
今回はCTS社のポットを元に、前回と同様、シャフト部と取り付け軸を図の様に分けて考えていきます。
まずは一般的な3種類について、取り付け軸の高さ(図B部)を探っていきましょう。

■ショートタイプ
一番スタンダードな高さのポットとなり、高さは約9mmです。一般的に最も多く用いられる高さのポットで、特にフラットトップのギターには多く採用されているスペックです。CTSの製品ですと、説明にVINTAGEやLONGなどの高さの表記が無いものはおおよそこちらの仕様です。

■ロングタイプ
トップ材が厚いギターに使用され、高さは約18.5mmとなります。現行GIBSON USAの通常ラインなどに使用されている場合が多く、OEMで生産されているGIBSON製のポットに最も近いスペックです。ビンテージやヒスコレには、コントロールキャビティ内のトップ材が薄く設計されている個体が多く、ショートタイプの製品にて使用が可能です。

■VINTAGEタイプ
ポット本体底面がくぼんでいることから「へそ付き」とも呼ばれます。高さは、約6mmほどで、主にFENDER系の製品に純正採用されているスペックとなり、ピックガードやコントロールプレートなどの薄い物へ搭載するとちょうど良い高さになる仕様です。
次はシャフト部(図A部)の違いです。通常ギターやベースに使用するものでは一般的にスプリットとソリッドの2種類があります。

■スプリットシャフト
真ん中で半分に分かれており、ギザギザ(ローレット加工)加工されている物のことを指します。径の大きさはミリ規格とインチ規格共に約6mmですが、ギザギザの具合に違いがありますのでご注意ください。詳しくは、前回の「POTのホットなラボ / 第3回 インチ、ミリ規格について」をご参照ください。
スプリットシャフト対応のノブは、上から押しこんで取り付ける仕様のノブになることがほとんどです。ノブをお選びの際は、インチ/ミリどちらのギザギザに対応したノブなのかを確認の上お選びください。まれにインチ/ミリ共用仕様のノブもありますが、一度どちらかの規格に合わせてしまうと、一方の規格のギザギザには対応しなくなってしまうので注意が必要です。

■ソリッドシャフト
スプリットシャフトとは異なり、ギザギザが無いツルツルの棒状になっているのがソリッドシャフトです。こちらにもインチ、ミリの違いがありますので注意が必要です。一般的にインチ規格は径が約6.35mm、ミリ規格は径が約6mmとなっています。ノブの交換の際は、横ネジ式のノブから、インチ/ミリどちらの規格に対応しているのかをご確認の上、お選びください。
前回の「POTのホットなラボ / 第3回 インチ、ミリ規格について」も踏まえ、ポットの交換の際は、ギターやベース本体にどのような搭載の仕方をするのか、どんなノブを取り付けるかを合わせて確認することで、必要なポットがきっと見つかります。
POTのホットなラボ
・第1回「Aカーブ」「Bカーブ」
・第2回 ポットの抵抗値について
・第3回 インチ、ミリ規格について
・第4回 シャフトの種類について
・番外編 コンデンサー(キャパシター)とは??