こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
今回はまたまたギターDIYを行っていきたいと思います。

以前にも紹介させていただいたこのギター。Recording Kingというメーカーのギターなのですが、良い意味でチープな音が魅力的で気に入っておりました。この音を活かして宅録に使おうと思ったところ問題発生。
このギター、塗装がサテン仕上げとなっており、服が触れると「カサカサ」と摩擦音が生じてしまうのです。
普段練習で使っていたときは全然気にならなかったのですが、まさかレコーディングに影響してくるとは…!
服を綿とか柔らかいものに変えろ!とか異音を出さない技術を身につけろ!とか言われそうなんですが、サテンフィニッシュの見た目も変えてみたかったので今回は思い切ってグロスフィニッシュ化してみたいと思います。
もちろん、音色も変わってしまうかと思うのですがその辺りも踏まえて行ってみたいと思 います。
通常、ギターをトップコートするときはラッカーやウレタン塗装でクリアをスプレー等で吹きます。しかし素人が一般家庭でこういった塗装作業を行うには場所やにおいの問題があり、ちょっとハードルが高いですよね。
そこで今回使用するのはこちら。ギターDIYの友、Xotic Oil Gelです。
こちらは本来オイルフィニッシュ用のオイルだと思うのですが、硬化するとかなりカチカチになります。表面をコーティングすることに変わりはないと思うのでこちらを使ってみたいと思います。このオイルは塗料のきつい臭いがないので扱いやすいのも素人には有難いです。
果たしてサテンフィニッシュの上からでもオイルは定着するのか?実験も兼ねてやってみます!
最初の状態がこちら。

あまり厚塗りをしたくないので2回塗りで勝負をつけたいと思います。(これが失敗の原因になりました…。)
またグロスフィニッシュと言いましたが新品ピカピカにするのではなく、元々ビンテージライクなギターなのでヤスリがけを荒めにしてすり傷を残してユーズド感のある仕上げを狙って作業してみます。
オイルジェルを塗布して乾燥→サンディング(600番)という作業を2回繰り返しました。 あえてブリッジはマスキングしませんでした。あえて。

サテンフィニッシュの上からの塗装はややオイルの伸びが悪かったように思います。塗膜を薄くしたい気持ちが先行してかなり塗りムラが生じてしまいました。また薄めに塗布したにも関わらず、サンディングで削りすぎてしまった感があり、ムラの原因になったと思います。失敗!
オイルジェルをもう少し厚塗りして丁寧にサンディングしていけばもう少し綺麗な仕上げができたかな、と思います。
オイルジェルが定着するか?という点は問題なく乾燥して塗膜を作ってくれました。
オイルジェルの本来の使い方をしていないので失敗は覚悟していました。なので塗り直しはせずこのまま仕上げていきます!
仕上げは800-1000-1500番の耐水ペーパーで水研ぎ後、車用コンパウンドで磨きを入れ、最後にポリッシュで仕上げました。(作業中の写真がなくてすみません。)ここではなるべく塗膜を削りすぎないよう注意したのですがエルボー付近の塗装が剥げてしまいました。失敗!

そして完成がこちら!
ビフォーアフターで比べてみてください。

ポリッシュで仕上げたので艶がすごいです。笑

いかがでしょうか。写真では光の反射でわかりにくいですが実際に見ると結構使い込んだギターの雰囲気が出せたと思います。
光沢のおかげで雰囲気が変わって高級感が出たように思います。
今回の最大の目的であった服との摩擦音も解消しました!
また音の変化について。トップに塗膜ができることで全体的に硬めのしまった音になったと思います。元々の音が少しぼやけた感じだったので思ったよりも良い方に塗膜が働いてくれたと思います。
しかしこのギターの持ち味であったチープさが減少してしまったのが残念…!

ピックガードやブリッジ周囲は作業がしにくく、綺麗な仕上がりにはなりませんでしたが、傷や塗装のハゲがユーズドっぽい雰囲気につながったかなと思うのでオーライです!
今回の作業工程は素人考えの実験なので鵜呑みにしないでくださいね…。しかし上手に作業できればオイルジェルでグロスフィニッシュ化できることが分かったので、DIY好きな人の参考になれば幸いです。
それではー!
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