こんにちは!
BABY BABYというアコースティックユニットのギタリスト兼、作業療法士のフジオカタクトと申します!
前回に引き続き、姿勢に関することを語っていきたいと思います!
さて前回の記事で
楽器を弾くのに大切なのは
「楽チンでリラックスできる、バランスのとれた姿勢」
ということをご紹介しました。
今回は「ギタリストにおけるバランスとは?」という話をしてみようと思います。
人がバランスをとるためには必要な要素がいくつかありますが、まず「バランスをとる場所」をみてみましょう!
全部で6箇所あります。

環椎後頭関節(以下AO関節)
・上肢(腕)
・腰椎(腰)
・股関節
・膝関節
・足関節(足首)
簡単な図ですが、何となくイメージしてください。
リハビリ業界では人を横から見たときに、ここを縦に直線で結んだ線を重心線といって重心の位置やバランスを評価する時に見たりします。
このコラムでいう「バランスをとる」ということは身体を固めたり動きを止めたりすることではなく、
「無駄な力を抜き、動作に合わせて体(関節や筋)を動かし安定性を保つこと」を指しています!
例えば、大道芸人が棒の上にボールを乗せてバランスをとっているのをイメージしてみてください。
緊張を高めて体を固めるのではなく、ボールの重心移動に合わせて絶え間なく全身を動かして姿勢を変化させていると思います。
力むのではなく、柔軟に。そんなイメージを持ってください。

今回はAO関節について少しだけ掘り下げてみます。
AO関節とは環椎(赤色の骨)という背骨の一番上の骨と、後頭部の骨との間の関節のことです。
主に上を向いたり、下を向いたりする時に動く関節です。首の屈伸の50%をこの関節が担っていると言われています。
しかし普段からこんなところの関節を意識したことはないと思います。
そのため関節も固定されやすく、首回りの筋肉は硬くなりやすいです。
こんな上の方から曲がっているのか!と初めて知った方もいるのではないでしょうか?
だいたい首って喉仏の上あたりから曲がっていく感じがしませんか?
解剖学を勉強する前の僕はそう思っていました、というかそこまで考えたことがありませんでした(笑)。
自分の体なのにどうなっているか知らないことってたくさんありますよね。
ただバランスをとる関節の位置と動きを知っているのと知らないのとでは、身体(筋肉)の動きや緊張具合にかなり違いが出ると思います!
前回のコラムでもギター練習時の良くない例として俯いて必死に手元を見ている姿勢を載せています。
ああいう姿勢ってすごい体に負担がかかるんです。
首が必要以上に曲がったまま頭を固定してしまうため、首回りの筋肉が緊張してしまいます。
その影響で全身の筋肉も緊張が高まり無駄な力が入って、姿勢を固めることに繋がります。
そうなると力みの原因になりピッキングが安定しなかったりリズムに乗りにくくなるなど演奏面に支障が出ることが考えられます。
関節の正しい位置と動きを知ることは筋の緊張や固定した姿勢を解く鍵になると思います!
まず一度ご自身でこの関節を触ってみてください。
耳たぶと同じくらいの高さで両手で後頭部の方を触っているとコブが2つあるのがわかるかと思います。
その下辺りがAO関節ですので触りながら頭を上下に動かしてみてください。

わかりにくい写真ですみません。。。
AO関節の動きを感じることができると思います!
ギターを弾くのにバランスなんて関係あるのか!と思われる方もいるかも知れません。
プレイスタイルにもよりますが、大きく動かない限りバランスをとる必要などないようにも思えます。
しかしずっと同じ姿勢をとっていると関節を固めることになるので筋が緊張した状態が続きます。
知らず知らずにそこの筋肉が縮んで硬くなってしまい思ったように体が動かなくなり、それに気づかないでいると体がその姿勢を覚えてしまい、癖になって慢性的な筋疲労や思わぬ怪我に繋がることも考えられます。
こういうときに自分でその異変に気付き、関節を固定している筋肉の緊張を解くことができれば、より自由に、楽に、音楽を楽しむことができると思います!
ギタリストにおけるバランスとは、
「ギターを弾く動きに合わせて全身を柔軟に動かせること」だと思います。
プロの演奏なんかもこういう視点で姿勢を見たりすると面白い発見があるかもしれませんね。
他に関節についても話していきたいことはたくさんありますが、今回はここまで!
また機会があれば書いてみたいと思います。 それでは!