こんにちは!
BABY BABYというアコースティックユニットのギタリスト兼、作業療法士のフジオカタクトと申します。
いつも目を通してくださりありがとうございます!
今回はフィンガリング編第3弾としまして、ギターを弾いていて生じる痛みや故障について考えてみたいと思います
皆さんはギターを弾いていて手や腕、肩などの筋肉が痛くなってしまったことはありますか?
大抵の痛みは休憩を挟めばとれるかと思いますが、痛みの原因がわかっていなければ再び同じ痛みがやってきて、最終的には腱鞘炎といった故障を負ってしまうことになります。
今回はフィンガリングで生じる左手の痛みにフォーカスしてみます。
どういうプレーで痛みが生じるか
「同じフレーズを何回も練習していたら指が痛くなった」
「思いっきり指を開いていたら痛くなった」といった経験はギタリストなら一度はあるのではないでしょうか。
早弾きのストレッチフレーズやクローズドボイジングのコードフォームなどは難易度が高く押さえることに必死になってしまい、しかも難しいので何回も何回も繰り返して練習することになります。
この「必死に」「何回も何回も繰り返して練習する」というところに原因が隠れていると思います。
なぜ痛みが生じるか
「必死に」「何回も何回も繰り返して練習する」
この言葉の背景には、
・必要以上に力が入ってしまっている
・同じ手の形(姿勢)のままで力を入れている状態が長い
・指や手の効率の良い使い方ができていない
などといった痛みの原因となる要素が隠れていると思います。
痛みが出るということは、一生懸命になるがあまり、なぜうまく弾けないのか?ということばかりに目が行き、痛みの原因を自ら作り出していることに気付けないということだと思います。

例えばこの写真のようなコード押さえるときはグーッと指を広げたまま、押さえにくいポジションなので自然と力んでしまいがちです。
この際、指や手首は一定の姿勢で止まっていることになりますが、力は入り続けています。
このとき起こっている筋肉の収縮のことを「等尺性収縮」と言います。
筋肉は伸び縮みして長さが変わることで力を発揮しますが、等尺性収縮とは静的な活動(アイソメトリックな筋収縮)と言われ、関節の動きがない(筋肉の長さは変わらないが力は入っている状態)で、動かない壁をグーッと力一杯押している時のような感じです。
この等尺性収縮は関節の動きがないので血液の流れが止まってしまいやすく、筋肉自体に負担がかかってしまいます。
このような状態が長く続くと筋や腱に影響が出てきます。筋肉に力が入ったまま繰り返しカラダを動かしていると筋や腱に負担がかかり、痛みや故障に繋がるということです。
また早弾きのストレッチフレーズで痛みが出る原因は指の使い方にあると思います。(僕は早弾きできませんが、、、)

写真では分かりにくいですが、指先を曲げる方向に力が入っています。押さえるのがやっとな感じで、写真を撮った時も指の筋肉が痛かったです。

指先の力を抜き、指を根元から動かしていくと比較的筋肉への負担は少なく、効率よく指を動かすことができます。
また手の構造上、親指の位置は中指の対角線上あたりにあると安定したポジションを取ることができるかと思います。
上記したのはあくまで構造的なことを考慮した例ですので、人によってやりにくく感じることもあるかもしれません。
ただコードを押さえる場合も単音弾きの場合も、指先を曲げて弦をフレットに押し付けるのではなく、指を伸ばす力を利用し指の根元から動かすことで指を広げていても楽に押弦できるかと思います。
痛み、怪我の予防について
もちろん柔軟性を保つために筋のストレッチなども大切ですが、闇雲に繰り返すだけの練習をするのではなく、そのフレーズやコードを押さえるために必要な手の動きを分析して、その動きを練習することがもっとも効果的で大切なことだと思います。
確かに回数を重ねれば弾けなかったフレーズやコードは弾けるようになるかもしれません。
ただ人間は慣れてしまう生き物なので、たとえそれが痛みを引き起こす動きであったとしても繰り返していく中で体が覚えてしまいます。
怪我や故障を予防するには、その練習した動きが自分の体にとって効率の良いものか、悪いものか判断していかなければならないと思います。
ギターを練習していて手が痛くなってきたら、休憩を挟んで、どうやったら手が痛くならないかを自分のカラダと向き合って考えてみてください。
きっと自分に合ったカラダの使い方があるはずです。
それでは!