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これって腱鞘炎?肘が痛くなる原因と対処法【ギタリストは知っておきたいカラダのこと】

2021-03-24

テーマ:音楽ライターのコラム「sound&person」

こんにちは!
“ギタリスト専門整体師”のフジオカタクトと申します。
今日もご覧いただきありがとうございます!

今日は先日、僕の公式ラインにお悩み相談がありましたので、それについてお答えした内容を記事にさせていただきます。
こうして相談していただけることがとてもありがたく幸せなことだと思っております。ありがとうございます!

(フジオカタクト公式ライン)

さて、相談してくださった内容を一言でまとめるとこうです。
「ギターを弾くと肘周囲の筋肉が痛くなる」

これまでも時々、記事の中で腕の痛みについては触れてきました。
今回は“肘の痛み”にフォーカスを当て、掘り下げていきます。右肘が痛くなる場合、左肘が痛くなる場合、それぞれの原因と対処法について考察していきたいと思います。
よろしくお願いします!

なぜ痛みが出るのか

痛み自体が出現する原因として過用、つまり使い過ぎが挙げられます。
例えばペンで字を書き続けると手や腕が痛くなりますよね。それと同じでギターを弾くと指や腕の筋肉を使うため疲労が生じてきます。
その疲労が蓄積してくると痛みへと変わります。また指や腕の筋肉の場合、腱と呼ばれる、いわゆるスジみたいなのがあります。これが筋肉が収縮するたびに周りの組織や筋などと擦れて、繰り返し負荷がかかると腱鞘炎が起こります。
腱鞘炎になってしまうと安静第一となりますのでギターを弾くどころではなくなってしまいます。

しかし腱鞘炎を起こしてしまうほどの負荷というのはかなりのものだと思われます。先日、ギター界の巨匠スティーヴ・ヴァイが指を痛めて、ばね指(指の腱鞘炎)を発症し手術されたことがネットニュースになっていました。(彼は指の腱鞘炎ですが、)ここから考えられることは「彼のように難しい運指や演奏を繰り返し続けない限りギターで腱鞘炎にはならないのでは?」というのが僕の見解です。

実際、連絡をくださった方もギターを弾く以外に痛みは出ないとのことでした。腱鞘炎になると日常生活にも少なからず影響が出るはずです。

となると、なぜギターを弾くと痛みが出るのでしょうか?その理由は腱鞘炎ではなく、体の使い方にあると考えます。
1つはギター演奏に必要のない力が入りすぎていること。もう1つは体の構造上負担のかかる姿勢やギターを構える角度をとってしまっていること。これらが繰り返し続くことで痛みの大きな原因になると考えます。

ギター演奏における肘の痛みとは
相談内容に話を戻して、ここからはなぜ肘周囲に痛みが出るのかを考えていきましょう。
人間の構造上、肘付近には手を動かす筋肉がたくさんついています。
肘の上側、上腕骨には「上腕外側上顆」という部位があり、短橈側手根伸筋、長橈側手根伸筋、総指伸筋などの手首や指を伸ばす筋肉がついています。これらの筋肉が痛みの原因になることが多いです。青くしている筋肉が手や指を伸ばす筋肉です。

しかし考えてみてください。ギターを弾くときに手首をそらせたり、指をピンっと伸ばすことがあるでしょうか?ないですよね。むしろ手首や指は曲げることの方が多いかと思います。
ではなぜ手首や指を伸ばす筋肉に負荷がかかるのでしょうか?

これは関節の角度が関係しています。例えば、手首を90度曲げた状態では手の甲側についている筋肉は引き伸ばされ、伸長された状態になります。その状態での手指を酷使すると筋肉や腱に大きな負担がかかるため、痛みを引き起こしやすいのだと考えられます。
(過去のコラムでもフィンガリングと痛みについて触れていますので、ぜひこちらも読んでみてください。
関連記事「【フィンガリング編~痛みについて~】ギタリストは知っておきたいカラダのこと」

また指を動かす筋肉には腕から指まで繋がっている外在筋と、手のひらの中についている内在筋というものがあります。これらの筋肉は役割が異なるため、外在筋に頼った動作が多いと痛みが出やすいです。ギター演奏においてどの動きが外在筋メインなのか、内在筋メインなのかを知っておくと本当の意味での脱力が可能になります。これはまた別で詳しく解説してみたいと思います。

では肘周囲の痛みの原因と考えられる、手首や指を伸ばす筋肉がギター演奏で負担がかかりそうな場面を考えてみましょう。

右手に関して、

  • ストロークの時に力みすぎている
  • ピックを持つ力が強すぎる
  • 手首のストロークに依存している
  • ギターを構える位置が体から離れており、腕に負担がかかっている

などなど…

左手に関して、

  • 押弦が力みすぎている
  • 手首の角度が曲がりすぎている
  • ネック裏の親指の位置が中心から外へずれている

などなど…

人によって原因は違うかと思いますが、僕が経験してきた腕の痛みの原因をザックリ分析するとこんな感じになります。

対処法
まずは演奏時の姿勢やギターの構え方を見直すことが根本の解決に繋がると思います。どれだけマッサージやストレッチを行っても、根本の原因である弾き方が変わっていないと負荷は変わらず手や腕にかかってしまいます。
負担の少ない角度や指の動かし方を研究してみましょう!

かなり長くなってしまいましたがここまでお付き合いくださった方には感謝です。
続編としてまた自分でできるストレッチやセルフマッサージを記事にできたらと考えています。そちらもぜひお願いします!

そして、もし痛みといった演奏のお悩みがありましたら、僕の公式ライン(https://lin.ee/6AGJ9JX)からご連絡頂ければわかる範囲でお答えさせていただきます!そちらもよろしくお願いします( ^ω^ )
それではまたー!


コラム「sound&person」は、皆様からの投稿によって成り立っています。
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フジオカタクト

2018年より関西を中心に活動中。 BABY BABYというアコースティックユニットでギターを弾きながら作業療法士というリハビリの仕事をしています。 リハビリで学んだボディマッピングの視点から、ギタリストなら知っていて損はないカラダのことをテーマに執筆していきます。 思ったように体が動かなくてギターが弾けない!という方は必見です! また音楽活動を通じて感じたことや愛する機材についても時々発信していきます。
website https://babybaby1992kobe.wixsite.com/babybaby
twitter https://twitter.com/tak__tyy
twitter https://twitter.com/babybaby1992

 
 
 
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