みなさんiZotopeというプラグインのメーカーをご存知でしょうか?
2021年、現代の映画制作におけるオーディオリペアの業界標準ツールとしてRXシリーズが認められ、アカデミー科学技術賞を受賞した圧倒的な技術力を誇るブランドです。
そんなiZotopeが、実はバリバリのクリエイター向けプラグイン・インストゥルメントをリリースしていることは余り知られていないかもしれません。
今回はそんなiZotope製インストゥルメントの中で、ダンスミュージック系のトラックメイカーには特に重宝するであろうBreakTweaker EXPANDEDをご紹介したいと思います!

iZotope ( アイゾトープ ) / BreakTweaker 簡易パッケージ
BreakTweaker EXPANDEDはひとことで表すと、強力なエディット機能を持つビートに特化したサンプラー/シーケンサー。ドラムサンプルに加えて、刺激的なシンセベース系ワンショットサンプルも用意され、内蔵シーケンサーと組み合わせることでエッジの効いたビートセクションを直感的かつスムーズに生み出す事ができます。機能がすごいとはいえ、気になるのは収録されたドラムの音色クオリティー。コアとなるライブラリーに加えて、BreakTweaker EXPANDEDはその名が示すように業界トップクラスのサウンドデザイナーが手掛けた4つの拡張音源を含んでいます。
拡張音源
- Vintage Machines
- Cinematic Textures
- Kicks & Snares by Beatport Sounds
- Modern Grooves
全体としてクラブ系ビートを意識して作られたドラムサンプルは、アタック強めで芯のある音色が多く、ニュアンスもよく作り込まれていて、なんとなく叩いているだけでインスピレーションを刺激してくれます。
スネアは軽くて適度に余韻のあるサウンドもあり、ビートの隙間に少し入れてみたり、他のサンプルと同時に鳴らしてアクセントにと色々活躍してくれそうです。
かっこいいシーケンスのプリセットも豊富に収録されているため、もちろんそのまま再生するだけでもOKです。
音の傾向はぜひこちらの動画をご覧ください!
メーカー紹介動画
ベーシックなドラム以外にも、Cinematic Textures Expansionでは映画のバックグラウンドなどで活躍してくれるような雰囲気たっぷりなSE音色やシーケンスを収録。リズミックでエレクトロな要素の強いものが多く、メインのビートに忍ばせることで質感をアップさせたり、楽曲の世界観を広げるなどにも役立つことでしょう。
そんな高水準なライブラリーだけでも満足できるクオリティーですが、本製品の魅力はなんと言っても直感的にかっこいいビートを生み出せるシーケンサー&エディット機能!
メイン画面

左の赤枠部分へそれぞれキック/スネア/ハット/SEなど6つの音色を読み込みます。
横軸に伸びるトラック上のグリッドへ、どこで鳴らすかシーケンスを打ち込みます。
そしてお待ちかね、ここからがBREAKTWEAKERの本領発揮となる強力な機能MicroEdit についてです!

黄枠のシーケンス部分をダブルクリックすると、赤枠部分へ1音単位でどのように再生するかエディットできる「MicroEdit」が表示されます!
この画面では、下記サンプルのようにシンプルに単発で鳴るように設定をされています。

赤枠TYPEのところをPitchに設定してみます!
なんと下記のサンプルのようにピッチが変化するスネアロールに切り替わります!

そしてTYPEをTimeにするとスタッターが掛かったサウンドへ早変わりします!
もちろんリズムの刻み方など、下のパラメーターで設定もできます!

GATE部では、音の切れ具合やリリース、広がり方を調整できます!

適当に触っていてもかっこいい感じになりますが、その極めつけ的な機能が「RANDOMIZE」!
ボタンを押すだけで、ランダムにサンプルデータを刻んで、グリッチ的なサウンドを生み出してくれるという代物。
ワンクリックで下記のようにリズミックなパターンや、元サンプルの原型を留めないシンセSE的なサウンドへと変化を与えてくれます!
他にもディストーション/フィルター/LFOなどのエフェクトも備えています。
クオリティーの高いサンプルやエディット機能に加えて、プリセットとして豊富なシーケンスパターンも元から収録されており、それを少しエディットするだけでもかっこいいビートセクションを組み上げることができるBREAKTWEAKER。
トラックメイクの中核としてはもちろん、展開作り用の飛び道具としても強力なプラグイン・インストゥルメントです。ぜひチェックしてみてください!