お疲れ様です!
BABY BABYというアコースティックユニットのギタリスト兼、作業療法士のフジオカタクトと申します。
いつも目を通してくださりありがとうございます!
いきなりですが、みなさんPLANET WAVES Varigrip PW-VG-01「バリグリップ」という商品をご存知でしょうか
こういったものです。
PLANET WAVES ( プラネットウェイブス ) / PW-VG-01 Vari Grip

ギタリストなら一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
指が思うように動かなかったり、他の指の動きにつられてしまったり、弦を抑える力が足りなかったりする時に練習を補うためのツールということですね。
しかし、ただこのバリグリップをひたすら握っていれば自由自在に指が動くようになるのでしょうか。また押弦を失敗しなくなるのでしょうか。
答えはN Oです!
ただ握っていても握力がアップするだけです。
かといってギター上達に役に立たないわけではありません。
使い方次第では最強のギター練習ツールになります!
ということで今回は作業療法士である僕が自分なりにPLANET WAVES Varigrip PW-VG-01「バリグリップ」の正しい使い方というのを考えてみたいと思います。
それでは最後までよろしくお願いします!
さて、このバリグリップの使い所ですが大きく2つに分けてみました。
② ライブ前のウォーミングアップ
まずは①「指一本一本を動かしている感覚を養う」について。
今回のメインはこっちです。
言い換えると、「バリグリップを使って運指における適切な筋肉の使い方を学ぶ」となります。
これはギター初心者〜中級者の方にオススメしたい使い方です。
ギターは押弦の際、ある程度指をバラバラに動かす必要があります。
コードなどは規則性があるのでパターンさえ指が覚えてしまえばスムーズに押弦できるようになってくるのですが、如何せん最初は苦戦します。
「薬指と小指が一緒に動いてしまう!!!」というのはギター初心者の誰もが経験したことと思います。
だって、今までの生活で指を一本一本別々に動かす機会なんてほとんどないですもんね。
本当は実際にギターで運指やコードの押さえ方を練習するのが一番良い練習法だと思うのですが、なかなか時間が取れなかったり、指先が痛くなって長時間練習できないこともあるかと思います。
そんな時にっ!!!
このバリグリップを使ってみましょう!
まず持ち方です。

このようなオーソドックスな持ち方だと主に前腕の筋肉を使い、指を曲げることになります。前腕の筋肉(手外在筋)は指の第一関節と第二関節を曲げる働きがあります。
握力は上がるかもしれませんが、指1本1本を動かす練習には適していません。
このことを知っているのと知らないのとでは指の動かし方に大きく違いが出てくると思いますので自分の手でも確認してみてください。
ちなみにギターを弾く時、指の第一関節と第二関節を曲げる動きだけでは運指・押弦はできません。
指の付け根、第三関節の動きがあってこそ運指・押弦がスムーズに行えるのです!
指をバラバラに動かしたいのであれば、この第三関節を動かす練習が必要です。
そして今回お伝えするオススメの持ち方はこちらです!


(写真を撮るため片手で持っていますが、不安定になりやすいので反対の手でバリグリップを固定して両手で行ってください。)
写真のように第二関節と第三関節の間の部分にグリップを当てて、第三関節に負荷をかけます。
写真では若干指の位置がずれていますが、ピストンを押し込む際は真っ直ぐ垂直方向を意識してみてください。
手のひらの中についている筋手内在筋は指の第三関節(指の付け根)を曲げる働きがあります。
この第三関節の運動は実際にギターを弾く時の指の動きに近く、手内在筋の収縮を促し、第三関節の動きを安定させる練習になります。
そうすることで、指一本一本を動かしている感覚を養っていくことができるのです!
ここで注意して欲しいのが、力加減です。
バリグリップの突起が一番下に下がるまで押し込んでしまうと力の入れ過ぎです。今回お伝えしている方法は筋トレが目的ではないです。
無理をすると筋疲労を起こすことがありますので注意してください。

グリップ部の先端が隣の先端部の下に来るくらいで十分です。
負荷は一番低負荷で行います。
ここまで下げられなくても無理して力を入れなくていいです。少しずつ慣れていきましょう。
「下まで押し込まなくていいの?!」と思われるかと思いますが、目的はあくまで「指一本一本を動かしている感覚を養う」ことなのでこれで十分です。
実際、押弦に必要な力もこれくらいです。
また回数は特に決めませんが、やり過ぎに注意して疲れてしまう前にやめましょう。バリグリップをやる前と比べて、指が動かしやすいと感じたら十分効果が出ています。
また運動時には関節の位置も意識してください。指の付け根、第三関節は目で見た感じよりも下の位置にあります。曲げるときも実際の関節の位置を意識してやってみてください。

実際に指が曲がるのは画像の水色の部分あたりからです。自分の手でも確認してみてください!
指が他の指につられて動いてしまう、という方は手内在筋の弱さが原因だった可能性が高いです。 またギターを始めてある程度経った中級者の方でも、早い運指が苦手な人は手内在筋がうまく使えていない可能性があります。
ぜひこの握り方で一度練習してみてください!
ではその②「ライブ前のウォーミングアップ」です。
特に本番前にギターが弾けない、音が出せない環境の時に有効です。
持ち方についてはその①でやった方法でもいいですし、オーソドックスな持ち方でも構いません。 手周辺の筋肉を収縮弛緩(伸びたり縮んだり)させることで筋肉や血管が緩みやすくなるので、緊張をほぐすのにも有効だと思います。 僕も本番前に手が冷たいような感覚がしたら、準備運動がてらバリグリップを軽く握ってエンジンをかけています(笑)。
しかし回数をやりすぎたり、思いっきり力を入れた握り方をすると、緊張した筋肉がさらに硬くなり筋肉自体が疲労してしまい、逆に血行が悪くなってしまうこともあり得るので上記したような軽い力で行ってみてくださいね。
この商品の僕が思うイマイチな使い方は「考えなしにガシガシ握ること」だと思います。 それだとただの握力を鍛えるためだけの筋力トレーニングになってしまいます。 単純に握力を上げたい方は勿論それで良いのですが、ギタリストなら握力を上げるよりもどこの筋肉を使っているのかを意識して、正しい手指の使い方で無駄な力を抜く練習をした方が楽に安定してギターが弾けるようになると思います。
初心者の方だけでなく、使い方次第ではギタリスト全員にオススメできる商品なので気になった方は手に入れてみてください! それでは〜!