こんにちは、Cheenaです。前回に引き続き、吹奏楽におけるエレキベースの演奏についてです。

吹奏楽における弦楽器のチューニング
吹奏楽コンサートでは、基本的に、数曲通して演奏をし、その前に全体でチューニングをするという形式を取っています。
最初に演奏される曲は基本的に序曲などの吹奏楽オリジナル曲ですから、エレキベースはチューニングに参加することは少ないですし、そもそもB♭でしか合わせないので全ての弦をチューニングしている時間はないでしょう。
演奏会自体が始まる前か、曲ごとの転換中にチューニングする必要があります。
一般的には、演奏会が始まる前に吹部御用達のコンボチューナー/メトロノームを使ってチューニングすることが多いでしょうか。
しかし、これでは不十分です。
もちろん、悪いのではないのですが、エレキベースを主楽器として使わない吹奏楽においては少々問題があります。
《管楽器は演奏時間が延びると温まってピッチが上がる》《弦楽器は弦が緩んでピッチが下がる》ということを前提に置いておきます。
問題のあるチューニングのやり方
初心者用セットについてくるようなカードチューナーやクリップチューナーを使うと、《チューニングの精度が甘い》《基準ピッチが変えられず、チューニングした段階でずれている》ということが起こりえます。
学校、部の方針により異なりますが、チューニング時の基準ピッチを440Hzではなく442Hzに設定するところも多く、その場合、最初からベースだけ低いという状態になります。
その状態で演奏すると、最初から低いベースが下がっていく一方で管楽器隊は上がっていくので、和音のうねりの原因になります。
改善の余地があるチューニングのやり方
チューナー/メトロノームを使う場合は、内蔵マイクで生音を拾うか、チューナーマイクをヘッドかどこかにつけることでチューニングしますが、曲間ではほとんどできないでしょう。
演奏中に下がったチューニングを戻すことはできないので、最初からわずかに高めに取っておくことである程度対応できますが、根本的な改善とは言えません。
同じくクリップチューナーは、見た目と音響に問題がないならいいですが、一部ステージにチューナーを持ち込むことを忌避する向きもあるので、避けたほうがいい場合もあります。また、ヘッド重量の増加により、わずかに音質が変わってしまうこともあります。
理想的なチューニングのやり方

ペダルチューナーを使う、これに限るでしょう。いつでもチューニングが可能、と同時に、チューニングしていても客席からは見えないというのがポイントです。
また、チューニングをしている時は自動で音を切るようになっているのも、曲間のMC中のノイズを抑制することができたりして便利です。
TC ElectronicやBossの高価格なペダルチューナーを使う必要はなく、BehringerやIbanezのものでも問題ありませんが、一部のペダルチューナー、例えばROWIN LT-920、HOTONE TUNERなどは基準ピッチが変えられないので注意しましょう。
ちなみに高価格帯ペダルチューナーの一部には、バッファー(音量を上げたり、音質を改善するエフェクター)を内蔵したもの、すべての弦を同時に鳴らしてチューニングできるポリフォニックチューナーなどもあります。
吹奏楽におけるエレキベースの音作りに関して、基本に立ち返った改善について書いてみました。
厳密なチューニングを要求する吹奏楽の演奏、その世界に弦楽器は異端ではありますが美しいハーモニーを生み出すことができます。
それでは、良い楽器ライフを!