みなさん、こんにちは!営業の手塚です。今回は、「アコースティックギター用ピックアップ」の中から、ギター本体に穴あけ加工をすることなく簡単に取り付けを行えるピックアップをご案内します。
~サウンドホール取り付けタイプ~
■マグネティック・ピックアップ
エレキギター用ピックアップと同じ原理を使い、弦の振動を磁石とコイルの力により電気信号に変換します。磁石に反応する磁性体であるスチール弦やブロンズ弦などの金属弦を使用することが必須条件になります。クラシックギター弦に用いられるナイロンやフロロカーボン弦など、磁石に反応しない素材の弦には、反応しません。
それでは早速、見ていきましょう!
FISHMAN「NEO-D Humbucking Magnetic Soundhole Pickup」
ネオジム・マグネットを搭載したロー・ゲイン設計、パッシブ・タイプのマグネティック・ピックアップ。シングルコイルのNEO-D Single Coilと比べると、中音域が前によく出るハムバッカー・モデルです。電池を必要としないパッシブ・タイプのため、簡単にサウンドホールへ取り付けを行い、すぐに演奏できます。また、ケーブルの先端部はギターアンプや外部プリアンプへダイレクトに接続できる標準フォン仕様です。
※ピックアップの取り付け方法については下記のブログへ!
アコギ用ピックアップ/ FISHMAN NEO-Dシリーズ取り付け方法
L.R.BAGGS「M1 Passive Soundhole Pickup」
マグネティック・ピックアップでありながら「シャリーン」というアコギらしい自然なサウンドが鳴らせます。特殊な2層構造のコイルは、下側のコイルが自由に動くことにより、ボディ鳴りを効果的に拾えるようにデザインされています。そのため、アコースティックギターらしいサウンドの大切な要素である空気感をしっかりと再現できます。また、パッシブ・タイプのM1 Passiveには、エンドピンジャックとモノラルミニ-標準フォン・ケーブル(M1C1)が付属しているため、お好みに合わせて取り付け方法を選択できます。
ローズウッドの木目調に仕上げられたプラスチック・カバーが目を引くパッシブ・タイプのマグネティック・ピックアップ。ピックアップ両端の内側にあるスポンジ状の衝撃吸収フォームにより、サウンドホールを保護しながらピックアップを固定できます。工具を使用せずにグッと押し込むだけで簡単に取り付けを行えるためとても便利です。トップ面にはスライド・タイプのボリュームがあり、演奏中でも簡単に音量をコントロールできます。また、周波数帯域のバランスが取れたチューニングが施され、歯切れの良い自然なサウンドが特徴です。ケーブルの先端部は上記のピックアップと同じ標準フォン仕様になっています。
■小型マイク
ボディ内部などに高感度のコンデンサーマイクなどを取り付けることにより、実際にマイク録りをしたような空気感を再現できます。
コンデンサーマイクが主流となっていましたが、近年ではMEMS(Micro-Electrical-Mechanical Systems)マイクロフォンと呼ばれる新しい方式のマイクが採用されたピックアップが登場しています。振動、衝撃、温度変化に強いICと呼ばれる半導体チップを使用することにより小型化を実現。身近なところではスマートフォンのマイクなどにも採用されています。
IK MULTIMEDIA「iRig Acoustic Stage」
MEMSマイクロフォンとDSP(デジタル信号処理)機能搭載のプリアンプ・ユニットを組み合わせたピックアップ。デジタル・マイク・システムにより、存在感のある表現力豊かなサウンドを得られます。ピックのような形状をしたマイクの裏側には、4mm厚までのサウンドホールに対応したクリップがあり、取り付けも簡単。また、既存のピエゾ・ピックアップなどの出力をAUX入力端子へ接続し、MIXツマミによりブレンドすることも可能です。
~アンダーサドル取り付けタイプ~
■ピエゾ・ピックアップ
ピエゾ素子または圧電素子と呼ばれるセンサーを使用して、外部からの振動を圧電効果により電圧に変換するピックアップです。マグネティック・ピックアップでは、磁石の力を利用していましたが、ピエゾ・ピックアップでは弦の振動をダイレクトに電気信号に変換できるため、ハウリングに比較的強く、音の立ち上がりが速いという特徴があります。
ナノフレックス・テクノロジーにより、弦の振動だけでなくボディからの振動も同時に拾うことが可能となったピックアップ。この技術により、アンダーサドル・ピックアップとマイクからの出力をブレンドしたかのようなサウンドを得られます。また、このピックアップ自体に信号を増幅する機能があり、信号をロスすることなくボディの鳴りを忠実に再現します。取り付け方法は、ピエゾ素子をサドルの下に設置し、必要最小限の大きさにまとめられた軽量なプリアンプをブリッジに貼り付け。サドルの調整を行う必要はありますが、ギターの穴空け加工をすることなくピエゾ・ピックアップを取り付けできます。音に味付けをすることなく演奏のニュアンスを表現したいギタリストに最適です。
※ピックアップの種類については下記のブログへ!
アコースティックギター用ピックアップの選び方