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魅力たっぷりなエントリーブランド「Squier by Fender」のご紹介

2022-02-28

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

Greetings! 新米ライターのMarkです。

今年2022年はSquierブランド生誕40周年!そんな記念すべき年をお祝いすると共にスクワイア大好きギタリストのひとりとして「2022年現在のスクワイア」をみなさんに解説したいと思います。

■ Squierとは

Squier(スクワイア)はご存知Fenderが展開しているブランドです。

製造コストを抑えた低価格モデルの他、本家フェンダーではなかなか展開できない変わり種の独自モデルや復刻版、本家に迫るクオリティのハイエンドモデルなど幅広いラインナップを抱えています。

数多ある他社のコピーモデルと大きく異なるのは「フェンダー直系のブランドである」という点。

他社が「STモデル」とか「JB-〇〇」といった遠巻きな機種名を使っている一方で、スクワイアは「ストラトキャスター」「テレキャスター」「ジャズベース」「プレシジョンベース」などの公式名を授けられています。

安価なモデルとはいえ、あなたが手にするそれは正真正銘の「ストラトキャスター」であり「テレキャスター」なんです!

たかが名前、されど名前。無視できない大きな魅力だと思います。

■ Squierに対する誤解

スクワイアを買おうか迷っている人の多くが気にしていること…それは「品質」

実際、私が購入相談を受けると「ネットに悪く書かれていた」とか「先輩にやめとけって言われた」といった感じで二の足を踏んでいる人と出会います。

…私の評を述べましょう。

2022年現在のスクワイアは同価格帯の平均クオリティを十分に満たしているだけでなく、モデルによっては超越していることもあります。

スクワイアが誤解される理由のひとつに「歴史の長さ」があります。

歴史が長ければ長いほどその中で多くの変化が起こります。良い時もあれば悪い時もある。単純に生産国だけ見ても中国、インドネシア、日本(!)と復数存在します。

ネットで回答側に回ったり後輩から相談を受ける側というのは大体年長者ですから、その歴史の中の低調な時期にスクワイアに出会っていたり、たまたま不調な個体を買ってしまった経験をずっと引きずっているのかなと思います。私自身「今のスクワイア、ちょっと微妙だな」と思う時期がありました。

だからこそ「2022年現在」と銘打ってスクワイアを紹介すべく筆を取りました。この言葉でみなさんの胸に宿った「ぼんやりした不信」が払えていたら嬉しいです。

■ Squierのラインナップ

スクワイアにはフェンダーと同じくいくつかの「シリーズ」が存在します。

2022年現在のシリーズラインナップを紹介すると…

ハイクラス
・Classic Vibe

ミドルクラス
・Paranormal
・Contemporary

エントリークラス
・Affinity
・Bullet

その他
・Artist
・Mini

となります。以下それぞれをざっくりと解説します。

<Classic Vibe>

スクワイアにおける最上位のシリーズです。古き良き時代を感じさせる仕様にプレイアビリティを向上させる現代的な仕様を盛り込むことで、存在感と使いやすさの両立を実現しています。

グロスネックやアルニコピックアップといったゴージャスなパーツを採用するだけでなく加工品質も優れており、海外の雑誌や楽器系サイトで賞を獲得するなど高い評価を得ています。個人的にはPlaerシリーズ(いわゆるフェンダーメキシコ)に勝るとも劣らぬシリーズかなと思います。

<Paranormal>

パラノーマル(超常的な)という名の通りレアモデルのリイシューやアレンジモデルを揃えるシリーズです。

例えば「PARANORMAL CYCLONE」は「Fender CYCLONE II」をベースにしたモデルです。

特徴的なジャガースイッチを残しつつピックアップをストラトタイプへ変更。元の雰囲気を保ちながらリプレイスメントのハードルを下げた仕様と言えます。

変わり種が欲しい人、なかなか復刻されなかったモデルをリーズナブルに手に入れたい人におすすめのシリーズです。

<Contemporary>

2ハムのストラトやアクティブ2ハム(!)のジャズベースなど即戦力として活躍させやすいコンテンポラリー(現代的)な仕様のシリーズです。

「CONTEMPORARY JAGUAR® HH ST」はストップテールピースとチューン・オー・マチックブリッジ、そしてアトミックハムバッカー(トルネードやサイクロンのpuとして有名)を搭載。加えてネックはローステッドメイプルという聞いただけで使いやすそうなワクワクする仕様。

