こんにちは!「DIYで頂点を目指すバンドマン」のこたにゃんです。
SNSの発達やテクノロジーの進歩により、大きな予算や設備環境を持ち合わせていなくとも、メジャークラスの音楽活動を実践できる時代が到来しつつあります。
これは自主運営のバンドにとってはこの上ない追い風!このビッグウェーブに乗るべく、2年前より本格的に「DIYで頂点を目指す」をモットーに、「音楽活動において自分たちでできそうなことは自分たちでやる!」を実践しています。それは音楽制作から宣伝物の制作、WEBプロモーションや営業活動など、バンドにまつわること全てが対象です!
今回は、僕たちが実践している「同期を使ったライブ演奏」について書きたいと思います。

僕のバンドの編成は【ボーカル×2、ギター、ベース、ドラム、コーラス&パーカッション】です。ジャンルは王道ポップス。
歌を担当する人数が多く、立体的なコーラスワークを生演奏で再現することができます。しかしキーボーディストがいないため、伴奏をギターとベースだけで作ることとなるのですが、ポップスによくあるバラエティ豊かなサウンドをギターとベースだけで再現するのは至難の技です。
そこで、PCで同期音源を作成し生演奏と組み合わせることで、プロ並みの数のサウンドを楽曲に導入することができます。
同期を導入したきっかけは、前任のキーボーディストの脱退。実はキーボーディストがいました。88鍵を使いこなし、クラシックピアノを得意とするプレイヤーでした。脱退後も当時の楽曲を演奏したかったので、ドラマーの僕がセットの脇にMac bookを持ち込み同期音源を再生していました。
同期を導入するにあたってまず判断するのは、「モノラルで出力するか」、「ステレオで出力するか」です。使用する機材選びがこの段階で変わります。僕たちは、最初は88鍵のピアノの音(+少しの装飾音)を再生するだけだったので、出力は「モノラル」で十分でした。つまり、LとRの片方のチャンネルからは「同期」を再生し、もう片方からは「クリック」を再生する。例えばLチャンネルに同期を仕込んだ場合は、Lチャンネルの出力だけをPAに送り、Rチャンネルの音はプレイヤーがモニタリングする専用として使います。
「ピアノだけ」「リード音だけ」「ビートだけ」といったように、音をステレオで扱う必要のない単音っぽい音色を再生する場合は、モノラルで十分でしょう。機材も1万円台のエントリークラスのもので事足ります。
僕が使っていたのはこちらのオーディオインターフェースです。
YAMAHA ( ヤマハ ) / AG06 ウェブキャスティングミキサー
USB経由でMac bookと繋ぎ、Mac book上で音源を再生します。ステレオミニ端子がついているため、イヤホンを直接刺してモニタリングできます。つまみも直感的で扱いやすい。さらにMCの演出で効果音を鳴らしたいときに、iPhoneをRCA端子経由で繋ぎ楽々再生できました。録音用のオーディオインターフェースとしても高性能で、軽量なので持ち運びにも便利で、市内のスタジオで使う時にも重宝します。
このようにして同期を使ったライブをこなしていくうちにだんだん慣れてきて、「もっと同期を使って、ワイド感のあるシーケンスを鳴らしたい」という欲が生まれてきました・・・。
そこで、ステレオ出力用の機材に切り替えました。
購入したのはこちら。
ZOOM ( ズーム ) / LiveTrak L-8 配信向けデジタルミキサー / レコーダー
PCを使って同期をステレオ出力する時に必要なのは「4out」以上の出力系統を持つオーディオインターフェースです。仮に出力を1・2・3・4と呼ぶとすると、「1・2」はL・Rとして、メインの同期の出力に割り振ります。3・4がクリックなどのモニター用。モノラルでは音源のパンを広げられませんが、ステレオ音源であらかじめワイドに作っておくことで、ライブハウスで鳴らした時に絶大な効果を発揮します。このおかげでストリングスやシンセサイザー、ブラスなどを使ったアレンジの曲も増えてきました。もうね、最高です。今では、もうモノラル出力や、同期を使わないアレンジには戻れません・・・。
音源を出力するソースとなる機材は、PCである必要はありません。実際、「L-8」はMTRとして使える機材で、SDカードにWAVデータを入れておけばPC接続せずに音源を再生できますし、簡単なEQもついているので現場に応じた音作りが可能です。僕の場合は、Mac bookでDAW「Logic Pro X」を立ち上げ、プロジェクトファイルに楽曲(2mixのWAV)をまとめておき再生しています。リハーサル時に1つ1つサウンドチェックし、会場によって不必要な帯域を削ったり、PA側で微調整が難しいトラックごとの音量差やEQの加減をDAW側で操作しています。モノラルの時は音色数も少なかったのでこの作業はしていませんでしたが、今では10以上の音色をLからRまでびっしり敷き詰めているので、僕はギリギリまで微調整ができるという理由で、DAWからの出力を採用しています。
またライブ時の持ち込み機材としては、実機である「L-8」とMac book airに加えて、モニタリング用のイヤモニ(必要人数分)、それと転換をスムーズにするためにキャノンケーブル2本も持ち込んでいます。またオーディオインターフェースを繋ぎ、DAWを立ち上げているのでMac bookの電力消耗が激しいため、必ずコンセントからの電源供給を受けています。30分尺の短いライブでも、万が一に備え電源は必ず挿すようにしています。
ちなみに、この「L-8」はかなりたくさんの機能を搭載した名機のようですが、まだ録音や配信には使っていません・・・。おいおいご紹介できるよう、使いこなしてみます・・・。
いかがでしたか?
「DAWを使って同期音源を作る」ことも僕たちはエンジニアに頼らず自分たちで実践しているので、また回を改めてご紹介したいと思っています!
DIYで音楽活動を回すことは難しさも多々ありますが、他力本願にならず自分たちで課題解決し前進することにやりがいや手応えを感じますし、実践したことは成功も失敗も全てノウハウになるため、こうやって同じ志を持つみなさんと交流するきっかけにもなります。
みなさんも、DIYで自分のバンドをビッグに育ててみませんか?!
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