私はアクティブが大好きです。数本所有しているベースのうちパッシブなのは「不器用を楽しむ」と決めた1本のみ。とりあえず載せておけが基本の人間です。
なのでそこそこの数のプリアンプに触れてきました。今回はその中から良かったものをセレクトします。
*紹介するものより多くのプリアンプに触れてきましたが、市販されてる全てのプリアンプを使ったわけではありません。また、私の感性でレビューしたものである、組み込むベースによって印象が異なることもままある(ピックアップも作ってるメーカーならピックアップごと変えると印象が変わることもままあります。使ったのはジャズベ)、ベースを使ってレビューしたのでギターに適用したらどうなるかは未知数。以上をご理解ください…。
やっていきましょう。
まずはバルトリーニTCT
BARTOLINI / TCT
マーカス・ミラーの'77JBに載ってたことで有名なプリアンプですね。
私はサンダーバードに載せていました。
全体的な印象は角の取れたバルトリーニ音です。でもドンシャリ。角が取れつつもドンシャリ。ドンシャリなプリアンプは沢山ありますが、これは派手に鳴るわけではなくなかなか扱いやすいです。バリエーションモデルとしてNTCT、XTCTがあります。ミドルの周波数が異なっていますのでお好みで。
ドンシャリ傾向のTCTに対してミッド寄りのNTMB。こっちも大好きです。こちらの方が典型的なバルトリーニ音と思う方が多いのかな?私は常にトレブルを少しブーストして使います。
バルトリーニ共通の特徴であるイコライザーの効き方をちらっと語ります。
フルテンにしてもギリギリで踏み止まり、せいぜい軽く割れる程度で済む印象です。たとえばトレブルとベースをフルブースト、ミドルフルカットみたいな極端なイコライジングをスタート地点に設定して、そこからちょこちょこ調整できたりするので扱いやすいです。
言い換えるとイコライザーを利用してブリっとした音を作ることは不得意です。あと、ミッドフリケンシースイッチを載せるとすごく便利ですよ。
PUとプリをバルトリーニでまとめたサーキットはロスコーやMTDなどハイエンドベースにも採用されており、ポテンシャルは高いですよ。 なおバルトリーニはプリアンプやピックアップのカスタムオーダーも受け付けており(個人は無理です)NS3TMBのように市販されてないプリアンプもあります。しかも音はすこぶるよろしい…。バルトリーニでまとめたけどハイエンドの音しないじゃん!みたいなことを言われても市販されてるものとは違うからどうしようもないので悪しからず。
次にアギュラーOBP-3
AGUILAR / OBP-3
これも非常に人気がある定番プリアンプですね。
バルトリーニの丸い音と異なります。ハイミッドにピークがあり、倍音が抑えられておらずシャキッとした音。バルトリーニは丸くて嫌だと思う方におススメ。これを元にストンプボックスにしたものがトーンハンマー、トーンハンマーにパワーアンプを付けてベースアンプにした(公式の説明)ものもあります。アギュラーが自信を持って勧めるプリアンプだと言い切れるでしょう。載せる前にとりあえずストンプボックスver.のトーンハンマーを試した方がいいのかなと思います。内蔵とは音が違うのですが、プリアンプを買って載せるのはそれなりにお金がかかる上に失敗してもなかなか売却できないので…。
ストンプボックスなら簡単に売れます。人気があるので売値も良い。
OPB-1は良い意味で特徴のないフラットなトーンです。ベース本来の音を邪魔せず、またEQの効きが大変よくバッキバキの音はもちろんモコモコしたも出せます。ただ前述のバルトリーニと違ってフルテンだと耳に刺さるやかましい音になりがちです。この辺に思想の違いが出ているような気がしますね。
次、セイモアダンカンSTC-3
SEYMOUR DUNCAN / STC-3
私の中でダンカンは「伝統的なメーカー、PUのコピーではなく、プラスアルファ」というイメージです。リスペクトしつつもオリジナリティを入れてくる。リプレイスメントPUとして長い間支持されている理由はここにあると思います。まあビンテージPUのコピーもありますけど…。
前置きはこんなもんで。このプリアンプはフェンダー特化だと感じました(本当にそういう設計なのかはわかりません)
私が考えるパッシブフェンダーのらしい音とは「わずかにこもったような暗い響きが含まれており、それゆえに前に出過ぎない音」だと思っています。
このプリはそれをきれいに払拭したように感じました。つまりフェンダーを理解しているということで、リプレイスメントPUで有名なダンカンらしいプリという印象を受けました。なのでフェンダー使いの方でゴリゴリのアクティブ音を出したい方にはおススメします。パッシブはもちろんアクティブフェンダーに載せてもいいんじゃないかなぁ。
アクティブPU用とパッシブPU用がありますのでご注意を。
最後はプロビデンスVZ-B1
PROVIDENCE / VZ-B1
「パッシブの音のままアクティブ化させる」がコンセプトです。一応説明します。 プリアンプの重要な役割に「出力インピーダンスを下げる」があります。出力インピーダンスは低ければ低いほど良いと思ってもらえればいいです(ちなみに入力側のインピーダンス値は高ければ高いほどいいです。ハイ受けロー出し)これはその機能に特化し、音を変えずにインピーダンス値を下げるために開発されたものです。 実際に使った感想は看板に偽りなしと言ったところ。多少音は変わってしまいますが大きな変化ではなく、調整できます。アクティブ化によってノイズ低減、エフェクターのノリもいいです。 ギター用、ベース用で分かれているのでご注意を。
参考になれば幸いです。ありがとうございました