
Greetings! サウンドハウスライターのMarkです。
今日は自作ケーブル用プラグのお話。
みなさんはエレキギター・エレキベース用のシールドケーブルを自作する際、どこのプラグを使ってますか?
私はというと…特定のメーカーに絞らず色々なものを使ってます。
ノイトリック、スイッチクラフト、カナレ、アンフェノール、リアン、オヤイデ、G&H、プロヴィデンス、クラシックプロ…
それぞれ異なる仕様・特徴を持っているので使用シーンに合わせて選んでいるのですが、最近特に気に入っているプラグがありまして。みなさんにも試していただきたいのでご紹介します。

それがこちら。トモカ電気株式会社の「PRO AUDITIONシリーズ」です。
「見たことあるけどスルーしてるなあ」というそこのあなた!そう、あなた!
こいつはスルーしちゃいけない傑作ですよ!
TOMOCA PRO AUDITION
トモカは日本の老舗電材メーカー。音響用プラグだけでもかなりの数をラインナップしています。
そのひとつがPRO AUDITIONシリーズ。トモカ自慢の Made in Japan 製品です。
最たる特徴はTIP(先端)の形状。

PRO AUDITIONフォーンプラグには株式会社エーイーティーと共同開発した「UHS」という独自形状が採用されています。
トモカ電気オリジナルブランド PRO AUDITION シリ-ズ
— TOMOCA PROSHOP@ラジ館2F (@tomoca_proshop) September 2, 2023
6.3φ標準モノラルフォーンが、
UHSプラグ(先端形状)を採用し、スプリング径、デザインを改良して新登場!!
トモカ電気プロショップで販売開始いたしました。 pic.twitter.com/v0kMt4vvAY
サウンドハウススタッフの記事でも触れられていますが、プラグ・ジャックには「JIS」「EIA」といった複数の規格が存在し、それぞれ微妙に寸法が異なります。
パッと見では微々たる違いでも、嵌合のきつさ、接触の安定度、抜けにくさには大きな違いが生まれます。
信頼できるシステムを構築するためにはメーカーのネームバリューだけでプラグを選ばず、自分の機材の仕様を確認してから採用プラグを決定する必要がある、ということですね。
ここで活きるのがPRO AUDITIONのUHS形状。
あくまで私がテストした範囲ですが、PRO AUDITIONはJIS規格の国産ジャック(マル信無線電機など)もEIA規格の海外製ジャック(スイッチクラフトなど)もしっかり噛み合います。

スリーブの直径が太めな点も見逃せません。PRO AUDITIONの直径はジャック側内径に対しギリギリの寸法になってるんです。
挿す機材によっては「機材側に負担かかってないかな…?」と思うこともありますが、それらの要素は抜けにくさと接触の安定度に好影響を与えます。
年単位で同じ機材に挿し続けていますが、特にどこか悪くなることもなかったので「これオイル注さないと無理じゃない?」みたいな相性の悪さでなければ過度に心配する必要はないでしょう。
このピッタリ具合がほんとに良くて…ギター/ボード間のような「抜けてほしくないライン」を任せるのに最適ですよ。
この良さに気づいて以降、スタジオ用のシールドは全部PRO AUDITIONプラグに交換したくらい気に入っているポイントです。ジャンクションボックスの出入口に繋ぐパッチケーブルもPRO AUDITION。
太めのケーブルにも対応するボディ
PRO AUDITIONはボディの部分もよくできています。

つや消し処理された表面、最低限ながら掴みやすい凹凸、滞りなく締まるネジ。これほんとに300円くらいのプラグなの?ってレベル。
ケーブルが通る穴の直径は実測9mm。スプリング内径は7mm(AS-100Cを計測)

ケーブルを掴む板金の厚さは実測0.5mmなので…スプリングを外せばモガミ3368のような太いケーブル(直径8mm)でもギリギリ収まる!
Fender Deluxe Series Instrument Cableを望む寸法ジャストに切った時も切断側プラグにはPRO AUDITIONを使用しました。

FENDER ( フェンダー ) / Deluxe Series Instrument Cable Tweed S/S 3m
実測直径8mmの布被膜ケーブルですが問題なく通りましたね。

幅広い直径への対応力、取り回しのよい内部レイアウト、はんだ乗り良好なラグ、しっかりした絶縁用チューブ、ダルさのないスプリング。
PRO AUDITIONプラグは品質と汎用性の両方を高いレベルで実現しています。
試す価値のある逸品
以上、トモカPRO AUDITIONシリーズのご紹介でした。お世辞抜きで一度試してみる価値があるプラグです。
前述の通り抜けてほしくないところに使うとその性能を万全に発揮できるのでギター/ボード間だけでなくジャンクションボックスの出入り口でも使ってます。L字型プラグやソルダーレスプラグと比べるとかさばってしまうのがツライですが安心には代えられません。
在庫がある時にまとめ買いするのがおすすめですよ!
コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
投稿についての詳細はこちら