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まるでカタツムリ?この際だから知っておこう「ホルン」

2020-11-27

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

皆さんこんにちは。今回は、吹奏楽やオーケストラでも大活躍の「ホルン」について迫っていきたいと思います。(今回取り上げるのは金管楽器のフレンチホルンです)あまり楽器を知らない人からすると「かたつむりみたいな楽器」といわれることも多い楽器ですが、よく知ってみるととても魅力的な楽器です。ぜひこの機会にたくさん知っていきましょう!

1、ホルンってどうやってできたの?

ホルンの成り立ちは、動物などの角から作られた「角笛」から始まったとされています。主に狩りをするときの連絡手段として使われていました。この時点でのホルンはナチュラルホルンといわれるロータリー機構のない直管の楽器でした。つまりリップスラーのみで音を変えていたのです。馬に乗りながら吹けるように管を大きく巻いて肩に担げるようにしていました。それが今のカタツムリのような形を生み出したのです。さらに、ホルン独特のベルが後ろについている機構は、その時邪魔にならないようにとしてできたのです。その後、唇だけでなくベルに手を突っ込み、音程を変えるという奏法が生み出されました。この奏法は「ゲシュトップ奏法」と呼ばれます。そしてロータリー機構が搭載されます。この機構によって、今まで安定して演奏できなかった部分もしっかりと演奏できるようになりました。

2、現在、フレンチホルンにはどんな種類があるの?

フレンチホルンは「シングルホルン」「ダブルホルン(フルダブルホルン、セミダブルホルン)」「トリプルホルン」などに分類されます。

A. シングルホルン
シングルホルンは、単一調の管のみでできているホルンです。一般的なのはF管ですが、B♭管を好む人も多いようです。F管は最もナチュラルホルンに近い音を出すことができます。音色は良いものの、管が長いためミスを起こしやすいのです。それに対してB♭管は、操作性が良いものの音色が劣ると言われています。

B. ダブルホルン
そんなシングルホルンの両方の利点を組み合わせたのが、ダブルホルンです。現代では主流とされています。一本の楽器で、二種類の調整を切り替えられるのが特徴です。そのダブルの中でも「セミダブル」「フルダブル」の二つに分かれます(ここの違いはかなり説明しずらいので、ぜひ自分で調べてみてください)。親指のレバーで二種類の調性を切り替えます。この二種類の調性の取り合わせは様々なものがあり,F管とB♭管を組み合わせたF/B♭ダブルホルンが主流です。

C. トリプルホルン
そして三つの調性を切り替えることができるのが、トリプルホルンです。こちらは1996年頃に開発された新しい機構です。高音域は吹きやすいが中低音の音色が濁るHigh-F管、そして前記したF管B♭管の三本です。このおかげで、多様なジャンルな音楽に幅広い音域で挑むことができます。しかしトリプルホルンは構造が難しく単純に金属量が多いため、かなりの重量になり演奏に体力を必要とします。さらに楽器自体が高額のこともあり、今のところ広くは普及していません。

3、特殊なホルン ウィンナホルンとは?

フレンチホルンとは違う特殊なホルンが存在しています。その名もウィンナホルン(ウィーナーホルン)です。普通のホルンに搭載されているロータリーとは違い、ウィンナヴァルブと呼ばれるヴァルブを備えています。音色は暗く重く、より自然なホルンに近い構造になっています。パットした見た目からもフレンチホルンとの違いは、一目瞭然です。機構としては、F管シングルホルンになります。非常に演奏に技術がいるということでも有名です。そして、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が原則として使用しています。ぜひウィーンフィルの演奏を聴く際には、ホルンの音にも耳を澄ましてみてください。

オーケストラ楽曲の多くでは、ホルンのパートが4パート存在します(マーラーなど8パート存在するものもあります)。つまり数が多いのです。そこから生み出されるきれいな和音がとても素敵です。それだけでなく、ソロを吹いても心地よく聴き惚れてしまいます。そんな魅力いっぱいのホルンについて、少しでも知ることができましたか? 皆さんのお力になれればうれしいです。それではまたどこかでお会いしましょう!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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緑のふうせん

3歳からピアノをはじめ、中学より学校の吹奏楽団にてトロンボーンを始める。高校生になり、バストロンボーンに転身。その他、打楽器、ユーフォニアムなど様々な楽器を学ぶ。

 
 
 
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