前回はアダプターの説明を簡単にしました。
センターマイナスについて理解できましたでしょうか?
予告通り続きを書いて行きます。
3. 9V?12V? Vとはいったい…ウゴゴゴ……
Vは「ボルト」と読み、電圧のことです。よく電圧や電流の説明はホースと水の流れに例えられるのですが、私は最初にその文献を読んだ時にいまいちピンときませんでした。
電圧は文字通り電気を流す圧力です。針を身体に軽~くちょんと突くとチクッとなって「ちょんとすなよ!」くらいのものですが、圧力を強く刺したら「いて~~~~~!!!」とケガしますよね。そんなイメージです。(ほんとか?!)
指定の電圧より強い電圧をかけたら機械は壊れてしまう訳です。
エフェクターなどに使われる角電池は9Vです、意味は理解してなくとも「9ボルト電池」という名前は知っていると思います。他の単三電池などとは全く形が違うので、専用の電池であることはご存じの通りですね。
では普通の電池って何ボルトかご存じでしょうか?意外に知らない人も多いのでは。
答えは……

1.5Vでした~。そう、大抵は電池に書いてあります。単一電池、単二電池、単三電池、単四電池の標準的な物は全て1.5Vです。
前回、単三電池2本使用する場合は機器の中で繋がっていることが多い、という説明をしましたが電池の+と-をつなげると電圧は合計されて3Vになり、その機器は3Vで動くということになります。
電池を4つ使えば6V、6個使えば9V、8個使えば12Vということになるわけですね~。
単三電池6個で9Vなので当然エフェクターも動かせます、ただそうなると自ずと筐体のサイズが大きくなってしまうので単三電池で動くエフェクターはあまりみかけないですね。(10年ほど前にVOXからでていたTone Garageシリーズは単三電池駆動だった)
という訳で、
実際にテスターを使って電池の電圧を図ってみようのコーナー~!!

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ふぅわぁぁぁぁあああああああ~~~!!!!
1.626Vもあるぅ~~!!!
不良品だぁ~~!!僕の機材が壊れちゃうよ~~~!!
なんて考えてしまう人もいるかもしれませんが、新品の電池は定格よりも大きい電圧が出るのが正常です。アルカリ電池なら1.6Vくらいはあることがほとんどです。
デジタル社会になって0か1か、で考える方もいますが、アナログ電気の世界に誤差はつきものです。頭を柔らかく考えましょう!
サウンドハウスで修理をしていると『電池で動かない!新品の電池を入れたけど動かない!壊れている!!』という内容の問い合わせがワリと多くあります。
ですが実際に現物が送られてきて検証してみると普通に動作する、ということが多くあり、詳しく話を聞いてみると新品とのことだった電池は購入したばかりではなく買い置きしてあった物だった、とのこと……
電池というのは自然放電するので、いくら未使用の電池であっても電気の量は減っていきます。また電池には使用期限が記載されていますが自然放電は温度が高いと早くなるなど環境による影響や個体差があります。
また最近の電池で動作するデジタル機器は、アルカリ電池を使用することを前提に設計されていることが多く、新品の単三電池(1.6V)を入れて使用していくと定格であるはずの1.5Vよりも前の1.54Vくらいで電源が切れたり、正常に動作しなくなったりすることもあります。
では僕らが大好きな9V電池はどうなのよ!
という訳で図ってみると……

だいたい9.6Vくらいですね。
デジタルディレイやリバーブなどで電池が使用できるタイプのエフェクターは、この電圧が基準になっており9.2Vくらいで正常動作しなくなる機種もあります。
それに比べてアナログのオーバードライブなどは7.6Vくらいでも動作したりするものもあります。
電池で動かない!別のエフェクターはこの電池で動いたのに!!なんて言われましても、デジタルリバーブとオーバードライブでは違いますのでご注意を。
電圧の話は長くなってしまうので、また次回へ続く!!