こんにちは、商品部の西田です。
このシリーズも3回目を迎えていますが、徐々にハマってくれる人が増えているといいな、と思いながら筆を走らせています。
今回は趣向を変えて、一人のジャズマンだけでなく、夏らしさを感じる楽曲を特集していきたいと思います。「ジャズ」に「オシャレ」というイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。しかしその実態は熱いパッションのぶつかり合いなんです!その日、その場所、その瞬間にしか生まれない、その一音一音を大切に奏でていくのがジャズという音楽。これを録音して留めておけるようになり、今でも当時の匂いを感じられるようになったことには、本当に感謝すべきですね。
それでは暑い夏にピッタリの名演の数々をご紹介致します。
1、Summertime / George Gershwin
アメリカ音楽の大成者としても知られる偉人、ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)の作曲。Rhapsody in Blueが特 に有名な作曲家ですね。
Summertimeは1935年のオペラ『ポーギーとベス』のために作曲した子守唄。とても情緒的でありながら、ブルージーなサウンド が特徴的です。個人的にはミディアム・スウィングよりも、ミドルテンポのボサノバ調で弾くのが好きなのですが、いかがでしょうか。
ボーカリストであるビリー・ホリデイ(Billie Holiday)のカバーがヒットしたことで、ジャズにおけるスタンダート楽曲となりました。サックス 奏者のジョン・コルトレーン(John Coltrane)がカバーしていることでも有名です。ここではギタリストのジョー・パス(Joe Pass)のカ バーをご紹介します。哀愁ある楽曲にクリーン・ギターが加わり、よりブルースらしくなりますね。
2、Caravan / Duke Ellington
初期スウィング・ジャズを支えた巨人、デューク・エリントン。『Take the 'A' Train』(A列車で行こう)、『It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)』(スイングしなけりゃ意味ないね)、『Satin Doll』(サテン・ドール)など、ジャズをあまり聴いたことがない人でも知っているような、有名楽曲を多く生み出した天才です。 その中でも今回ご紹介するCaravanはエリントン自身だけでなく、非常にたくさんのアーティストにカバーされた楽曲。2014年に公開されたアメリカ映画『セッション』(Whiplash)の劇伴としても使用され、若い方への認知度も上がったかと思います。 「若い方」というのも、あの映画で使われたアレンジは、日本のジャズ流行の立役者としても名高いドラマー、アート・ブレイキー(Art Blakey)バージョンに似ているのです。彼がリーダーを務めたJazz Messengers版『Moanin'』は非常に有名で、聴いたことがある方も多いのではないでしょうか。
3、Wave / Antônio Carlos Jobim
ボサノバって、どこか夏を感じませんか?浜辺で聴くヒーリングミュージックというべきでしょうか。そんなボサノバを生み出したひとり、とも言われる作曲家がアントニオ・カルロス・ジョビンです。彼はほかにも『イパネマの娘』(The Girl From Ipanema)や『おいしい水』(Água de Beber)なども手掛けており、祖国ブラジルには彼の名前を冠した空港まであるそうです! 今回ご紹介するWaveは、1967年に発表された同名のアルバム『Wave』に収録された楽曲。フルートやギターの音で始まり、ゆったりとしたテンポで続けられる旋律は癒されること間違いなし。どこかそよ風を感じるこの曲は、暑い夏を涼しく過ごすための清涼剤とも言えます。
4、Caribe / Michel Camilo
業界屈指の超絶技巧ラテン・ジャズ・ピアニストといえば、ミシェル・カミロの名前が挙がらないことはまずないでしょう。弾いている様子を映像で見ても、早送りのようにしか見えない、といつも思います。それを飛び切りの笑顔で弾きこなす、超絶技巧系のピアニストです。
およそ4:00頃から、目を見張るほどの凄腕テクニックが飛び出します。このON FIREも夏必聴のラテン・ジャズ・ナンバーです!
