSL2/SSL2+でした。今回は、その後継機種である SSL2/SSL2+ MkⅡ をご紹介します。

SSL2/SSL2+ MkⅡとは?

SSL2/SSL2+ MkⅡは、イギリスの老舗音響機器メーカー「Solid State Logic(SSL)」が手がける、個人制作用オーディオインターフェイスです。
SSLはプロ向けの高品質機材で知られ、世界中のレコーディングスタジオに大型ミキシング・コンソールが導入されています。実際、私たちが日常的に耳にする多くのヒットソングも、SSL製コンソールを通して録音・ミックスされています。そんなSSLサウンドを自宅でも気軽に体験できるのが、このSSL2/SSL2+ MkⅡです。

実際に使って感じたおすすめポイント

1. クリーンで原音忠実な録音品質

実際にギターを録音した際、自分のギターのキャラクターに余計な色付けをせず、モニターしながら録音できました。SSLの良い意味で「音が変わらない」特性は、EQやコンプを後からかけやすく、ミックスの自由度を広げてくれます。以前使っていたUR22では、録音段階でわずかに色付けがあったため、この“素直さ”は大きな利点です。

2. 「4Kスイッチ」の存在感

ギター録音で4KスイッチをONにすると、高域がきらっと前に出て、音の輪郭がはっきりします。クリーンアルペジオやディストーションのリフがより気持ちよく響くため、私はギターレコーディング時にほぼ毎回使用しています。OFFにすれば完全なフラット音質になるので、ジャンルや曲ごとに使い分けが可能です。

3. 高解像度のモニタリング

以前、イベントでSSLの大型コンソール「Origin」のヘッドフォンアウトから音を聴いたことがあるのですが、そのときのサウンドとSSL2+ MkⅡの音は非常に近い印象を受けました。

最大32bit/192kHz対応のAD/DAコンバータを搭載しており、録音はもちろん、ミックスやマスタリング時の再生でも高い解像度を提供してくれます。

4. 付属プラグインの即戦力感

付属のVocalstripは、デモ制作の段階でも歌を一気に完成形へ近づけてくれます。特にプリセットの完成度が高く、私の場合は軽く調整するだけでボーカルがミックス内でしっかり存在感を持つようになりました。

MkⅡでの進化点と使い勝手の向上

私はMkⅡ以前の旧モデル(SSL2)も使用していましたが、MkⅡになって大きく改善された点があります。特にHi-Z入力が前面になったことは個人的に非常に便利です。以前のモデルでは背面接続のため、シールドからマイクケーブルに切り替えるたびに本体を動かす必要がありましたが、MkⅡではその手間がなくなりました。
また、ヘッドフォンアウトも前面に移動し、ケーブルの取り回しや交換がしやすくなりました。録音・再生時のレンジも広がり、解像度が向上した印象です。
さらに、旧モデルのSSL2はヘッドフォンアウトが1系統のみでしたが、MkⅡではSSL2でも2系統を搭載。友人と同じプロジェクトを同時にモニタリングする際にも便利です。

SSL2+MkⅡを制作で使ってみて

SSL2+ MkⅡを導入してから、録音やミックスのクオリティが一段階向上したと実感しています。過去の作品と聴き比べても明らかな違いがあり、録音段階で「すでに使える音」が得られるため、後処理の時間が短縮されました。
操作性も良く、つまみやスイッチがすべて上面に集約され、前面のHi-Z入力やヘッドフォン端子のおかげでケーブルの差し替えがスムーズです。旧モデルではスイッチが弱く不具合やノイズが出やすい印象でしたが、購入から約10か月経った現在も問題なく動作しています。
SSL2+ MkⅡを使用したベースレコーディングの事例をご紹介します。

こちらの楽曲(2:38からベースが入ります)では、Ibanez EHB1505をSSL2+ MkⅡに接続し、DAW上で Plugin Alliance Ampeg SVT VR を用いて音作りを行いました。
5弦ベースの低音域までクリアに入力できるため、サウンドメイクが非常にスムーズで、MIXを担当されたエンジニアの方からも高い評価をいただきました。

まとめ

SSL2/SSL2+ MkⅡは、「自宅でも高品質な音で録音したい」「プロ機材に近い音を扱ってみたい」という方にぴったりのオーディオインターフェイスです。初心者から中級者へのステップアップや、プロ志向の宅録環境構築にも強くおすすめできます。
MkⅡでさらに磨きがかかったSSLサウンドを、ぜひ自宅で体験してみてください。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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航平

千葉県出身。ギタリスト兼ベーシストとしてロックを中心に様々なジャンルを演奏するマルチプレイヤー。またDTMにも精通しており、ドラムプログラミングやBGM制作、カラオケ音源制作なども手掛ける。
Twitter https://twitter.com/ike_kohei
Instagram https://www.instagram.com/ike_kohei_gt/

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