モダンな使いやすさを求める人におすすめのシリーズですね。

<Affinity>

「親しみ」などの意味を持つアフィニティーシリーズは、オリジナルから大きくアレンジされていないモデルや部分的に簡易化したモデルをラインナップしています。

SSSにシンクロナイズドトレモロを搭載した標準的なストラトキャスターもあれば、ピックアップはそのままでプリッジをシンクロナイズドトレモロにしたジャズマスターもある。オーソドックなギターを好む人におすすめです。

ちなみにこのアフィニティーシリーズはSquierの中でも長い歴史を持つシリーズですが、全体的なクオリティは古い時代よりも向上しています。個人的間隔だと、かつて存在したスタンダードシリーズ(ミドルクラス)と同じくらいですね。

<Bullet>

おそらくフェンダー独自の銃弾型ボールエンドから名前を継いでいると思われるバレット(ブレット)は、スクワイアで最も安価なシリーズです。

各パーツのグレード、加工品質ともに安ギター然としたクオリティ…なのですが!そこはスクワイア。安かろう悪かろうでは済ませません。

「Bullet Strat HT」はブリッジが固定されている(ハードテイル)ので、トレモロ機種よりもチューニングしやすく初心者向きなギターですし「Bronco Bass」はショートスケールという短いスケール(弦長)なので、指を大きく開かなくても弦を押さえられるメリットがあります。

「値段相応なところはあってもいいからなるべく安く、そんでもって使いやすく」という人におすすめ。

<Artist>

いわゆるシグネイチャーモデルをラインナップするシリーズです。国内外問わず多数のアーティストのモデルが発売されています。仕様はそれぞれ大きく異なるため、詳しくは公式サイトにてご確認下さい。

<Mini>

ショートスケールよりもさらに短い578 mmスケールを採用した「ミニギター」のシリーズです。

驚くべきはその演奏性。無闇に小型化するのではなく、ギターとして破綻しないようにデザインされているため、ネックの握りもボディのフィット感もミニギターとは思えないほどの快適さを実現しています。

スケール短縮を578mmに抑えることで、一般的なゲージの弦を使えるようにしているのもニクいポイント。ヘビーゲージ指定のミニギターよりも低いランニングコストで運用できます。

またピックアップやサドルは普通サイズのギターと同じなので、改造・修理が容易という強みも持っています。

■ Squierは魅力たっぷりのブランド

以上、スクワイアの現在と魅力について解説させていただきました。

前述の通り品質に厳しく、さらにブランド志向の強い日本において誤解されることの多いスクワイアではありますが、海外には多数の愛好者が存在します。とにかく買いまくる人もいれば魔改造を施すマニアもいる。

J・マスキス氏のようにライブで多用するプロもいれば、マイク・ラザフォード氏のようにBulletストラトを気に入り改造してまでツアーで使うプロもいます。

日本だとthe pillowsの山中さわお氏が自身のシグネイチャーモデルを長きに亘って使い続けていますし、同じくピロウズの真鍋吉明氏はレコーディング中にギブソンからスクワイアに持ち替えてギターソロを録り直すといったことをされています。

スクワイアはそれくらい魅力的なブランドです。気になった方はぜひゲットしてみてください。


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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Mark

エントリーモデル~ミドルクラスの楽器をこよなく愛するギタリスト。これまでに購入してきた弦楽器は70本以上。ホームユースの機材に明るく、宅録やコピバンのハードルを下げ、趣味として広く普及させるべく活動中。「アマはアマなりに楽しめばいい」「ラフに使う楽器はラフに直す」がモットー。リフレットやネック矯正も自ら行うお座敷リペアマン。海外メーカーとのやり取りを縁にプラグインテスター・ローカライズを任された経験あり。モニター・テスター依頼随時募集中。

 
 
 

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