RWRPという言葉は「逆巻き、逆磁極」の略語だった!!
という事で、前回、仕様と説明通りの見事なくっつきっぷりをしてくれたシングルPUの磁石たち。ちょっと一安心…。これで予想通りにくっつかなかったら、大変な事になりますからね!!
さて、磁極に続いては「逆巻き」についても探っていきましょう。前回にも書きましたが、「コイルの巻き付け方が逆」ということです。
そもそもコイルというものですが、導線をぐるぐるとらせん状や渦巻き状に巻いた物です。ほんとに巻いただけ。作ろうと思えば誰だって作れるくらいのものです。導線を巻くだけで全く違う性質を示すコイルというパーツに変化するのだから面白いものですね。
ピックアップでは髪の毛よりも細い導線をピックアップの本体部分(ボビンと言います)に何千回も巻き付けたコイルが使用されています。コイルをほどけば、ほんとに1本の導線だという事がわかります。やりませんけど…。
さて、そのコイルの逆巻きは確かめられるのかと言いますと…できます!!
それも簡単に。コイルの両端の線を目で追うだけです。写真で見てみましょう。

こちらがフロントPU。

こちらがRWRPのセンターPUの拡大写真です。
赤色の矢印で指した線を見て下さい。コイルの終端の導線です。フロントPUはコイルの一番外側に向かっているのに対し、RWRPのセンターPUではコイルの内側に向かって伸びているのが分かります。もう片方の終端はコイルへの入り方が真逆になっているのも見えますね。つまり、フロントとリアで巻き方が逆になっている証拠です。
この細い導線がコイルにどのように入っているかを見比べるだけで巻き方がどちらかが判別できます。こちらもセンターがきちんと逆巻きになっていましたね。
なぜこのようなRWRP仕様のピックアップが作られるのかですが、ずばりノイズ対策です。RWRPのセンターを搭載すると、ハーフトーンでフロント+センターorセンター+リアと二つのピックアップを使う時にハムバッキング効果が得られるようになります。それぞれ単体で鳴らす分には関係ありません。ですので、センターは必ずRWRPでないといけないというわけではありません。あくまで同じ種類やブランドのピックアップを使用する時にノイズ面でのオプションとして捉えるのが良いと思います。
シングルピックアップを手に取る機会があれば、ちょっと見てみると面白いと思いますよ。何気ないところにミステリーが潜んでいます。そういうのを調べてみるのも、音楽活動や練習の息抜きにちょうどいいかもしれませんね。