

素晴らしい音楽を残したミュージシャンは素晴らしい言葉を残しています。そのお題を素敵に解釈。日々の生活に無理やりでも役立ててしまおうというコーナーです。
さて、今日のお題は?
- 人名
- マイルス・ディヴィス
- 名言
- 同じフィールズでも、分野(fields)でなく
感覚(feels)を変えなきゃだめだ。

この名言は、ジャズ界でも定評のある評論家レス・トンプキンスとのインタビューにおけるマイルスの言葉。
レスは、このインタビューで気難しいマイルスを打ち解けさせ本音を引き出したと言われています。
前後の会話では、具体的にミュージシャンの名前が出ています。
例えば、デイブ・ホランドやスタン・ゲッツ。
彼らの演奏スタイルについてフィールズ(分野)を確立したとレス・トンプキンスが評すると、マイルスはこう反論したと言います。

続けてボクシングに例え、
「重心を変える必要性がある。足を踏ん張った姿勢では何もかも出来ないものだ。
上体から何回もパンチを繰り出していると、下に降ろしたくなる。それなら腰から打たないとだめだ。
プレイヤーもそういうことをしないといけない。」
感覚的な表現だが、一つの居場所で胡坐をかかず、それでいて重心を変えながらあらゆるアプローチを目指せということなのだろう。

臨機応変に立ち振る舞うためにも、ひとつの場所に胡坐をかいていたのでは、進歩がないという力強い言葉。
フィーリングを重視しながらも、重心は自在に!ジャズ・シーンだけではなく、ボクシング、さらには普段の生活に至るまで適応できる言葉ではないでしょうか。
これが進化のための極意か!マイルス自身もこのインタビューを受けた69年以降、快進撃を続けます。
『IN A SILENT WAY』『BITCHES BREW』という傑作群を産み出し、70年代に向け躍進していきます。
これらの原動力になったのも自らの名言だったのかもしれません。

あっぱれ!座布団一枚!