近年ではT1 2nd Generationなどテスラドライバーを搭載したリスニング用ヘッドホンも、だいぶ日本でも定着してきたbeyerdynamicのヘッドホン。
ですが、世界的には日本のソニーと並ぶ定番のモニターヘッドホン・ブランドであったりもします。かの有名なアビーロード・スタジオが採用していたり、海外アーティストのPVを見ていると、結構beyerdynamicのヘッドホンが登場したりするものです。
beyerdynamic のモニターヘッドホンというと、日本ではDT770PROやDT990PROあたりが標準ですが、今回はbeyerdynamicの中でも、より業務用寄りのヘッドホンDT250にスポットをあててみたいと思います。
beyerdynamic / DT250 80Ω 密閉型モニターヘッドホン
ぱっと見、beyerdynamicの中では、日本の定番SONY MDR-CD900STに形が近いということで、MDR-CD900STと比較してDT250を検証してみました。

見た感じのサイズは、DT250のほうがやや大きめ。カラーは、ほぼブラック。

まずMDR-CD900STと大きく違う点としては、DT250はケーブルが着脱できます。
beyerdynamic独自の接続部になっているので、リケーブルなどは難しいですが、断線してもケーブル交換で対応できるのはいいことです。

付属しているケーブルは、変換アダプター付きのカールケーブルなので、持ち運びにも便利だったりします。

イヤーパッドは、MDR-CD900STよりもだいぶ厚め。布製なので、肌触りはなかなか良いです。側圧は、MDR-CD900STよりもきつめですが、その分遮音性には優れているように感じます。側圧が強いとはいっても、普段からメガネをかけているわたしでも、フレームが気になったり、耳が痛くなったりはしません。装着感がなかなか良いです。

そしてヘッドバンド。DT250のパッド部分は着脱ができるため、劣化しても交換が可能。
Beyerdynamicヘッドホンの特徴なのですが、MDR-CD900STと同じように、基本、ほぼすべてのパーツが用意されているので、「ヘッドパッドが擦れてきたので交換したい」「スライダーが壊れた」みたいなことがあってもパーツ交換ができてしまいます。 そんなところも海外でbeyerdynamicのヘッドホンが好まれる理由の1つかもしれません。
壊れたから買い替えではなく、パーツ交換して1つのヘッドホンを長く使用することができます。
それでは音質面についてですが、
今回、比較のために視聴したのは、最近ニューアルバム「The Slow Rush 」をリリースしたTame Impala。あいかわらずかっこいい。同じフレーズのリピートが多いにもかかわらず、微妙に変化していって、聴き続けるとどんどん癖になってきます。
DT250で早速聴いてみると、密閉感が強いためかMDR-CD900STよりもやや低域よりの印象。音の解像度はとてもしっかりしているため、フランジャーのきいたうねるシンセと、ビリビリ振動するくらいの重低音もしっかりと分離しています。中高域はやや角が取れた印象の音質で、耳に刺さるような感覚もなく、ボーカル・ケヴィンの声もすっきりときれいに聴こえました。長時間モニターしても聴き疲れしにくそうですね。MDR-CD900STのほうは中高域がややカリカリしていて、ハイハットのタッチやパーカッションの音が、近くで聴こえてくるように感じました。
音の定位もMDR-CD900STよりは、気持ち広がりがあるように感じます。粗さがしというよりも、音のバランスをとるには良い感じではないでしょうか。
ぜひみなさんも自分の耳で、自分の愛用ヘッドホンと聴き比べてみてはいかがでしょうか。