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現役バンドマンが語る ~青春のリグレット機材~

2021-07-06

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

傷彦 & ホーリー 傷彦 & ホーリー

このコラムも70回近くやってきたから、色んなことを語り尽くしちゃったねえ。今回のテーマどうしようか?

以前ツイッターで呟いたんですけど、手放して後悔した機材とかはどうでしょう?

ぬ、ほろ苦い…!しかし機材道を歩む者には必ず訪れるものだからね。出会いと別れ。

ですね。傷彦さんはどうですか?

手放した機材で忘れられぬモノ、か。それは恋に似て…。

はい?

それは恋に…?

ちょっと何言ってるか分かりません。

ウッ!えーとね、初めて買ったギターっていうのは初恋の人みたいなものじゃないか?

はあ…分かるような分からないような(笑)

僕にとってはそれはBurnyのH-105ってモデルでね。詳しくは以前のコラムを読んでくれたまえ。
前回のリンク →『現役バンドマンが語る、バンドを組んでライブをしよう ~楽器を買ってみよう~』

言ってましたね。

独特なシェイプの黒いボディー、パール風のプラスチックパーツ、ピックアップを交換したのでクリアでパワフル、かつセミホローゆえの温かみのあるサウンド!シャープな握り心地のネック!

絶賛ですね…じゃあなんで手放したんですか?

うん、何でだろう…。そして誰に譲ったんだろう…

え?それすらも覚えてないんですか?

うん。辛い想い出だから無意識に記憶しないようにしたのかもしれない。

…ノーコメントで。

いや、多分音楽の嗜好が変わって来たからだと思う。高校生の時は愛用してたけど、大学生の頃は違うギターを使ってたもんな。

なるほど。都会に染まってしまった、ってやつですね。

ん?まるで僕が薄情みたいじゃないか!?

そ、そうは言ってませんが…

とにかく!バーニーのエレキギターは手放したけど忘れられぬ思い出の逸品!

はい。初恋の人みたいって仰ってましたが、傷彦さんの初恋の人はどんな人でした?

ん?えっとね…

ちょ、ちょっと待った!冗談ですよ?本気で答えなくていいです(笑)

ふふふ(笑)大学以降は色々とギター入手しては手放して、を繰り返してたなあ。

多感な時期ですしね。

うん、多感だったというのもあるけど、僕が中古楽器屋さんでアルバイトしてたのが大きな理由だね。

そんなアルバイトしてたんですね。

うん。僕の担当は、買い取った中古のギターを分解してパーツをひとつひとつ磨いてまた取り付けて、弦を張る!

おぉ。当時は自分で弦交換出来たんですね。(今はほとんどバンドメンバーのテッドが張り替えてくれる)

一人で出来るもん!なんなら、イチナナで弦交換配信もやってるよ?

弦交換が立派なイベントとしてなりたっている…傷彦さんならでは、ですね。なるほど、中古楽器をいちはやくチェックしてキープ出来る立場だったんですね。

そ、そーなんです。なので分解しながら「これ、欲しいなあ…」なんて誘惑も…。

でしょうねえ…

中古エフェクターの誘惑もね!

そりゃ酷だ(笑)

そんなアルバイトしつつ、ギター遍歴としては、フェンダージャパンのジャズマスター、フェンダージャパンのエスクワイア、グレッチのアニバーサリー、Navigatorのストラトタイプなどなど使用してきたね。SGも一瞬持ってた気がする。

わりと多いですね…自分が出会った頃にはスペクトラムのイメージしかありませんでしたけど。意外ですねぇ。
(写真・傷彦所有スペクトラム)

ザ・キャプテンズを始めてテスコ ・スペクトラム5 を入手するまでは色々とさまよったね。その中ではNavigatorのストラトタイプが想い出深いなあ、ちょっと独特でね。

独特?

左きき用のギターでさ。

左利き用?レフティ使ってたんですか?

うん。それをナット交換、ボリュームノブ、トーンノブの位置交換してもらって、PUセレクターも移動したかな。右ききでも弾けるようにカスタムしてもらって使ってた。

手がこんでますね。確かにレフティを敢えて右で使ってる人はいて、中にはそのまま使う人もいますけど、傷彦さんはちゃんと右利き用にカスタムしてたんですね。

うん!音も良くってさ!すごく重い個体だったけど。

それも手放した、と。

うん。エスクワイヤーとかもさ、当時周りで誰も持ってなかったから嬉しくて使ってたんだけど。

手放した、と。

う、うん…なんか悲しくなってきた…

責めてはいませんよ…

機材道は険しく、寂しい道だなあ…。

振り返っちゃ駄目です!

振り返る企画でしょ(笑)機材道は、まっすぐな道でさみしい、、、。

種田山頭火か!あ。種田山頭火は山口県の出身なのでちょっと嬉しいです(笑)まあ、若さゆえ、ということもありますし。

あ、そーだ!ベースもデモ録音用に一本持ってたなあ。

お、何ですか?

ワッシュバーンのキップ・ウィンガーシグネチャーモデル。

キップ・ウィンガー!そりゃまたシブいところを。

たしかアクティブサーキット搭載で、音良かったなあ…。

90年代かな?ワッシュバーン結構色々と出してましたね。それは良さげだなぁ。

その後、ビザールに走るから、その前までに弾いてたモノがより良かったような印象になるんだなあ…くらべるのもよしあしだなあ…きづを。

相田みつをか!(笑)エフェクターとかはどうですか?手放したけど時々思い出す、とか。

うーん、RATの大きい筐体のヤツ、ずっと愛用してた。LEDついてなくて、オンオフが分かりづらいんだけど、あのザラ付いた歪み方、最高だったなあ。

ああ、名機ですし現行品とは音色も違うんでしょうねえ。

うん!機材ってさ、急に廃盤になったり仕様変更があったりするよね。

そうですね。気づいた時には手遅れなんてことも。

諸行無常、か…。

今日は妙に文学的だなあ…

そんな諸行無常、百鬼夜行の機材界を楽しんでいこうねえ、ぼくら。

ですね、せっかくですから。

そう、すべては?

愛ゆえに!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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傷彦 & ホーリー

一風変わったギター・ベース・エフェクターを愛する二人の現役バンドマンの対談形式でお送りしていきます。

傷彦(kizuhiko) 最後のグループサウンズ、ザ・キャプテンズのリーダー。
website www.thecaptains.jp
twitter https://twitter.com/captains_kizu

ホーリー(horry) ナショヲナル、らいむらいと、Sバのベーシスト。
website www.nacional.jp
twitter https://twitter.com/headless_bass

 
 
 
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