今回はAspen Pittman Designsの画期的なスピーカー、Spacestation V.3のLEVEL、MIDS、HFQコントロールについてお話します。通常、中域、高域の補正と言うと、ミキサーやギターアンプなどによく見られる3バンド・イコライザーのような効き方を想像される方が多いと思いますが、
Spacestation V.3の場合は、大胆な音作りではなく、
fine-tuning=微調整をするものとなります。
LEVELコントロールは、8インチ・コアキシャルスピーカーの音量調節を行い、周波数帯は、100Hz~5kHzあたりをフォーカスしています。
MIDSは、約1.5k~15kHzの中域をフロントの8インチ・コアキシャルスピーカーで、HFQは、約10k~20kHzの高域をフロントのドライバーで補正するもので、どちらも12時の位置でフラットEQとなります。
※イメージ図
MIDSがコントロールする帯域は、ボーカル、ギター、オルガン、シンセなどの楽器に最も多く含まれている中心的な部分です。HFQがコントロールする帯域は、プレゼンスに近いストリングシンセ、ハイハットシンバル、エレアコなどの煌びやかな部分を補正します。
人間の声や、ハモンド/レズリーオルガン、エレキベースなど高域成分が少ない音源だったり、MIDSを最大まで上げた状態のような場合、HFQの効果はわかりづらくなります。そんな時は、MIDSを抑えめにしてHFQを上げ下げすると、しっかりと効いていることがわかります。
Spacestation V.3に繋ぐ前の段階で高中低域の音作りをしておき、MIDS、HFQを12時のフラットEQとなる位置にした状態の出音を聴き、それぞれ微調整をするという使い方がオススメです。