こんにちは!サウンドハウスのPA担当、そしてプライベートでもドラムを叩いている杉本です。
最近は、ドラムを叩きながらコーラスを担当するバンドも珍しくなくなりました。コーラスが加わることで楽曲に厚みが生まれ、ライブ全体の完成度も高まります。一方で、PAの立場から見ると、ドラムコーラスは少し難しいパートでもあります。ドラムセットの周りはスネアやシンバルなど大きな音が常に鳴っているため、ボーカルマイクには歌声だけでなくドラムの音も入りやすく、コーラスが埋もれてしまうことも少なくありません。
今回は、ドラムコーラスを少しでも聴きやすくするためのセッティングのコツと、おすすめ機材をご紹介します。
01まずはセッティングを見直そう
実は、機材を新しく買い替える前に、今の環境のまま改善できるポイントがあります。
マイクはできるだけ口元へ
歌うときは、できるだけ口元に近い位置でマイクを使うのがおすすめです。 少しでもマイクから口が離れてしまうと、その隙間にスネアのアタック音やシンバルの高音が入り込んできます。PA席で「コーラスをもっと上げたいな」と思っても、マイクがドラムの音を拾いすぎていると、コーラスの音量を上げた分だけ周りのドラムの音まで一緒に大きくなってしまい、結果的に音量を上げられなくなることがあります。歌うときは「マイクのグリルに口が付くくらい」の至近距離を意識してみてください。これだけでドラムの回り込みを抑えやすくなります。

スタンドは後方から回す
ドラムの横や前からストレートにスタンドを伸ばすと、タム回しのときやシンバルをクラッシュしたときにスティックが当たってしまったり、視界の邪魔になったりします。 そこでおすすめなのが、ブームスタンドを体の後ろ(背中側)から回し、上方向から口元へマイクを持ってくるセッティングです。前面の演奏スペースがすっきりと空くため、演奏中にスティックや腕と干渉しにくくなります。ライブ中にマイク位置がずれてしまうトラブルも減り、安定したポジションで歌うことができます。

02マイクを変えるだけで改善することも
セッティングを見直しても、どうしても周りの音が入り込んで気になる場合は、マイク選びを見直してみるのも有効な手段です。
ライブボーカル用マイクの定番モデル。 スタジオ等によく置いてあるSM58(単一指向性)に比べて、より音を拾う範囲が狭い「スーパーカーディオイド(超指向性)」を採用しています。正面の歌声をピンポイントで捉えながら、側面や後ろから入る楽器の音をシャットアウトしやすい特性を備えているため、すぐ後ろでシンバルが鳴っているドラムコーラスでも非常に扱いやすいマイクです。SM58からのステップアップや、最初のマイマイクとしても間違いのない選択肢です。
03コーラスを積極的に使うならボーカルプロセッサーも
曲に合わせてハモリを重ねたり、綺麗なリバーブをかけたりと、毎回同じクオリティの演出をしたい方には、ボーカルプロセッサーも便利です。
ハモリやリバーブなど、ライブで使いやすいボーカルエフェクトを搭載したコンパクトモデル。操作がシンプルなので、演奏の合間でも扱いやすく、初めてのボーカルエフェクターにも最適です。派手な演出よりも自然なコーラスを作りやすく、ドラムコーラスにも取り入れやすい1台です。
TC HELICON ( ティーシーヘリコン ) / PERFORM-V
マイクスタンドに直接取り付けられる、ライブ向けボーカルプロセッサー。ハーモニーやリバーブなどを手軽にコントロールでき、演奏スペースが限られるドラムセットでも扱いやすいモデルです。ライブでコーラスを積極的に取り入れたい方におすすめです。
04あると便利!グースネックという選択肢
ドラムコーラスのセッティングを進めていると、「あと数センチだけマイクを近づけたい」「もう少しだけ角度を斜めにしたい」と微調整に悩むことがあります。また、ドラムの激しい振動でブームスタンドのネジが緩み、演奏中にマイクが徐々に下がってくる(お辞儀してしまう)のもドラマーあるあるです。
そんなときに便利なのが、マイクスタンドの先端に取り付けるフレキシブルなグースネックです。タムやシンバルの絶妙な隙間を縫うように細かな角度調整ができるようになり、自分の演奏フォームに100%合わせたセッティングが可能になります。
実際に、Crossfaithのドラマー、Tatsuyaさんもライブの要塞のようなセットの中でグースネックを使用しており、激しいプレイをしながら歌うドラマーには非常に相性の良いアイテムです。派手な機材ではありませんが、セッティングの自由度や安定性を上げたい方は一度試してみる価値があります。
実際のセッティングが気になる方は、下記のYouTube動画もぜひ参考にしてみてください。
まとめ
ドラムコーラスは、マイクの位置や歌い方を少し工夫するだけでも、客席への聴こえ方が大きく変わります。
まずはマイクとの距離感やスタンドの位置といった、お金のかからない見直しから始めてみて、必要に応じて指向性の高いマイクやボーカルプロセッサー、グースネックなどの便利機材を活用していくのがおすすめです。
コーラスが綺麗に抜けてくると、バンド全体のサウンドスケールがワンランクもツーランクもアップします。ぜひ次回のリハーサルやライブで試してみてください。
以上、PA担当の杉本でした!









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