お世話になっております。ロックバンド「ある程度。」のリードギター担当のukiです。
突然ですが、私が所有するギターの殆どがアクティブ・ピックアップを搭載しています。
私はアクティブ・ピックアップが大好きです。
今回の記事は、アクティブ・ピックアップについてです。
少しでも良さを知っていただければと思い、まだまだ未熟者ではありますがアクティブ・ピックアップのメリットとデメリットを紹介していきたいと思います。
アクティブ・ピックアップとは
Active Pickup(アクティブ・ピックアップ)は通常のギター内部回路とは異なり、回路上にプリアンプを内蔵しているピックアップです。簡単に言えば「電池が必要なギター」といった感じです。
EMG(イー・エム・ジー)社のものが有名で、ピックアップ自体によるパワーはパッシブ・ピックアップ(=アクティブの逆、電池を使わないピックアップ)に比べて信号入力が極めて小さく、少なく入力された信号を内蔵のプリアンプで増幅して出力するものが基本的な構造となっています。
90年代のメタルブーム時からさまざまなギタリストに愛され、有名なユーザーとしては、Zakk Wylde(ザック・ワイルド)やJames Hetfield(ジェームズ・ヘットフィールド)など、メタルギタリストから愛用されてきました。
アクティブはメタル向き?
前述のメタルギタリストから愛用されていたということもあり、
「アクティブ=ヘヴィメタル」という先入的イメージがあります。
たしかに、ハイゲインアンプで深く歪ませる必要があるメタル派生のジャンルでは、ノイズレスかつクリアなサウンドのアクティブ・ピックアップが向いているとは言えますが。
何も、メタルの様なジャンルだけがハイゲインなサウンドを必要としている訳ではありません。
よく耳にするのが「息のしてない音」、「どのギターに乗せても同じ音」という否定的な意見ですが、
その点に関してはちょっとした工夫や音作りで改善が可能と言えます。
どのギターに付けても同じ音?
そもそもピックアップごとにマグネットの違いなど構造が異なり、目指しているピックアップが違います。EMG社に限らず、様々なメーカーで様々な製品を販売しています。
前述にもあるように、少ない入力信号ではありますが、ギターから信号を入力されて増幅されている訳なので、多少なりともギター本体のキャラクターは反映されています。
そのことから、一概にどのギターに付けても同じ音になるとは限らないと言えます。製品によるキャラクターが色濃く出るものがアクティブ・ピックアップの良さかと思うので、その点はいろいろなモデルを付け替えて違いを楽しむのも良いかもしれません。
種類の豊富さ
様々なメーカーがアクティブ・ピックアップを取り扱っており、中でも代表的なものが以下のようになります。
☆ EMG

上記で紹介した「アクティブ・ピックアップといえばコレ!」というようなブランド。
さすがアクティブ・ピックアップ業界の先駆者といった感じで、様々なモデルと様々なカラーリング、アクセサリー類とカスタム面も豊富でハムバッカーモデルとシングルコイルの切り替えが可能な「81 TWシリーズ」、「89シリーズ」があり、技術的な面でも、他と一線を画す存在と言えます。
とりあえず、人気モデル81(セラミック)をリアに搭載し、フロントはいろいろ試してみるのがオススメ。
人によっては85(アルニコ)をリアに搭載させている人もいたり、ポジションと組み合わせが奥深いです。
☆ Seymour Duncan Black outs シリーズ

有名リプレイスメントピックアップメーカー、セイモアダンカン社のアクティブ・ピックアップシリーズ。
個人的にはミドルが強い印象でアクティブの欠点とも言われる、「音の冷たさ」をあまり感じないと言えます。
また、コネクター式の名も上記のEMGの回路と互換性があるため交換が容易です。
Slipknot(スリップノット)のギタリストとしても活躍しているMick Thomson(ミック・トムソン)モデルである「EMTY」の攻撃的なサウンドは他のアクティブ・ピックアップの中でも随一のメタルサウンドです。
☆ Fishman Fluence シリーズ

30年以上に渡りアコースティック・ギター用ピックアップ、プリアンプを製作してきたメーカー、フィッシュマン。長年培ってきた技術をエレキギター用ピックアップに落とし込みコイルレスデザインという他にないユニークなピックアップを開発しました。
弾き込めば弾き込むほどアクティブ・ピックアップの持ち味を感じられる面白いピックアップで、Modern(モダン)が人気な印象ですが、Classic(クラシック)のサウンドの器用さも面白く、好きな人は好きなピックアップかと思います。
最近、様々なアーティストがシグネチャーモデルを発表しており、多くのギターメーカーの標準搭載ピックアップとしても採用されています。
ピックアップ交換が簡単!
アクティブ・ピックアップの殆どが、コネクタブル配線に対応していて、面倒なハンダ付けをスルーしてコネクターをはめるだけで配線が可能です。

なので、ピックアップのポジション入れ替えや互換品への付け替えはかなり楽なものになっています。
まとめ
上記の様にさまざまなメーカーのピックアップを弾いてきました。
私自身、DAWで録音する際は、主にプラグインソフトを使用していますが、パッシブ・ピックアップよりもクリアなアクティブ・ピックアップの方がアンプの特徴が反映される印象で、バッキングやリズムなど、ピッキングニュアンスをフラットにしたほうが良いシーンではかなり活躍してくれています。
電池切れの心配さえ無ければ、いろんな場面で活躍してくれると思います。
これもまたひとつのツールとして導入してみてはいかがでしょうか?
○ メリット
・ノイズレスかつクリアなサウンド
・オケの馴染みがよくバッキングに最適
・アクティブ・ピックアップ同士の交換が容易
× デメリット
・ナチュラルなサウンドを出すには試行錯誤が必要。
・電池切れが怖い。
・ギターの見た目が少なからず変わる。