お手頃なものからハイエンドなものまで、多種多様なモデルに搭載されているbartoliniピックアップ。リプレイスメント用の取り扱いが多くあるものの、マイルドで粘りけのあるサウンドが独創的で、世界的にも熱烈なファンが多いブランドだと思います。今回はそんなbartolini ベースピックアップの内部構造について、いくつかご紹介します。プレシジョンタイプは一旦省いて、ジャズやソープバータイプを参考にして挙げていきます。
● シングルコイル

ごく一般的なタイプです。ジャズベースタイプはネックとブリッジの極性が逆なので、ミックス時にノイズキャンセルを生みます。bartoliniはバータイプ(ブレードタイプ)マグネットが多く、この場合1本のマグネットに対して導線をぐるぐる巻いて1つのボビンが出来上がります。バーマグネットのシングルコイルは、PU選びのとき弦間ピッチを細かく気にしなくて済むので良いです。
● デュアルコイル

例えば図のものだと、2本のバーマグネットをそれぞれぐるぐる巻いて、2つのボビンをカバーに閉じ込めています。シングルコイルとの大きな違いは、2つのボビンが互いに逆磁極のため、ネック/ブリッジ単体で音を拾ったときもノイズキャンセルしてくれるところです。
● クアッドコイル ネック側/ブリッジ側で逆磁極

通常のハムバッカーだとデュアルコイルが一般的なのですが こちらはさらに分割されたクアッドコイル。ネック側とブリッジ側で互いに逆磁極になっています。デュアルコイルハムバッカーと似ていますが 同磁極の2つのボビンを使用することによりワイドレンジな傾向にあります。
● クアッドコイル ネック側/ブリッジ側 それぞれ低&高音弦側で逆磁極

頭がこんがらがってきます。言葉にするのが難しいのですが、4つのコイルが対角線で同磁極です。パラレル配線で多種多様な音作りが可能、シリーズでもノイズキャンセル&高出力を実現します。
これらクアッドコイルはMMタイプ用でも適用されています。
● スプリットコイル

一見ハムバッカー、実は内部でスプリットコイルのタイプです。クアッドより省スペース化しつつ、ノイズレス&可能な限り広い範囲の弦振動を拾うべく作られたものです。プレシジョンベースの様に、コントロールはシンプルですが高出力です。
● シングルコイル 斜め配置

スプリットコイルと似ていますが シングルコイルで単に斜め配置になった構造で、よりシンプルな仕組みです。ネックとブリッジでミックスをすればノイズキャンセルの効果が得られます。
● b-axis

こちらもデュアルコイル構造になっています。 当シリーズのマグネットはbartoliniでは珍しくアルニコ5で、他と比べるとビンテージな雰囲気です。斜めに配置されたマグネットは、弦振動を細部まで捉えることができます。デュアルコイルなのでしっかりノイズキャンセルしてくれます。
一見すると単にシングルコイルでも実はクアッドコイルだったり、その逆だったりします。ちなみに、内部構造がわかりづらいbartolini独自のカバーは、コイルをエポキシでカプセル化したもの。PUに触れたときに発生するノイズを排除できるよう、完全シールドされています。
ノイズレスを追及した構造と、主にセラミックマグネットを用いることによって安定したサウンドをもたらすbartoliniピックアップ。
サイズも豊富なため柔軟性も高く、多種多様なベースに選ばれる理由はそのような点にあるのではないでしょうか。