突然ですが、皆さんは「ニッケルハルパ」という楽器をご存じでしょうか?

サウンドハウスでは、スウェーデンの弦メーカーPrim(プリム)の代理店開始に伴い、ニッケルハルパ弦の取り扱いをスタートしました。
しかし、そもそもニッケルハルパってどんな楽器…?
正直なところ、私も今回弦を取り扱うことになるまで、詳しく知る機会がありませんでした。せっかく取り扱うなら、まずは楽器について知っておきたい!ということで、今回はニッケルハルパの歴史や仕組み、弦について調べてみました。
ニッケルハルパとは?
ニッケルハルパ(Nyckelharpa)は、スウェーデンに古くから伝わる、弓で演奏する弦楽器です。
写真を見てまず気になったのが、ネック部分にずらっと並んだ木製のキー。
「弦楽器なのに鍵盤?」と思い調べてみると、このキーがニッケルハルパの大きな特徴でした。
バイオリンのように指で直接弦を押さえるのではなく、左手でキーを押すことで「タンジェント」と呼ばれる部分が弦に触れ、音程が変わる仕組み。右手では弓を使って演奏します。
ちなみに「nyckel」はスウェーデン語で「鍵(キー)」という意味で、「harpa」はハープなどの弦楽器を指す言葉とのこと。名前にも楽器の特徴が表れているんですね!
どのくらい昔からある楽器?
続いて、ニッケルハルパの歴史についても調べてみました。
古いものでは、スウェーデン・ゴットランド島にある教会に、1350年頃のものとされるニッケルハルパのような形をした楽器を演奏する人物のレリーフが残っているそうです。
その後、楽器の形や仕組みも変化しながら演奏の伝統が受け継がれ、現在広く演奏されているクロマチック・ニッケルハルパへと発展していったようです。
さらに2023年には、ニッケルハルパの演奏や製作の文化を継承するネットワークの活動が、ユネスコの無形文化遺産保護に関する優良事例にも選ばれています。
日本ではなかなか目にする機会のない楽器ですが、600年以上も前までさかのぼるとは驚きです!
弦の本数を数えてみると…
続いて、今回の本題でもある弦について!
Primの商品を見ていると、A1、C2、G3、C4と4本の演奏弦がラインナップされています。
「4弦の楽器なのかな?」と思って写真をよく見てみると………どう見ても弦が多い!
調べてみると、現在一般的なクロマチック・ニッケルハルパでは、4本の演奏弦のほかに12本ほどの「共鳴弦」が張られているものが多いそうです。
つまり、合わせて16本ほどの弦が張られていることになります。
実際に弓で演奏するのは主に4本。その下に張られた共鳴弦は、演奏した音に反応して自然に振動します。
直接弾いていない弦まで一緒に響き、それがニッケルハルパならではの豊かな音色につながっているんですね!

Nyckelharpa, CC BY 3.0 (Wikipediaより引用)
※ニッケルハルパにはさまざまな種類があり、弦の本数や構造が異なるものもあります。
実際どんな音?
仕組みが分かってくると、今度は実際にどんな音がするのか気になります。
文章で説明するより、これは聴いてみるのが一番!ということで、演奏動画をご紹介します。
■ 2001ステンマ ティエルプポルスカン / @nyckelharpajapan
弓で弾く弦楽器らしい音色に共鳴弦の響きが加わった、広がりのある独特なサウンド。
動画を見ると、右手で弓を動かしながら左手ではたくさんのキーを操作していて、ニッケルハルパならではの演奏方法もよく分かります。
実は無印良品で聴いたことがあるかも?
いろいろ調べている中で、個人的に「へ~!」と思ったのがこちら。
実はニッケルハルパ、無印良品のBGMにも使われているそう…!
無印良品の店内BGMとして制作された「BGM8 STOCKHOLM」にはスウェーデンの伝統音楽が収録されており、ニッケルハルパ奏者のOlov Johansson(ウーロフ・ヨハンソン)もレコーディングに参加しています。
私も無印良品に行くと、店内BGMをなんとなく口ずさんでいることがある(?)ので、「もしかしたら聴いたことがあったのかも?」と思うと、一気に身近に感じました。
「ニッケルハルパ」という名前は初めて聞いた方でも、知らないうちにその音色を耳にしたことがあるかもしれません!
スウェーデンの伝統楽器と聞くと少し遠い存在に感じますが、こうした身近なところとのつながりを知ると、親近感が湧きますね。
ニッケルハルパの調弦は?
せっかく弦を取り扱うので、調弦についても調べてみました。
一般的なクロマチック・ニッケルハルパでは、4本の演奏弦を低い方から
C - G - C - A
に調弦する方法が代表的なもののひとつです。
これでPrimの商品に「A1」「C2」「G3」「C4」とある理由も分かってきました。
さらに共鳴弦もそれぞれ調弦するとのこと。演奏弦だけでなく、たくさんの共鳴弦もあるニッケルハルパ。調弦もなかなか奥が深そうです…!
※楽器や奏者によって異なる調弦が使われることもあります。
Primのニッケルハルパ弦
ここまでいろいろと調べたところで、今回ニッケルハルパについて知るきっかけとなったPrimの弦に戻ります。
Primは、ニッケルハルパと同じくスウェーデン生まれの弦メーカー。バイオリン、ビオラ、チェロ用などの弦に加え、自国の伝統楽器であるニッケルハルパ専用弦も製造しています。
ニッケルハルパ弦の製造を始めたのは1980年代。スウェーデンのニッケルハルパ製作者と協力し、専用弦の開発をスタートしました。
今回ニッケルハルパについて調べてみて、Primが長年専用弦を作り続けている背景にも、スウェーデンの伝統楽器とのつながりを感じます。
Prim ( プリム ) / ニッケルハルパ弦 セット ミディアム
Primでは、一般的なクロマチック・ニッケルハルパで使用する4本の演奏弦をラインナップしています。
4本セットのほか、各弦のバラ弦や、Mediumゲージのほかにも、Soft、Orchestra(Hard)ゲージの異なるゲージもラインナップ。
Prim ( プリム ) / ニッケルハルパ弦 A1 0,50 unwound
また、A線には巻弦だけでなくプレーン弦もあります。
今回調べてみて、ニッケルハルパにも楽器や奏者の好みに合わせた弦選びがあることを知りました。このあたりはバイオリンなど、ほかの弦楽器と同じような面白さがありますね!
調べてみたら、かなり面白い楽器でした!
今回はPrimの弦を取り扱うことをきっかけに、ニッケルハルパについて一から調べてみました。
キーを使って音程を変える独特な仕組みや、たくさんの共鳴弦など、調べてみると知らなかったことがたくさんありました。無印良品のBGMなど、意外と身近なところにもつながりがあり、少し親しみも感じます。
まだまだ奥が深そうなニッケルハルパ。今回調べたことで興味も湧き、私もいつか実際の演奏を生で聴いてみたいと思いました!
この記事で初めてニッケルハルパを知った方にも、少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
そして、すでにニッケルハルパを演奏されている方には、「サウンドハウスでもニッケルハルパ弦を取り扱っているんだ!」と知っていただけたら嬉しいです。








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