今回ご紹介するこのCaribeは、スペインとアメリカの合同で制作によるロマンチック・コメディ映画『あなたに逢いたくて』(Two Much)のエンディングにも使われた楽曲。感動的なラストシーンから、突然ミシェル・カミロの熱い演奏が始まるところが、なんともシュール。
9:46にも及ぶソロピアノのイントロを終えたのち、高速で突入するテーマ。ブラスが入ることにより、音楽としても熱を持っていきます。アドリブ・ソロでもトランペットやサックスに負けない、ミシェル・カミロの超絶技巧。ハイテンポで駆け抜けるラテン・ナンバーです。
5、A Night in Tunisia / Dizzy Gillespie
ラストを飾るのは、あえて蒸した暑さを感じるジャズ・ナンバー。1942年に発表されたこの曲は、アフロビートとスウィングを行き来する点が特徴です。トランペット奏者であるディジー・ガレスピーは、アルト・サックス奏者のチャーリー・パーカー(Charlie Parker Jr.)と共にモダン・ジャズの礎、ビバップ・ジャズを大成した人物としても知られています。この楽曲についても、元々はある楽団に所属していたガレスピーが、少人数楽団に向けた楽曲でしたが、後にジャズ・スタンダードとしてよく演奏されるようになりました。
特に有名なのが、前述のチャーリー・パーカーによる名演。不完全なテイクであったために、没になったものの、チャーリー・パーカーのソロプレイがあまりにも素晴らしかったため、一部を抜き出し販売されたもの。『The Famous Alto Break』とタイトルが付けられており、いかにその演奏が優れていたかが窺えます。
また、ガレスピー本人との共演もしており、これもまた絶品です。チャーリー・パーカー(As)、ディジー・ガレスピー(Tp)、バド・パウエル(Pf)、マックス・ローチ(Dr)、チャールズ・ミンガス(Ba) とメンバーもオールスターズと呼ぶべき方々。多くは語りません、ぜひ一度聴いてみてください。
以上5曲紹介してきましたが、お気に入りの一曲は見つかりましたか?今回は、ジャズを聴くときにお勧めなイヤホン・ヘッドホンをご紹介!
CLASSIC PRO ( クラシックプロ ) / CPH3000 IVORY
リスニング用ヘッドホンはなるべく軽く、そしてオシャレな方が良いですよね!CPH3000は重量も165gと軽く、色も5種類ラインナップしており、ワンポイントのオシャレとしても使える優れものです。私は個人的にIvory推しです♪ そして何よりその価格からは想像できない、10Hz~22kHzという周波数特性の広さ。落ち着いてリスニングするにも使いやすい、取り回しの良いヘッドホンです。
AKG ( アーカーゲー ) / K701 開放型ヘッドホン
続いてはAKG、白いボディが爽やかですね。こちらはCPH3000とは違い開放型なので、人混みで使うのはやめましょう(笑) しかし、開放型の最大の利点は、長時間のリスニングでも疲れにくいこと!実際に使ってみると、正直4時間くらいなら余裕でリスニングできます。歪みなく、透明感のある中高域を再現する「バリモーション・テクノロジー」と「TWO-LAYERダイヤフラム」によって、ジャズとの相性も抜群。
ETYMOTIC RESEARCH ( エティモティックリサーチ ) / ER2SE
イヤホンならやっぱりETYMOTIC RESEARCH。抜群の遮音性能と、フランジ・イヤーチップにより、耳にダイレクトに音が届いているような感覚が魅力です。私はEDMなどの低音の処理がものを言う音楽をよく聴くため、低音強化モデルのER2XRを使っていますが、ER2SEではまるでレコードを目の前で再生しているような臨場感を味わえます。当時の録音も、今風なリマスターのように聞きたい方には、もちろんER2XRもお勧めです。
JBL ( ジェービーエル ) / FREE X ブラック 完全ワイヤレスイヤホン
JBL発の独立型完全ワイヤレスイヤホン。Bluetooth対応のため、スマートフォンや近年の再生機器を使用して音の世界に没頭できます。最大24時間の音楽再生が可能な点もストレスフリーで良いポイントです。なんと、右イヤーピースにはマイクを搭載しており、ハンズフリー通話もできる優れもの。IPX5防水機能にも対応し、雨の日や汗をかく場面でも音楽を楽しむことができます。
今年は暑い夏に熱いジャズを聴いて、一緒に盛り上がりましょう!
それでは!