ギター用ピックアップの定番メーカーといえば?
誰もがすぐに思いつくであろうブランドは、SEYMOUR DUNCANやDIMARZIO、EMGあたりでしょうか。ピックアップは、実際にギターに搭載してみるまで好みのサウンドかどうかわからない、ややギャンブルめいた要素のあるパーツだと言えます。そのため、先述したような老舗・定番のブランドに人気が集まりがち。そんな中、近年ギタリストからの注目を集めているブランドがBare Knuckle Pickupsです。
Bare Knuckle PickupsはIced Earthに所属していた経歴をもつギタリストTim Millsらによって2003年に立ち上げられたピックアップブランド。そのピックアップはTimのギタリストとしての経験を盛り込んでデザインされ、イギリスにてハンドメイドで作られています。Bare Knuckle Pickupsは、比較的若いブランドながらギタリストの間で評判を呼び、現在ではいくつものシグネチャーモデルを製作したり、様々なメーカーでBare Knuckleのピックアップを搭載したギターが作られたりしています。
このたび、そんなBare Knuckle Pickupsをサウンドハウスが取り扱い開始!
多種多様な商品群のうち、サウンドハウスでお買い求めいただけるモデルたちを紹介します!
■Aftermath
ハイスピードリフを刻むようなモダンメタルにマッチするピックアップ。ブリッジピックアップはセラミックマグネットを採用し、ボトムエンドのレスポンスに優れます。パンチのあるミッドと適度なコンプレッション感をもち、リフはもちろんリードにも適性のある万能ピックアップです。ネックピックアップにはアルニコ5マグネットを採用。太くパワフルでありながらクリーンなサウンドを特徴とします。激しく歪ませれば歌うようなトーンとサステインが得られるピックアップです。
日本ではex-Far East Dizain、BABYMETALサポートなどで知られるギタリストLedaのシグネチャーギターに搭載されていることでも知られるモデルです。
■Warpig
もともとは、ダークな歪みサウンドが得られる、エクストリーム・メタルに徹するピックアップとして設計されたモデル。同社のほかのメタル向けピックアップと比べても頭一つ飛び出た高い直流抵抗値を持ちながら、スムースなハイエンドを特徴としています。そのサウンドから、当初の設計コンセプトとは裏腹に様々なジャンルのギタリストに好まれており、英国「Total Guitar」誌は「高出力でありながらクリーンでスウィート。オールラウンダーなピックアップだ」と評しています。
ブリッジピックアップのマグネットをセラミックとアルニコ5から選択可能なモデルですが、サウンドハウスではデフォルトのアルニコ5仕様を取り扱っています。テクニカル・デスメタルバンドNILEのギタリストBrian Kingslandも愛用しているモデル。
■Ragnarok
Bare Knuckle Pickupsの名をメタルシーンに広めるきっかけとなったのはPeripheryのギタリストMisha Mansoorだと言っても過言ではないでしょう。Mishaのシグネチャーモデルである「The Juggernaut」はプログレッシブ・メタルやジェントといったジャンルのギタリストに好んで用いられました。
そのMisha Mansoorと、Peripheryのベーシストでありサウンドプロデュースを担っていたAdam “Nolly” Getgood、そしてBare Knuckleがコラボレーションして作り上げたのがこのRagnarokです。The Juggernautが持っていたレスポンスの良さを継承しながら、よりアグレッシブかつタイトにブラッシュアップされ、プログレッシブ・メタルに最適なモデルに仕上がっています。
■The Juggernaut
現代Prog Metal / Djentを代表するバンド「Periphery」のギタリストMisha Mansoorのシグネチャーピックアップ。Periphery楽曲で聞けるようなタイトなアタックを持ちながら、ダイナミクス豊かなギターサウンドを出力できるモデルです。
ブリッジはアルニコ5とセラミックという2種類のマグネットを組み合わせたユニークな構造が特徴。タイトでありながら中域は分厚く、高域はリッチなサウンドが得られます。ネックにはアルニコ5を使用。滑らかなリードからダイナミクスをつけたクリーンまで幅広く対応できるピックアップです。
■Polymath
元Peripheryのベーシストであり、現在はギタリスト/プロデューサーとして活躍する「トーンハンター」Adam "Nolly" Getgoodのシグネチャーピックアップ。AdamはPolymathモデルを「耳障りなスクープされたトーン、またはブーミーなトーンの解毒剤」と表現します。中域とハーモニクスの豊かなブリッジピックアップと、クリアかつウッディーなネックピックアップの組み合わせはさまざまなジャンルを内包したモダンメタルに最適なサウンドを出力します。
コイルスプリットしたサウンドも優れたトーンを持ち、Adamは「P90とホットなテレの中間」と表現します。
■Painkiller
その名前からJudas Priestの楽曲を思い起こしてしまいますが、Bare Knuckleいわく高出力な「Djent Humbucker」とのこと。そのサウンドは非常に高解像度かつ分離が良いものでありながら、Hi-Midにピークがあり、「Djent」とは言うものの極端にモダンなキャラクターにはなっていないように感じます。
名前こそTRUE METALな感じですが、メーカーのアナウンス通りプログレッシブ・メタルやジェント、加えて近年流行しているMath Rockなどにもおすすめしたいピックアップです。
Painkiller / 6弦用モデル
■Nailbomb
オールドスクールなトーンと、モダン・ロックトーンの相乗効果を謳ったピックアップ。ブルース・ロックからスラッシュ・メタルまで幅広いジャンルに対応します。ブリッジピックアップはアルニコマグネットを採用し、ウォームな高音域と歌うような中音域が特徴。ネックピックアップはウッディーかつブライトなキャラクターを特徴とします。歪ませてもタイトでアタックに富んだサウンドを出力できるピックアップです。
Warpig同様、このモデルもブリッジピックアップのマグネットを選ぶことができ、サウンドハウスではデフォルトのアルニコ5マグネット仕様を取り扱っています。
■The Mule
ビンテージGibsonギターに搭載されていたオリジナルピックアップ 通称「PAF」。多くのピックアップブランドがこのPAFをモデルにした製品を手掛けていますが、Bare Knuckle Pickupsでも例に漏れずラインナップしています!
