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【あがり症は治るのか?】ギタリストは知っておきたいカラダのこと

2019-10-26

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

お疲れ様です!
BABY BABYというアコースティックユニットのギタリスト兼、作業療法士のフジオカタクトと申します。
いつも目を通してくださりありがとうございます!

今日は【あがり症は治るのか?】ということで「緊張」をテーマに「緊張した時に生じる体の反応」について考えてみようと思います。

あなたは緊張した時、自分の体の変化に気づいていますか?
もし今まで気にしたことがないのであれば、今回を機にぜひ自分自身の状態に目を向けてみてください!
最後までお付き合いよろしくお願いします!

何かを発表する、初めての人と話をする、人前に出て楽器を演奏するなど、、、「緊張」とは誰もが経験のあることだと思います。
「緊張は場数を踏めばしなくなる」と言う人もいますが果たしてそうでしょうか。

僕は昔から人前に出ることが苦手ですぐに緊張してしまうタイプでした。
ギター演奏に関していうと、過度に緊張すると身体が硬くなるような感じがして、冷静になれず、プレイも荒くなり、練習の時弾けていたフレーズが本番ではミス連発、、、なんてこともありました。自分の体なのに自分の体じゃないような感覚です。
環境によって緊張の度合いも違いますが何度ステージに立っても緊張しなくなるなんてことはありませんでした。

緊張すると心拍数が上がる、頭が真っ白になる、頭痛が生じる、必要以上に力が入ることで声が裏返ったり動きが硬くなったり思ったように体が動かせなくなる、など色々な「症状」があります。そして緊張が原因でミスをしたり恥ずかしい思いをすると、さらに不安や苦手意識が強まり、また次も緊張してしまう、、、という悪循環になってしまいます。

緊張すること自体が悪いことと言いたいのではありません。
ここで言いたいのは、

「緊張が原因で起こるミスによって自分の不安や苦手意識を強めてしまうことが悪い」ということです。

ここでは「悪い緊張」と言いましょう。

ということは、

緊張することでいつもと違う体の使い方をしているから、ミスが増えている。

緊張していてもいつもと同じように体を使うことができればミスは減るのではないか。

またミスが減れば、不安も減り自信につながるのではないか!

不安が減れば、悪い緊張もしなくなるのではないか!!

こう思うようになってから「緊張が生じた際に自分の体がどうなっているか」ということに意識を向けてみるようにしました。

自己分析した結果、僕は緊張している時に以下のような状態になっていました。

・表情が硬くなる
・目が泳ぐ
・両肩の肩甲骨が上がる
・呼吸が浅くなる
・若干猫背になる(骨盤が後傾する)
・太腿の前側に力が入る

(人それぞれ緊張した時に現れる症状は違うと思いますが、)自分の体に意識を向け、個別にみていくとこのような症状が無意識に出ていることに気がつきました。

そこで、ライブ前やライブ中に上述したような症状が出たら「その動きをしないように、その部分に力が入らないように、その動きをやめさせて元の状態に戻すように」体をコントロールするよう意識しました。
なるべく普段と同じ体の状態(緊張していない時の状態)になるように意識したということです。

最初は力加減やコントロールが難しく、特に緊張が強い状態だとそれどころじゃないので、思ったように自分の体に意識を向けることができませんでした。

そこで緊張していない日常生活の時から自分の体の動きや力加減に意識を向け、コントロールすること自体に慣れていくようにしました。
そうしていると少しずつですが、今まで無意識にしていた動作に気付けるようになり、意識的にコントロールすることができて、「あ、今必要以上に肩が上がっているな」とか「猫背のせいで呼吸も浅くなっているな」と気づけるようになっていきました。

自分の体がどう動いているか、不自然な姿勢をとっていないか、必要以上に力が入っていないかが少しずつわかるようになってきたのです。

自分でいらない力が入っているのか入っていないのかわからない!という方は一度握り拳を作って思いっきり握ってみてください。
仮にこの状態を「緊張していて必要以上に力が入っている状態」とします。
ぎゅっと握ると手首まで硬くなり、自由に動かせないと思います。

次に思いっきり握っている手の力をフッと抜いてあげてください。
力を抜いても手は拳を作ったまま維持できますよね。
これが「必要最低限の力で体をコントロールすることができている」状態だと思ってください。この状態なら握り拳のままでも手首を回すことができると思います。
この感覚の違いを掴んでみてください。

このように、「その動作に必要な力だけを使えるようコントロールする」ことができればたとえ緊張状態にあったとしても、いつも通りの体に近い状態でプレイが可能になります。

緊張するとどうしても視野が狭くなって、自分の体のことなんてすっかり忘れてしまいがちです。
【あがり症は治るのか?】ということで緊張と体の反応ついて話してきましたが、あがり症は簡単に治るものではないと思います。今すぐに緊張そのものを取り除いたり、不安をなくすことは難しいです。
しかし緊張が原因で「症状」として体に出ている無駄な力や姿勢に意識を向け気がつければ、その症状自体をコントロールすることはできると思います。
自分の体を自分の意思でコントロールできれば少しは気持ちの余裕も出て、不安も和らぐと思います。

あと、「なぜ自分は緊張しているのか」原因を知ることも大切です。
ミスすることが不安なのか、人にどう思われるかプレッシャーを感じているのか、そもそも練習不足なのか、、、人それぞれ原因はあると思います。
多くはメンタル的な部分かと思いますが、それが明確になると少し自分を客観的に見ることができると思います。

緊張することは嫌なことと捉える方も多いと思いますが、そこから逃げずに向き合ってみると意外と原因は単純なものかもしれません。
僕も人前に立つとまだまだ緊張はしますが、そんなものに負けないで楽しく音楽を続けていきましょう!

それでは!

フジオカタクト

2018年より関西を中心に活動中。 BABY BABYというアコースティックユニットでギターを弾きながら作業療法士というリハビリの仕事をしています。 リハビリで学んだボディマッピングの視点から、ギタリストなら知っていて損はないカラダのことをテーマに執筆していきます。 思ったように体が動かなくてギターが弾けない!という方は必見です! また音楽活動を通じて感じたことや愛する機材についても時々発信していきます。
website https://babybaby1992kobe.wixsite.com/babybaby
twitter https://twitter.com/tak__tyy
twitter https://twitter.com/babybaby1992

 
 
 
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