こんにちは!
お疲れ様です。“姿勢がみれるギタリスト”ことフジオカタクトと申します。
みなさんいかがお過ごしでしょうか。
僕は今年に入ってから始めた家庭菜園がうまくいき、大好きなトマトが食べ放題な毎日を送っております。
自給自足を少しだけですが体感できて、自然のありがたみをあらためて学ぶことができました。

さて、今日はみんな大好きカッティングのお話です。
カッティングを語る上で外すことのできない「アベフトシ」氏。
数多くのギター講師の方々も伝家の宝刀「マシンガンカッティング」について解説されていますが、僕は右手(手首)の使い方にフォーカスを当ててみていきたいと思います。かなりマニアックなポイントですが、カッティングが好きな人やアベフトシファンの方はぜひ最後まで読んでみてください。よろしくお願いします!
さて、ストロークやカッティングには「前腕回内・回外」という腕の動きがとっっっっっても大切になってきます。
(回内・回外とは簡単にいうと肘から先の腕がくるくる回る動きのことです。こちらを読み進める前に、僕が以前書かせていただいた【ストローク編】のコラムを読んでいただければ、前腕回内・回外について言及していますのでより理解が深まるかと思います。ぜひ合わせて読んでみてください。)
YouTubeでアベフトシ氏の演奏動画を探して見てみましょう。
アベフトシ氏の演奏動画を検索する
YouTubeではライブ映像が主なのでちょっとわかりにくい部分もありますが、アベ氏のカッティングは「前腕の回内・回外+手関節の橈屈・尺屈」という動きが入っていることが確認できます。
手関節の橈屈・尺屈とは手首を親指側・小指側に曲げる動きを言います。テーブルをふきんで拭くときのような動きのことです。

通常、カッティングでは前腕の回内・回外と肘の動きも併せて行っている方が多いです。
しかしアベ氏はギターを低く構えて弾くので、肘の動きを利用しにくい姿勢となってしまいます。
そこでマシンガンカッティングのようなスピーディなフレーズを弾くためには手首の動きが必要だったということだと考えます。
では、①前腕の動き+肘の動きでカッティングした場合、②前腕の動き+手首の動きでカッティングした場合の2パターンがどう違うのかみていきたいと思います。
①前腕の動き+肘の動きでカッティングした場合


②前腕の動き+手首の動きでカッティングした場合


違いがおわかりいただけますか?
写真では伝わりにくいですが、右手の振り幅が異なると思います。
よくみると、ピッキングがダウンの時はどちらの場合もほぼ同じ位置で止まっていますが、アップの時は「前腕の動き+肘の動きでカッティングした場合」の方がカッティングの際の振り幅が広いです。これは肘のほうが手首よりも動かせる範囲が広いからです。
同じ力加減でカッティングするとしても、ストロークの幅が広く、動きが大きい方がより強いピッキングへと繋がると思います。ですのでカッティングの際、ダウンとアップの音量差が生じてしまう場合はこの辺りの動きを注意してみると良いかもしれませんね。
「前腕の動き+手首の動きでカッティングした場合」の方は振り幅が狭い分、素早い動きが可能です。音数の多いブラッシングやカッティングに有効だと思います。また手首は細かい動きが可能ですので弾きたい弦を狙って鳴らしやすいです。単音カッティングはこちらのフォームの方が向いているかと思います。
ミッシェルガンエレファントの楽曲でいうと「シャンデリア」のリフやギターソロでは1、2弦だけをカッティングするフレーズが多用されています。そうなるととにかくミュートが大変になりますよね。そこでアベ氏のように「前腕の動き+手首の動きでカッティング」することで不要な弦は鳴らさず、キレの良いカッティングができるかと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回のお話は「こっちのフォームの方が良い!」というものではないです。
一番大切なことは「弾きやすいフォームを自分が理解した上で選べている」ということです。
ですので、フレーズや曲に合わせて弾き方もコントロールできるようになるのも良し、逆に「俺は不器用だからこれしかできねえ!」と一つのフォームを鍛えるのも良し。どんな弾き方でもそれが「自分が選んだ弾き方」であれば、そこからオリジナリティや独特の音色が出てくるのではないかと思います!
憧れのギタリストの弾き方もこうして研究してみれば、理にかなったものが多いです。ぜひ自分の好きなギタリストの弾き方も自分なりに分析してみてください!
次回は同じくカッティングといえばこの人、布袋寅泰氏の右手の使い方についても分析してみたいと思います!お楽しみに〜!