ブリッジ/ネック共に、ギターピックアップ用としてはややマイナーなアルニコ4マグネットを採用。59年製のPAFをベースとしつつ、よりバランスの取れたトーンが特徴です。ローゲインでも豊かな倍音が得られ、歪ませてもクリアなサウンドを保つことができるため、様々なジャンルのギタリストにおすすめしたいアイテムです。
The Mule / 6弦用モデル
■Stormy Monday
スムースかつ分離の良いサウンドを持つ57~58年製PAFを再現したモデル。ビンテージ同様の42 AWG プレーン・エナメルワイヤーを用いハンドワウンドで製作されています。ウォームな低域と甘い高域を持ちつつ、サウンドはクリアーでプレイへの追随性に優れます。
Bare KnuckleによるPAF再現モデルにはThe Muleも存在しますが、よりソフトかつパーカッシブなトーンを求めるギタリストにはStormy Mondayをおすすめします。
Stormy Monday / 6弦用モデル
■Cobra
純粋なシングルコイルのサウンドをノイズレスに得ることができるモデル。セラミックマグネットとスチール・バーポールピースを採用し、ハムバッカーに匹敵する直流抵抗値をもつのが特徴。ストラトでハイゲインサウンドを弾きこなしたいなら、最適な選択肢のひとつと言えます。ダイナミックレンジが広く、プレイヤーの演奏やボリュームコントロールに追従する、表現力に優れたピックアップでもあります。
3基セットでの使用はもちろん、ハムバッカーと組み合わせての使用も相性抜群。3シングルのストラトにはもちろん、SSHやHSH配列のギターへの搭載もおすすめです。
Cobra / 6弦用モデル
■Nantucket
Bare KnuckleはハムバッカーサイズのP90も多数ラインナップしています。ハムバッカーを搭載しているギターで、P90特有の音抜けと太さを併せ持つサウンドが出したい!というギタリストはぜひBare Knuckleをご検討ください!
Nantucketは初期のLP JrやLP Specialに搭載されていたP90ピックアップのサウンドを継承するモデル。タイトな低域と、研ぎ澄まされた中高音域をもち、わずかに歪ませた真空管アンプと組み合わせると唯一無二のサウンドを出力します。ギタリストのタッチへの追随性にも優れるモデルです。
Nantucket / 7弦モデル
■SuperMassive
クラシックなP90ピックアップのサウンドにモダンなエッジを加え、出力を増強したモデルがSuperMassiveです。太く生々しいトーンと、エフェクター乗りの良さを併せ持つ現代のギタリストに最適なピックアップと言えます。高い出力と解像度の高いトーンは歪みとの相性にも優れ、軽いクランチからビッグなファズトーンまでソリッドかつパンチのあるサウンドを提供します。
低音はシャープで、中高音域は幅広い周波数に対応するシングルコイルらしいサウンドが魅力のピックアップです。
SuperMassive / 6弦モデル
以上がサウンドハウスにて取り扱いを始めるBare Knuckle Pickupsの商品たちでした!
ちなみに筆者はPolymathとNailbombが特に気になっています。
ピックアップはギターのサウンドを決定するのに大きな影響を与えるパーツ。個性豊かなBare Knuckle Pickupsへ換装してサウンドをブラッシュアップしてみては?!
※ Bare Knuckle Pickupsは様々なカスタマイズに対応しているメーカーですが、サウンドハウスではリクエストにお答え致しかねる場合もございます。また、極少人数によるハンドメイドで製作されるため、お取り寄せの場合 通常3~4か月お時間をいただきます。予めご了承ください。